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「ゲムぼく。」さん、初のエッセイ本でも『ラストオリジン』への熱い想いを綴る。“自身のイメージ=むちむち”の3割は『ラストオリジン』のせいだと主張。なお、7割は自分のせい

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ゲーム紹介を中心として、パン祭り攻略、コンビニ増量商品の検証など、独自の切り口が人気のブログ「ゲムぼく。」。更新期間10年に及ぶこのブログには、じつに約4000本もの記事が掲載されている。

そのうちゲームカテゴリに名を連ねる記事は1957本。扱っているタイトルを見ていくと、『千年戦争アイギス』(333本)、『ラストオリジン』(348本)、『アリス・ギア・アイギス』(121本)、『勝利の女神:NIKKE』(110本)、『ドルフィンウェーブ』(69本)、『ブラウンダスト2』(46本)、『ブルーアーカイブ』(75本)などなど……このブログの管理人(「ゲムぼく。」さん)の趣向が透けて見える。

※記事本数は2025年9月4日時点のもの。

簡単に計算してみたが、上記のタイトルを題材にしている記事は全体の約37.5%、ゲームカテゴリに限定すると約77.7%に及ぶ。美少女キャラクターに狂ってばかりだ。もう数字が物語っている。

その影響だろうか。“「ゲムぼく。」さん=むちむち”というイメージを持っている方も多いのではないだろうか。

そんな「ゲムぼく。」さんによる初のエッセイ本『人生は良ゲー。 “伝えたくなる日々”を手に入れる方法』(出版:KADOKAWA)が、9月5日より発売中だ。

ゲムぼく。さん、初のエッセイ本『人生は良ゲー。 “伝えたくなる日々”を手に入れる方法』でも『ラストオリジン』への熱い想いを綴る_001
(画像はAmazon「人生は良ゲー。 ”伝えたくなる日々”を手に入れる方法」より)

本書は、「ゲムぼく。」さんの10年にも及ぶブログ更新による学びや思考法をぎゅっと詰め込んだ一冊となっている。

おもしろさを「見つける」
おもしろさを「深める」
おもしろさを「形にする」
おもしろさを「深める」

の4つの視点から構成されており、ふだんのブログ同様に手軽に読めるボリューム感となっていると、著書内で明かされいる。

じつは、「ゲムぼく。」さんには当サイトで記事を執筆いただくこともあり、その縁もあって、今回は特別に、本書内の一部を抜粋し、そのまま掲載させていただけることになった。いやはや、気前がよすぎる……。本当に感謝しかない。

なお、掲載内容の中には、「ゲムぼく。」さんを象徴する『ラストオリジン』にまつわるエピソードが綴られたパートも含まれる。自身がどれだけ『ラストオリジン』を愛しているのか語りつつ、“自身のイメージ=むちむち”の3割は『ラストオリジン』のせいだと主張している。なお、7割は自分のせいだとも打ち明けている。(文:竹中プレジデント)

※以下、『人生は良ゲー。 “伝えたくなる日々”を手に入れる方法』の一部内容を抜粋したものです。

進め! レンジャー5人旅!

 ゲームの「縛りプレイ」というものが好きだ。簡単に言うと、「独自の制限・ルールを自らに課し、通常の遊び方よりも難度を高くしてプレイする」ことである。

 たとえば、ぼくは『世界樹の迷宮』(株式会社アトラス)シリーズで『進め! レンジャー5人旅!』という攻略をしていた。

 10種類くらいあるクラス(職業)のなかから、あえてレンジャーだけを使う、という制限だ(※1)。 通常なら、さまざまなクラスをバランスよく5人組み合わせてパーティーを組むのだが、そこを極端に偏らせる。当然ながら、バランスは悪いし難度は上がる。さらに、制限をかけてクリアしたとしても見返りは特にない。

 見返りがないのになぜやるのかと言うと、単純に「そのほうがおもしろいと思ったから」である

 多くの人にとって身近な例を出すと、子どものころ、通学路で「影の部分だけ踏んで家まで歩くぞ」とか「この石ころを次の交差点までまっすぐ蹴り続けられたらゴール」とかやったのと同じだ。それを達成したからと言って特になにもないが、楽しい。ワクワクする。
 だから、やる。ブログのネタにするために縛りプレイをやっているわけではない。単純にやりたいから縛りプレイをやって、「楽しいからせっかくなら記事にするか」という流れだ。記事にすることでその楽しさが伝わって、「へ~、おもしろそう。自分もなにか考えてやってみよう」となってくれる縛りプレイ仲間が増えてくれれば、という想いもある。
 
