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“虚空を見つめる猫”になって事故物件を探索するホラーゲーム『The Way hOme』発表。怪異を祓うまで、執拗に見つめ続けよう

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※この記事はフィクションです。実在の人物、団体、出来事とは一切関係がありません。

※本記事には、ホラー描写が含まれます。注意してご覧ください。

2025年9月30日、Joyful Calamityは新作ホラーゲーム『The Way hOme』を発表した。

価格情報は明かされておらず、発売時期は2025年10月30日を予定している。対応プラットフォームはPCのほか、コンソール向けにも販売される予定だ。

『The Way hOme』は「怪異が見える」猫となって事故物件を巡るホラーゲームだ。
プレイヤーは3人称視点で主人公の猫を操作し、立ちはだかる怪異を除霊しながら飼い主の霊魂を探していくこととなる。

公開されているスクリーンショットやキービジュアルでは「猫が虚空を見つめている」姿が描かれており、この「見つめる」アクションなどを活用した探索や戦闘がゲームの見どころだ。

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なお、作中に登場する怪異は、主人公である猫の命を狙うものも存在する。プレイヤーは猫の「見つめる」アクションのほか、爪による攻撃を行うこともできる。

爪に関しては「爪ゲージ」が存在しており、マップ上に配置された「傷ついた壁」や「段ボール」などで回復できるという。
また、探索においては猫らしい「嗅ぐ」アクションによって、怪異などの痕跡を辿ることもできる。

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スクリーンショットでは何者かによる「声」と、それに対するアクションを選択するGUIが表示されている。未だ詳細は明かされていないが、イベントシーンならではの要素や、物語の詳細なども気になるところだ。

本作を手掛けるJoyful Calamityは、個人ゲーム開発者であるHashidume氏が主宰するゲーム開発チームであるという。

興味のある方は『The Way hOme』の公式Xアカウントをチェックして続報を待とう。

※この記事はフィクションです。実在の人物、団体、出来事とは一切関係がありません。

※本記事には、ホラー描写が含まれます。注意してご覧ください。

以下、プレスリリースの全文を掲載しています。


虚空を見つめる猫として事故物件を巡る新作ホラーゲーム『The Way hOme』発表

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私の恐怖の源流は8歳か9歳の時でした。

記憶はぼんやりとしていますが、とにかく、自我が芽生えつつもまだまだ右も左もわからないような、(C)人間として未完成だったときの出来事です。

 

兄弟が多い二世帯住宅は、当時の私にとってひどく窮屈に感じられました。
自分への当たりが強くて暴力的(と、当時は信じていた)年上の兄弟たちに、なにを喋っているかよくわからない曽祖父。

それらは私にとってひどく目障りで億劫で、私はいつも学校から帰って来るや否や荷物を置いて外に出て、庭の物置からサッカーボールを取り出して公園へ出向きました。

団地の敷地にある公園はいろいろな年代の子どもたちがいつも跋扈していて、ひとりぼっちでいる私にはそれだけでだいぶ気まずかったのですが、家にいるよりはマシです。

私は暗くなるまで壁にボールを蹴ったり、リフティングを練習したりして時間を潰しました。公園にはサッカーのコートとゴールがありましたが、それを使っているほかの子どもたちに声をかけて、試合に混ぜてもらおうとは思いませんでした。

私はそのころ友達もいなかったし、だいぶ陰気な子どもだったのです。
今思えば、彼らのそばでひとりでリフティングをしていたのは、向こうから誘ってくれるのを無意識に待っていたんだろうと思います。

両親は、10歳になったら地域のサッカーチームに入れてくれると言っていました。学校のある平日よりも休みの土日のほうが居心地の悪かった私には、それが楽しみでした。多忙なスポーツチームに入れば、家にいる暇なんてなくなると思っていたのです。

さきほど、私には友達がいなかったと書きましたが、実のところ、ひとりぼっちの私を顧みてくれる人物がひとりだけいました。
私の祖父母よりは少しばかり若いと思わしき、初老に入りたてのように見えるその人物は、いつも隅のベンチに座って子どもたちの遊ぶ風景を眺めていました。

私は単に、その人物のことを「おじさん」と呼んでいました。彼は名前を名乗らなかったし、私もそれには興味がありませんでした。

おじさんはあるとき、ひとりでリフティングをしている私に声をかけてきました。ちょうど、30回連続を達成した満足感にひたっていたときです。

私は彼を警戒しました。祖父母のイメージから、「老人といえば、高圧的で意味不明」という印象がありました。

おじさんは汗で黄ばんだベイスターズのキャップをかぶっておりどことなく不潔感がありましたが、私の萎縮を察したうえで、優しげな表情と口調を持って私に近づいてきました。どんなことを言われたかハッキリしていませんが、お互いに笑い合ったと思います。
少なくとも、スポーツの話題や、学校のことなど、歳の差が大きいのにだいぶ流暢に談笑したことを覚えています。

