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『魔法少女まどか☆マギカ』の新作ゲームをプレイしたら、360度見渡す限り魔女の結界に取り込まれ放題で最高だった。劇団イヌカレー(泥犬)の“特濃”魔女空間に溺れろ!

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魔法少女世界への入り口はスマホにある。いまなら指先一つで360度見渡す限り、魔女の結界に取り込まれまくることすら可能だ。

突然頭がおかしくなったのではない。『魔法少女まどか☆マギカ』の新作アプリゲーム『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra』の話である。細部にわたり再現されたアートワークで、魔法少女の活躍どころか魔女の結界空間までどっぷり体感できるこのゲームについて紹介したい。

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どのくらいこだわられているかというと、たとえば上の画像で戦っている犬の魔女は原作で設定のみ存在していた本編未登場の魔女なのだが、本作では専用マップと専用背景4種と専用登場演出を抱えて立ちはだかる力の入れようである。わけがわからないよ。

このゲーム、ただのIP活用スマホゲーではない。『魔法少女まどか☆マギカ』の世界観やアートワークを堪能でき、キャラクターたちのショートエピソードまで収録された、“魔法少女電子百科”とでもいうべき作品だったので、この場を使って紹介していこう。

文/岡井モノ
編集/うきゅう


可愛くて、怖くて、美しい。『魔法少女まどか☆マギカ』の世界とは

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ゲームの話をする前に、いちおう原作の紹介をさせてもらおう。

『魔法少女まどか☆マギカ』は新房昭之が監督し、シャフトが制作、2011年にテレビ放送が開始されたアニメ作品だ。
『ひだまりスケッチ』などの愛らしい絵柄で知られる蒼樹うめがキャラクターデザインを務める一方、ダークな作風を売りとする虚淵玄が脚本を担当するというギャップで、発表当初から注目を集めた。

いまなお語り草となっている「3話」の衝撃的な展開や、劇団イヌカレーの描き出す幻想的で不気味な“魔女空間”といった、様々な方面で大好評となった同作は、放送終了後も漫画や小説、ゲームなど幅広く展開。

先の3月に開催された国内最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2025」でも、新作映画情報が大きな話題となるなど、今も多くのファンを生み出し続ける人気作となっている。

可愛らしい登場キャラクターとハードなストーリー展開、そして独創的かつ幻想的な映像表現などが広く支持されるシリーズだが、そのゲーム最新作となる本作はとにかくアートワークのこだわりがすごい。

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登場キャラクターはもちろんのこと、ホーム画面やステージとして用意された魔女の結界、マップデザインもそれぞれ個性的で雰囲気を盛り上げてくれる。そしてそれらの要素はゲームを進行して獲得実績を得ることでギャラリー内に収録され、閲覧することができる。

ギャラリー自体はゲーム進行と直接的には関係ない要素も多いのだが、なぜかそこにも異様に力が入れられている。ギャラリー内の魔法少女カテゴリではその3Dモデルやプロフィール、ボイスを鑑賞可能で、ストーリー項目では各魔法少女のバックストーリーをたどることもできる。

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1つあたりは数分で終わるものだが、それぞれの背景やキャラクター性がショートストーリーとして楽しめる内容で、確認できるだけで魔法少女一人ごとに8つのエピソードがある。

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そしてそれが登場する魔法少女、全員分ある。現時点で実装されているものだけで8×37、296エピソードがギャラリーページにおさめられているのだ。ちなみに、ゲーム本編のストーリーは別にある。

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ゲーム中の印象的なシーンで奏でられ、ゲームプレイを盛り上げてくれる楽曲もミュージックモードでは100以上の曲を聴くことができる。過去発売された劇伴曲入りのCDが40曲程度の収録だったと考えると破格ではないだろうか。えっ……このゲーム、基本プレイ無料だよね?

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魔女結界に至っては、“お菓子の魔女”ならカラフルなお菓子がちりばめられたデザイン、“銀の魔女”であれば高速道路を疾走する空間など、4段階ある階層ごとに別の専用背景が用意され、画面をスワイプするとぐるりと一周みわたすこともできる。ただ背景を眺めるモードがわざわざ用意されているのだ。

あの幻想的で不気味な空間を思う存分漂うことが可能。「不気味な空間なんて誰が喜ぶんだ」と言われたら、私はうれしい」と答える。もはや魔法少女電子百科くらいの情報量がここにはある。

まばたきするな、魔女の結界のこだわりアートを感じろ

本作のメインクエストはホーム画面から魔女の結界を選択し、ビジュアルとテキストで展開されるストーリーを追い、使い魔を倒しながらマップを進み、最奥にいる魔女を倒すことで進行していく。

なぜオーソドックスなゲームの流れをわざわざ説明したのかというと、これらに登場するビジュアルがオーソドックスじゃないからである。いや、正確にいうとストーリーを追うパートはわりと一般的なそれなのだが、その他の部分にかなりこだわりを感じられる。

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ステージセレクトに該当する魔女の結界選択画面がこれである。“記憶の窓”と呼ばれる魔女の個性にあわせた専用デザインが個別に用意されているうえにアニメーションもある。これらの窓にタッチしてとびこむと、今度は全体マップを入り口から奥へコマを進めながら進行していく。

