「ひとりで遊んでもしっかりとリアルなゴルフ体験ができるという、ゴルフゲームの金字塔へのリスペクト」──。継承と進化の両立に迫る『みんなのGOLF WORLD』プロデューサー・竹本尭史氏インタビュー
ひと通り今回の『みんなのGOLF WORLD』を体験し終えた後で、本作のプロデューサーである竹本尭史氏にお話をお伺いすることができた。

──『みんなのGOLF』が久しぶりに復活した経緯を教えていただけますか?
竹本尭史氏(以下、竹本氏):
SIE様が創出されたIPの魅力を世界中に広めたいという思いからSIE様とコミュニケーションさせていただく中で、今回国民的ゴルフゲームとして長く愛され続けている『みんなのGOLF』をお借りさせていただきました。
──『みんなのGOLF WORLD』というタイトルに込められた意味を教えていただけますか?
竹本氏:
世界を舞台にしたコースや、世界各国の出身地を持つキャラクターが多くいるため、その世界観が感じられるような体験ということで『みんなのGOLF WORLD』と付けています。また、『みんなのGOLF』を世界中に届けたいという思いも込められています。
──プロデューサーが感じた『みんGOL』らしさはどのあたりになりますか?
竹本氏:
他にも簡単で遊びやすいゴルフゲームはたくさんあります。そうした中でも、『みんGOL』はよりリアルなゴルフ体験ができるところが魅力です。初代「みんなのGOLF」の発売以降、過去数多くのシリーズが開発され、そのたびに積み上げられてきた魅力的なゴルフ体験は世界中のユーザーに愛されてきたと思っています。
カジュアルに遊べる間口の広さはありつつ、奥行きのある体験が楽しめるのが『みんなのGOLF』の魅力であり「らしさ」だと思っていますので、その点は最大のリスペクトをもって今回の新作を開発しています。
それに加えて、簡単で遊びやすくなっています。ひとりでコツコツ遊ばれてきたかたもいらっしゃいますが、その部分では、結構奥行きがあります。こちらは、カジュアルなゴルフゲームとは異なる点だと思っています。
──シリーズとしては12作目で、PVでも1作目をフィーチャーされていました。そうした中で、『みんGOL』らしさを出した部分や気を付けたところなどがあれば教えていただけますか?
竹本氏:
気を付けたところは、手軽だけど爽快にショットが出るという手触りだと思います。
PVで使わせて頂いた初代『みんGOL』のイメージ映像ですが、みんなで気軽に楽しく楽しめるゴルフゲームでありながらも、ひとりで遊んでもしっかりとリアルなゴルフ体験ができるという部分が金字塔と言われる所以だと思っています。
今回の「みんなのGOLF WORLD」は最新作として、この部分には特に最大のリスペクトをもって開発させていただくということを意識して使わせていただきました。
──新作のバラエティモードはとても楽しい内容になっていました。過去のシリーズにも同様のモードは搭載されていましたか?
竹本氏:
「色物ルール」というものがありまして、そちらでトルネードやカップが大きくなる「デカカップ」などがありました。
今回、2025年に「みんなのGOLF」を発売させていただくにあたり、より幅広い方々に本作を楽しんでいただけるにはどうしたらよいか考えていました。
その中で「リアルなゴルフ体験」はみんなのGOLFシリーズで積み上げられてきた体験・仕組みを基盤としてしっかりしたものを開発させていただくことが第1優先としつつも、そのゴルフ体験を基盤にしながら、バラエティ番組のように上手い人もそうでない人も一緒に楽しめるものがあってもよいのでは、と思った次第です。
そのようなことを過去のシリーズに採用されていた「色物ルール」から着想を得まして、このバラエティモードを制作しました。ですので、このモードではゴルフやゴルフゲームを知らない人にもより取っつきやすいようなルールを採用しています。
実力差があっても一方的なゲームになりにくくなっているので、みんなでより盛り上がって対戦を楽しめるようになっていると思います。
──本作では、操作方法に新たなものと従来のものが両方収録されています。当初からこうした形にしようと思っていたものなのでしょうか?