しばらくおじさんと話していると、だいぶ日が暮れてきました。そろそろ彼との会話にも飽きてきたころです。家に帰らないと、と私は言いました。

すると、おじさんは自身が腰に巻いていたショルダーバッグからなにかを取り出しました。
それをにこやかに私に差し出します。
一瞬、おじさんは小遣いをくれるのだと思った私の期待はしぼみましたが、おじさんがくれようとするものを見て、嬉しくなりました。

当時私が好きだった菓子パン、握り拳くらいのサイズが、縦に並んで4つか5つ入ったあれです。柔らかい皮にクリームが包まれていて、私はそれを一口で丸呑みするのが好きでした。今思えばチンケなプレゼントですが、私は純粋に、見知らぬ他者からの好意として受け止め、喜びました。

なんてことない格安の菓子パンも、こころなしか普段よりもずっしりとした重みを感じます。おじさんは菓子パンのパッケージを私の手に渡すと、にこやかに去っていきました。

私はさっそく帰路につきながらパッケージを剥いて、家に帰りながら食べることにします。4つあるうちのひとつだけを食べて、残りは取っておいて何日かに分けよう、と計画を立てました。

べつに菓子パンひとつを大事に取っておかなくてはならないほどひもじくはありませんでしたが、両親から与えられたものではない食品、というものはそれだけで特別感があったのです。
サッカーボールを小脇に抱えながら、パンをひとつ手に取りました。

普段このパンは、一個まるまる口にふくんでそのまま牛乳で流し込むという食べ方がお気に入りでしたが、空腹も感じていたし、今回にかぎっては少しずつ、大事に食べようかと思いました。
私は汚れた指でクリームを包む皮だけをちぎっては口に含む、ということをしながら帰り道を歩きました。

何回かパンをちぎったとき、私は爪に痛みを感じました。

思わず、左腕と身体で挟んだサッカーボールを落としてしまいます。ボールは道路のアスファルトをバウンドし、どこかに転がっていきました。

パンの中に、なにか尖っているものが混入しているようでした。私はクリームの中に慎重に指を入れて、それを探してみます。
なにか硬いものを指の腹で触ったのがわかり、それを引き抜いてみました。

 

刺繍のときに使うマチ針でした。

 

どういうわけか、それがパンの中に埋め込まれていたのです。
食べ物と裁縫道具の組み合わせが当時の私にとって気味悪く、それをその場に投げ出しました。

ふと思い立って、私はパッケージの中のほかのパンも二つに割ってみました。内包されているすべてのパンに針が仕込まれていて、私はぞっとしました。それも1本だけでなく、2、3本も。

製造過程での異物の混入とはとうてい思えず、どう考えても、おじさんが仕込んだものでしょう。いつものように丸呑みにしていたら酷い目に遭っていたに違いありません。

おじさんは私個人を狙ったのか、誰でもよかったのか、定かでありません。それ以来私はその公園に寄り付かなくなったので、彼のその後については知りません。

このことは誰にも明かしていません。
私が恐怖という題材で作品を作るとき、いつもこの小規模で不潔な思い出を想起するのです。

 

 

 

 

 

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ゲーム開発チーム・Joyful Calamityは、新作ホラーゲーム『The Way hOme』を発表します。それにあわせて公式Xアカウントを開設しました。

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『The Way hOme』とは

『The Way hOme』は、怪異が見える猫となり、日本の事故物件を巡りながら飼い主の霊魂を探すホラーゲームです。

制作にはUnreal Engine 5を使用しており、フォトリアルなグラフィックで描かれる恐怖を、ぜひご堪能いただければと思います。

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「嗅ぐ」「引っ掻く」「視る」アクションで、除霊せよ

このゲームをプレイするあなたは、猫になる。

猫になったあなたは、「嗅ぐ」「引っ掻く」「視る」と、3つのアクションを駆使して怪異に立ち向かうことができます。

「視る」
あなたの瞳には、この世ならざるものが写ります。
あなたが見つめ続けることで、怪異たちは浄化され、本来存在すべき世界に還ることができる……かもしれません。

「嗅ぐ」
あなたは匂いを嗅ぐことで、人やモノ、そして怪異の気配を辿ることができます。
事故物件に漂う痕跡を辿り続ければ、やがてあなたが探す存在に、辿り着くことでしょう。

「引っ掻く」
一部の怪異たちは、あなたが持っている9つの命を狙ってきます。あなたの立派な「爪」を有効に活用すれば、襲い来る脅威を無力化することもできるでしょう。

攻撃の際に消費する爪ゲージは、削れた壁や段ボールなどで回復できます。ゲージがゼロになると、攻撃力がいちじるしく低下するため注意しましょう。

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Joyful Calamityについて

Joyful Calamityは、ゲームクリエイター・Hashidumeが主導するゲーム開発チームです。

これまでは『RPGツクール2000』を使用したフリーゲームを制作しておりましたが、このたび初めてUnreal Engine 5を使用したゲームの開発を行います。

『The Way hOme』概要

ジャンル:フォトリアル猫ホラーゲーム
プレイ人数:1人
価格:未定
発売日:2025年10月30日
開発元:Joyful Calamity
公式X:@The_Way_hOme_

※この記事はフィクションです。実在の人物、団体、出来事とは一切関係がありません。

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