 この「縛りプレイ」も、「やってもやらなくてもいいことをやりにいく」の一例だと言える。

 やらなくてもいいどころか、やることを想定すらされていないケースもあるわけだが、やりたいと思ったので、やる。手間も時間もかかって大変なことはわかりきっているし、もしかしたらクリアできないかもしれないわけだが、考えて試して失敗してまた考えて、という試行錯誤そのものが楽しい。

 ここで重要なのが、「試行錯誤そのものが楽しい」という部分だ。結果だけを重視する考え方をしていると、この手の「独自の制限・ルールを設けておもしろさを増す」というタイプの「やってもやらなくてもいいことをやりにいく」は、絶対にできない。

 なぜなら、結果が同じだから。レンジャーだけでパーティーを組んでも、見られるエンディングが変わるわけではない。石ころを蹴り続けたとしても、交差点がちょうど青信号になるわけではない。いずれの場合も、むしろ時間がよけいかかって非効率なだけだ。結果だけを見ると、やる理由がなさすぎる。

 なので、ぼくは「過程を重視する」という考え方を持つようにしている。
 たとえ最終的に行きつく場所が同じだとしても、整備されていない変なルートを歩いて、誰も転ばないところで転んで。でもそのおかげで、岩陰に咲いていた小さくてきれいな花を見つけて……と思ったらその奥からヘビがにらみつけていて、ギエーッとなって腰を抜かしたら水筒がコロコロ転がり落ちて、さんざんな目に遭った……でもこれって、過程として見るとオンリーワンすぎてめちゃくちゃおもしろいよな。じゃあ、いいか。という感じだ。

 『世界樹の迷宮』の「○○5人旅」シリーズは2016年ごろからずっとやっている『ゲムぼく。』伝統の連載(※2)のひとつで、「これをきっかけに『ゲムぼく。』を読むようになりました」とか「連載でおもしろそうだなと思って私も『世界樹の迷宮』を買いました!」とかいう声もたくさんいただいたことがある。たいへんありがたい。そして、「私は特に縛りプレイをしなかったのでゲムぼく。さんよりとっくに早くクリアしましたが、応援してます! そのボスって縛りプレイだとそんなに攻略キツいんですね~」みたいな声も多い。自分の背中を見て始めてくれた後輩が、いつの間にか自分のはるか前を走る存在になっていた。これは縛りプレイあるあるである。「過程を重視する」考え方を実践し、楽しむには、「人と比べない」というのも大切かもしれない。

【注釈】
(※1) RPGを遊ばない人にもわかるように説明すると、「セカンドだけで野球チームを組む」「トランペットだけでオーケストラを組む」「食べ放題で肉だけを食べ続ける」みたいな話だと思ってほしい。肉だけ食べるのは別にいいだろ! ぼくはこれからも肉だけを食べ続けるぞ!
(※2) 『進め!レンジャー5人旅! HD#01『いざ、エトリア!』[ 世界樹の迷宮HD ]』など。2025年7月現在、No.25まで続いている。

メモ、リプレイ、仮説、実践、メモ……

 ときどき、『ゲムぼく。』として人前に出たり、誰かと会ったりすることがある。たとえば、企業や団体の方に「イベントに来てみませんか」とお呼ばれしたときとか、単純に誰かに「一緒に遊びませんか」と誘われたときとか。

 ぼくは決して自分からガンガンいくようなタイプではないのだが、ここ数年は「少なくとも呼ばれたり誘われたりしたものはなるべく行こう。声をかけてもらえるうちが華だ」と思うようになり、わりと積極的になった。

 そういうとき、よく言われるのが、「意外と真面目」ということだ。会ってすぐ言われるわけではないが、しばらく時間が経たって打ち解けてくるとよく言われる。

「ゲムぼく。さんって、意外と真面目な人なんですね」
「えっ、そうですか? 意外と?」
「もっとやばい人かと思ってました」
「わはは、なんですかそれ」
「ブログ記事のイメージがあるから、もっとこう、体重150㎏くらいあって、いつもヤマザキのパンかコンビニの大盛り弁当食べてて、24時間ラストオリジンやってて、語尾『むちむち』がついてる感じだと思ってました」
「もしかして悪口言われてる?」