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魔女の結界に足を踏み入れると、まず第1階層からスタートする。お菓子の魔女はその名の通りカラフルなお菓子やフルーツ、そして使い魔がいる風景が広がる。薄暗く不気味ながらもどこか幻想的であり、ここが異空間だと認識させられる。

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第4階層はボスである魔女が待ち構える最深部。ひらけた空間に明るめの配色であるものの、チョコレートが溶けだしたような外周部など不穏な部分とのギャップがかえって怖かったりもする。原作での展開を知っているとなおのこと……。

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マップ攻略が進むとその全容を見渡すこともできる。ひとつの結界といっても階層ごとにがらりと雰囲気が変わりBGMも異なる、その世界観の構築に舌を巻くこと請け合いである。

ボス到達時に振り返ると、これまでの道程を山の頂上から見下ろす絶景のようでわくわくする。状況的にはめちゃくちゃ危ない魔女の膝元にいるわけで、胸躍らせている場合じゃないけど。

こんな空間が魔女別に4種ずつ、使いまわしなしに用意されているのだ。テーマパークに来たみたいだぜ。

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個別のステージ内では使い魔とのバトルを経て魔女の結界を駆け抜けることで、より探索感が増す。なおバトル、探索ともにオートモードも選択できる。

自分の好きなように動かしたい場合はマニュアルを選択してじっくりと、気軽さを重視する場合はオートモードで操作を簡略化し快適なプレイが選択できる。ステージが細かく区切られていることもあり、ちょっとした合間時間にもプレイしやすい。

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そしてキャラクターのみならず、アートワークを含めて鑑賞できるギャラリーの充実ぶりは前述のとおり。この世界そのものに魅せられたという人にこそプレイして欲しい。

「魔法少女に守られながら銀の魔女を追って小一時間結界内を疾走したい」といった病気のときにみる夢みたいな状況も、このゲームなら再現可能である。

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魔法少女の記憶をたどり、魔法少女に熱視線を送るゲーム

魔法少女、そして魔女の結界の構築に相当なこだわりを感じる本作だが、ゲームシステム自体はオーソドックスな遊びやすいものである。

本作のゲームジャンルはRPG。プレイヤーは記憶をなくした魔法少女となり、原作ストーリーを追体験しながらキャラを育成し、魔女や使い魔とバトルを繰り返しつつ記憶の光を集めていく。

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お気に入りの原作キャラと冒険したいというプレイヤーは、ガチャで入手した魔法少女とパーティを組み、探索時にはおなじみのキャラで魔女の結界内を駆け回ることもできる。

戦闘システムは行動順に進行するターン制コマンドバトル方式。攻略には高レアキャラを入手し、育成アイテムで育てることも必要だが、それ以上にパーティのロール(役割)を考慮した戦略の重要度が高い。

アタッカーやディフェンダーの他、相手のブレイクゲージを削り大ダメージの起点を作るブレイカーなど、戦略や敵の特性にあわせた編成が求められる。序盤はある程度高ステータスキャラでのゴリ押しも通用するが、ゲームを進めて壁にぶち当たったときに改めてロールについて考えさせられるだろう。

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ストーリー・バトル・育成・収集・PvP要素など求められるものは一通りそろっているので、ゲームに不慣れなプレイヤーも自分のペースで楽しむことができるはずだ。

そして、気が付くと魔法少女のステータスを熱心に見比べている自分がいる。原作で魔法少女をスカウトするキュゥべえの気分さながらだ。

魔法少女と幻想的な結界を歩き、収集し、鑑賞できる。俺がキュゥべえだ!!

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もちろんキャラクターのモデリングや一枚絵も魅力的に仕上がっており、ガチャからレアキャラをゲットできた際には興奮必至である。

ではアートワーク以外に特筆すべき点が無いかと言われればそれは違う。

例えば期間限定で登場するイベントクエストでは、アニメ本編では描かれなかったストーリーや、もしもこういう設定だったらというIFの展開があるなど、より深い魔法少女世界の掘り下げがあるのでシリーズファンならば必見の内容だ。

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『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』のプレイヤーからは3D化したキャラクターやフィールドグラフィック、そしてシステムの進化を感じることができるだろう。

キャラクターがいきいきと動いているのはファンならばうれしいものだ。ちなみに、『マギアレコード』から本作への引継ぎ要素もある。

また、冒頭で少し触れたように『まどか☆マギカ』の世界は派生作も含めるとかなりの数の魔法少女が存在するのだが、それらを集結させてお気に入りのドリームチームを編成して遊ぶことができるのも本作の大きな魅力といえる。もちろんすべて3Dモデルでキビキビと動き、めちゃくちゃよく喋る。

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これを読んだあなたも、そろそろ魔女の結界に取り込まれたくなってきたのではないだろうか。キュゥべえになって魔法少女に熱視線を送りたくなってきたのではないだろうか。

ここまで紹介したもの以外のコンテンツも、今後アップデートでの追加が予想されるので、魔法少女の世界はさらに充実していくことだろう。基本プレイ無料の『魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra』。ぜひ一度体験してみてほしい。

ライター
寿司屋に擬態したライター編集者。幼少期におばあちゃんと対戦した『プロ野球ファミリースタジアム'88』でコールド負けを喫したくやしさからゲーマーとしての才能が開花。半年の猛特訓を経て再戦した際には5分でコールド負けをしたほどの実力を持つ。
編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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