『シャインポスト Be Your アイドル!』、完ッ!!!
でも、俺ってこういうゲームの方が燃えるんだよ。
こんなに挑戦的なゲーム、久しぶりに出会った気がする。
ここで諦めたくない。負けたくない。
なんとかして、最初のユニットを武道館に連れていきたい。
2周目、イクゾオオオオオ!!!!!……ということで、新たなユニットを編成。
これ、春・杏夏・理王・蓮・菜花って、アニメ的には(原作的には?)結構なドリームチームなんですよ。通常なら「TINGS」と「HY:RAIN」というライバルチーム同士の子たちが混成ユニットになったわけで、さすがにこれで負けるとか許されないって感じの編成になった。
一人称も、心機一転「妾」にしてみた。
このゲームは女皇がプレイすることも見越しているらしい。
私の言い方のせいで、「これって、ゲームとして面白くないの?」と感じてしまっている人がいるかもしれない。本当に申し訳ない。『シャインポスト』、シミュレーションとしてはしっかり面白いと思う。いちいち余計なひと言を挟んではくるが。
なぜなら、1周目を終えた時点で、ある程度は「どうすれば1ユニット目を武道館に連れていけるのか」が見えている……つまり、理論的に計画を立てられるからだ。マネージャーとしての知識や経験をしっかり活かせる。あんな思いしたせいで、イヤでも学習したのかもしれない。
なぜ、前の1ユニット目は武道館に行けなかったのか?
それは、シンプルに「ステータスが足りなかった」から。
もちろん、アイドルたちにはそれぞれ「ステータス」がある。基本はみんなが勝手にレッスンをして、自動的に上がっていく。それゆえに、ステータスの上昇率は、会社の設備がどれだけレベルアップしているかによって大きく左右される。はず。
設備にお金を投じないと、成長もしない。
それが1周目で得た学び。いちいちリアルだ。
だから、とにかく設備をレベルアップ!
お金を稼いで、設備強化に必要な会社のステータスをすぐに上げて、設備を強くする! そうすると、地道ながらもみんなのステータスがグングン成長する! ステータスが成長すると、ライブが成功してお金を稼げるようになる!
1周目でハマっていた「ライブの赤字地獄」、さまざまな要素が絡んでいるとは思うのだけど……やっぱりアイドルのステータスの低さによる、パフォーマンスの良し悪しがライブの収益に直結していた可能性がある。
裏を返せば、設備をよくして、アイドルをどんどん強くすれば、必然的に儲かる!
いいぞ、妾は『シャインポスト』を乗りこなしている!!

さらに、アイドルたちを「覚醒」させた。
ユニットのメンバーと個別に交流を重ねて、信頼度を高めていくと……アイドルは「覚醒」する。そして覚醒した瞬間、ステータスがグンと上昇する! これで、一気にライブの成功率も上がる!
あんなに苦戦したライブが、あんなに苦しかった経営が、なんだか軌道に乗ってきた! なんか感動! 1ユニット目の子たちどんどんユニットとして成長し、一躍大人気アイドルに!!
そして、ついに「武道館」の予約を取ることができた!
ついに武道館アイドルとして認められたのだ!!
ついに、武道館へやってきた!
みんなも嬉しそう!
ウッ……みんな、みんなやったね……!!
そして「武道館ライブが成功するかどうか」という第二の関門があるのだけど……いい設備で強くなって、覚醒したアイドルたちなら楽勝だった!
武道館ライブ、大成功!!
やった……ついにやったよ……
春、理王様、杏夏、蓮、菜花……やったよ!
武道館ライブの成功を祝って、高級ホテルで祝賀会が開かれた。
これから、ドキュメンタリーやテレビに引っ張りだこになる。
彼女たちの未来は、夢と希望に満ちている。
ああ、妾は『シャインポスト』を完全攻略したのだ。
1周目の無念を晴らしたのだ!
あの屈辱を、あの雪辱を晴らしたんだ!!
諦めなければ、いつか必ず報われる!
夢は、いつか必ず叶う!!
『シャインポスト Be Your アイドル!』、完ッ!!!
妾は悪くねえ!妾は悪くねぇっ!!
次のボタンを押した瞬間、私は破産していた。
え? 武道館成功したんじゃないの?