みたいな感じである。ちなみに本当にあった会話である。ぼくはなんだと思われてるんだ! ぼくはそう思われるような記事ばかり書いてるとでも言いたいのか! ……書いてるかも。書いてる気がしてきた。はい、書いております。
 ただ、そんなぼくが唯一、「意外と」ではなく「思った通り真面目な人なんですね」と言われる界隈がある。つまり、そもそも「ゲムぼく。=真面目」イメージで通っている界隈がある。なんだそのすばらしい界隈は。全界隈そうなれ。
 それは、格ゲー界隈である。もう少し具体的に言うと、『ギルティギア ストライヴ』界隈である。

 ぼくがギルティギア ストライヴをプレイしており、特に最初の半年間はかなり本気で取り組んだということは、少し前にも書いた。

 そして、その最初の半年間の比較的わかりやすい成果として、「天上階に到達した」というものがあり、これが「真面目」イメージの源泉になっているのだ。

 天上階というのは、細かく説明すると長いのでざっくり言うが、要するに「最高ランク」みたいなものだ。ほとんどのプレイヤーにとって大きな目標であり、憧れでもある。もちろん、上には上がいるのだが、いったんそこに到達すれば「初心者」や「中級者」でなく「上級者」を名乗れる、という感じだ。少なくとも、適当にやっていて到達できる領域ではない。

 この天上階に、そもそも格ゲーをやったことがない人間が半年で到達するというのは、けっこう早いほうらしい。ぼく個人はあまり早さは気にしていないというか、仮に早いのだとしても「いや、だってめちゃめちゃがんばったもん。自分の『得意』と『好き』をかけ合わせて、可能な限り論理的に攻略を組み立てて、めちゃめちゃがんばったもん」と言いたいわけだが、まあとにかく、いろんな人から「早いですね!」と驚かれた。

 ただ、特徴的で、個人的にもうれしかったのは、「センスですね」「才能ですね」みたいな言い方はあまりされなくて、「努力が実りましたね」「がんばってましたもんね」というホメられ方が大半だったことだ。「ああ、やっぱり格ゲーに本気で取り組んでいる人たちというのは、ぼくが本気で取り組んできたこともわかってくれてるんだな」と、すべてが通じ合った気持ちになって感動した。

 ぼくはギルティギア ストライヴを本格的にプレイし始めた際、自分に適した上達方法を自分で考えて実践するのがいちばんだと考え、対戦中の気づきをメモして、それをもとに対戦のリプレイ映像を観て「ここをこうすれば勝てたんじゃないか?」「この技はこう動けば返せたんじゃないか?」などと仮説を立て、ああでもないこうでもないとトレーニングモードや対戦で実践してみて、また気づきをメモして……ということを繰り返していた。いまでもときどきやっている。

 これは、自分自身について「データの収集・分析や仮説形成が得意であり、気になったことや思いついたことを気が済むまで検証するのが好きである」という自覚があったので、このやり方が自分に合っているだろうと判断して、そうした。一般的に、格ゲーの上達方法と言うと、攻略サイトや攻略動画から情報を拾ったり、うまい人にコーチングしてもらったり、というのが主流なのだが、主流が自分にとっての最適とは限らない。ぼくにはぼくのやり方があるかもしれないと考えた。

 メモ、リプレイ、仮説、実践、メモ……かなり独自性の高いプレイスタイルではあるが、根拠はあったし、自信もあった。結果も出た。そしてなにより、格ゲー歴の長い先輩ゲーマーたちから、「努力が実りましたね」「がんばってましたもんね」とホメてもらえた。努力を認めてもらえたのが本当にうれしくて、ぼくは格ゲーが大好きになった。

 これも、「得意」×「好き」=「個性」を活かして、自分なりの深め方ができた好例と言える。

 ちなみにぼくは本当にすっかり格ゲー大好き人間なってしまって、たった1年くらいの間に、オフライン対戦会に参加したり、YouTube のライブ配信でプチ対戦会を何度も主催したり、プロゲーマーや配信者の方とご飯を食べたりコラボ配信をしたりするようになったりした。
 
さらに、果ては最近、格ゲーの世界規模の祭典である『EVO(エボ)』という大会にも出場者としてエントリーした。自分の個性が発揮できる領域が見つかると、人の意欲と行動力はどんどん高まるものだ。がんばるぞ(※1)