竹本氏:
最初はやはり「従来の操作の再現」というところに注力して開発をしていました。ただ、開発をする中であらためて様々な方々に開発中のゲームを触っていただいたのですが、その中で操作に関しては従来のだとハードルが高いと感じる方々がいることが分かりました。
初めてこのゲームを触る方も含めると、今の時代に合わせたものもあってよいのではないか、ということで、新たな操作も採用しています。
──今回新しい操作方法のタイプ1を作るにあたり、従来までの操作方法だったタイプ3から変えたかったところはどこでしょうか?
カメラ操作とスピン入力です。スピン入力に関しては、ショット中に上下させるのは『みんなのGOLF』初心者の方には、なかなか難しい操作になります。今作から入ってくる新しいユーザー様に触ってもらうときに、ハードルが高いかもしれないと感じ、スピンの入力は新たなものにしています。
カメラ操作についても、ピンポイントで見たいのは「どの辺りに落ちるのか」、「この部分の地形を見たい」という部分ですよね。このあたりについては、最近のゴルフゲームを参考に調整しています。
──Nintendo Switch 2、PlayStation 5 Proの対応は予定されていますか?
竹本氏:
現状はどちらも対応は予定しておりません。
まずは現在発表しているハードで楽しんでいただきたいと思っております。
──有償コスチュームなど、コンテンツの販売予定はございますか?
竹本氏:
現状は予定していません。すべてゲーム内で獲得やポイントで購入するコスチュームになっています。
──今作で新しく追加されたキャラクターもいますが、過去作からの選ばれたキャラクターも多く存在しています。そちらの選定基準を教えていただけますか?
竹本氏:
国籍や年齢などの要素から、バランスを考慮して選定しております。
──時間や天候の変化を導入した意図を教えていただけますか?
竹本氏:
よりリアルなゴルフが体験できるように、リアルタイムな変化を入れています。
というのも、リアルなゴルフでは、途中で雨が降ってきて「あ、ヤバい。ちょっと芝が重くなっちゃった」というように、戦略を変えなければいけなくなるような体験がありますが、本作ではそのような体験に近づけるような狙いをもってこの仕組みを採用しています。
もちろん、過去のシリーズでも天候を雨に変えてホールがスタートするというものはありましたが、今回はそこにリアルタイムな変化要素を入れて楽しめるようにしている形です。
──天候の変化はショットごとに変化していくのでしょうか?また、時間の変化はどれぐらいの感覚で変わっていきますか?
竹本氏:
コースに入ったところから、自動的にタイムがカウントされていきます。放置していると、ゲーム内の時間も進み朝から夕方になったり、途中で雨が降ってきたりという変化は起こるようになっています。
時間はだいたいリアルな体感に近いものになっています。リアルだと、18ホール回ると5~6時間掛かりますが、ゲーム内でもゴルフコースを回るリアルな所要時間を参考に時間が経過するように調整しています 。
夜になるとラフや茂みにはいったときに、見えにくくなって打ちづらくなるといった影響もあります。また、本作では雪が降るコースで凍って滑りにくい……なんてこともあります。
──プレイ時間がやりこみ要素を含めると50~80時間と想定されていますが、このやりこみ要素とはどのようなものをさしていますか?
竹本氏:
結構幅が広いのですが、MAXで想定しているのは全キャラ解放した状態でキャラクターの各シナリオもすべて解放し、ステータスもすべてMAXという状態にするまでです。
──最後に本作の発売を楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。
竹本氏:
『みんなのGOLF』を長く愛されているファンの方々はもちろんですが、これまで触れてこなかった方々も、今作では遊びやすい要素をいろいろと入れています。一人プレイはもちろん、周りの友達や家族とも一緒に楽しんでもらえたらと思います!続報も楽しみに待っていただければと思います。
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※画面はPlayStation®5版の開発中のものです。