ライブは成功した。しかし、会社は破産した。
つまりこれ、「武道館ライブが成功するくらいのユニットを育てることには成功したけど、武道館のハコ代をライブの収益で回収しきれなくて、会社が破産した」ということだ。そして、即ゲームオーバー。
そんな……そんなバカなあああああああああああ!!!!!!!!
こんなアホなゲームオーバーがあるだろうか?
絶頂からの奈落。大勝利からの大敗北。希望からの絶望。
これだ。これこそが『シャインポスト』なのだ。
アイドルだけが勝っても意味がない。
会社が負けたら、その時点でゲームオーバーなのだから!!
そして3000万の借金を背負った私は、借金返済のため、過酷なカニ漁に繰り出していた。
当たり前のことだが、アイドルたちは夢を絶たれたらしい。ユニットはみんな解散。シレっと結成していた2~3ユニットも、日の目を見ることなく解散。
武道館ライブなんて、一瞬の夢だった。
無能な社長でごめん……。
妾なんかが会社を作ってごめん……。
夢を見てごめん……。
これが、夢を追った者の末路である。
社長なんてやらなきゃよかった。
会社なんて作らなきゃよかった。
夢なんて最初から見なきゃよかった。
妾は悪くねえ! 妾は悪くねぇっ!!
『シャインポスト』、面白いですよ?
ここまでの内容で、「これはもしかしてヒドいゲームなのか?」と思ってしまっている人がいるかもしれない。本当に申し訳ない。私は、かなり面白いゲームだと思って書いてます。『シャインポスト』、よくできたゲームです。信じてください。
むしろ、ハマってなければここまで熱中してない。
久しぶりだよ、ここまで心に火をつけてくれたゲームは。
なぜ、こんなに熱中できたのか?
まあ、「いざ遊んでみたら想像以上に本気の経営シミュレーションだった」という騙し討ち的なゲーム内容が好きなところもあるけど……きっと、「一寸先に“死”が待ち構えているから」だと思う。
ちょっとヘマしたら、すぐに死(破産)がやってくる。
ゲームの根底にあるのは、リスクとリターンの駆け引き。『シャインポスト』、その応酬が激しい! リターンを得るためには、結構ヤバいリスクを背負わなければならない! ユニットを育てるために、ライブを開催するために、眼前に見えている「破産」と戦わなくちゃいけない!!
その「シビアさ」こそが、『シャインポスト』の面白さだと思う。
「一寸先に破産がある」からこそ、アイドル事務所のリアルを味わえる。
だから、本気になれる。
たとえば、どんなに適当な操作をしてもボスに勝ててしまうRPGがあったとして、それはゲームとして上等なものだろうか? いや、それはない。無理に高難易度にしろとは言わないけど、一定の「スリル」があるべきだ。その点『シャインポスト』は、スリル満点である。
勝てないかもしれない。
いや、勝てるかもしれない。
やっぱりダメだった。
その生死をかけた応酬こそ、ゲームへの白熱を生み出す。
武道館に行けたと思ったら、いつの間にか死んでいた。
うん、そうでなくちゃゲームじゃない。
「アイドルの人生を預かる」という重大な責務を、このゲームバランスに落とし込んできた。むしろ「アイドルの人生を預かるとはこういうことだ」と言わんばかりの圧。私はKONAMIの漢気に惚れたぞ。こんな尖ったゲームをローンチで出してくる漢気に惚れたぞ!!
「親切かどうか」と言われると、お世辞にも親切とは言えない。
「アイドルと楽しく活躍するゲームか」と言われると、正直うなずけない。
だからこそ、「本気でアイドルの人生を預かる」という体験ができる。
夢の重さ、人生の重さ、金の重さ───
『シャインポスト』は、そんな重荷を背負い放題だ。
ぜひ、やってみてほしい。少なくとも、私は「Switch 2のローンチタイトル」のなかでは、一番のおすすめタイトルです。ちなみに、もっと戦略を練れば1ユニット目も武道館行けますからね。「無理ゲー」ではないです。そして「夢のその先」は、ぜひみなさんに挑戦してほしい。
さあ、『シャインポスト Be Your アイドル!』で、あなたも夢を見よう。
だって……夢のない人生なんて、退屈でしょう?
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