【注釈】
(※1) 正確には「EVO Japan 2025」という大会で、東京都の東京ビッグサイトで開催された。『ギルティギア ストライヴ』と『グランブルーファンタジーヴァーサス─ライジング─(Granblue Fantasy Versus : Rising)』の2種目で出場した。この注釈を書いている時点では大会が終了しているので結果を書いておくと、どちらも1勝だった。数字だけ見るとそんなにいい結果ではないのだが、まず1勝できただけでも我ながらすごいと思っているし、なにより楽しかった。来年もがんばるぞ。

それは、誰のために作られているか

ゲムぼく。と言えば、ラストオリジン!

……だと、けっこうな数の人に思われている気がする。なんならぼく自身もそう思う。「いちばん好きなゲームは?」と聞かれたら「ラストオリジン!」と即答する自信があるし、なんなら「いちばん好きなゲ」の時点で食い気味に「ラストオリジン!」と言うと思う。それくらい好きだ。

 『ラストオリジン(LAST ORIGIN)』というゲームがある。
iOS/Android などで遊べるスマートフォンゲームで、日本では2020年5月にサービスが開始された。もとは韓国のゲームで、韓国では2019年2月からサービスが展開されている。2025年3月には台湾でもサービスが始まった。

 ぼくはゲームが好きで日々いろんなゲームを遊んでいるが、ラストオリジンは「別格」扱いで好きだ。ブログ『ゲムぼく。』ではラストオリジンの記事を300以上書いているし、ラストオリジンの話がしたすぎてYouTube でラストオリジンのWebラジオを毎週投稿している。もう第200回くらいまで来ている。いくらなんでもラストオリジンが好きすぎではないか? だいぶ頭おかしいのではないか?

 ラストオリジンは約5年にわたってサービスが続いているが、正直、大きなタイトルではない(※1)。もっとユーザー数の多いゲームはいくらでもある。

 でも、ぼくにとってはいちばん好きなゲームなので、いつも楽しく遊んでいるし、いつも記事を書いたりラジオをやったりしているし、その好きな気持ちは読者やリスナーにもけっこう伝わっていると思う。だからこそ、「ゲムぼく。と言えば、ラストオリジン!」になるわけで。

 なんなら、いわゆる「公式」、つまりラストオリジン日本版運営にもある程度伝わっていて、公式YouTube 番組などで『ゲムぼく。』を遠回しにいじってもらったり、ときに直接ネタにしてもらったりしたこともある。恐れ多い。

 ラストオリジンは、コンセプトがめちゃくちゃわかりやすいゲームだ。誰のために作っているかが明白なのだ。ぼくが同作を好きな理由の大部分もそこにある。どういう人のために作っているかというと、「競争やガチャに疲れた人」「むちむち体型の女性キャラが好きな人」である。このふたつは、実際に過去、公式の人がそういう旨の発言をしていたし、ぼく自身が日々プレイしていてもひしひしと感じ取れるので、間違いない。
 ラストオリジンは、ほかのプレイヤーと競争したり、キャラクターを「ガチャ」で入手したりする要素がない。この時点で、いわゆる一般的なスマホゲームの常識とは乖離している。
 
 さらに、ストーリーにおいても、主人公(プレイヤー)以外に人間が登場しない。人間同士の競争がどうあがいても起きえない世界になっている。さらに、登場する女性キャラの大半がとんでもなく豊満な体型である。常軌を逸した、はちきれんばかりのむちむちボディである。むちむちすぎてスマホの液晶が内側から爆発しそうだと恐れたこと数知れずである。「ゲムぼく。っていつもむちむち体型の話してるよな」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思うが、その3割はラストオリジンのせいである。残り7割はぼく自身のせいである。ぼくはいつもむちむち体型の話ばかりしている。ぐうの音も出ない。

 ぼくはラストオリジンを信頼している。細かい理由はいろいろあるが、最大の理由は「誰のために作っているか」がとにかくめちゃくちゃわかりやすいからである。ラストオリジンは明確に「競争やガチャに疲れた人」と「むちむち体型の女性キャラが好きな人」のためのゲームだ。「そういう人に楽しんでほしい!」という気持ちが、「善意」が、ゲームのあらゆる部分から伝わってくる。

 だから好きだし、安心して身を任せられる。ラストオリジンがその姿勢をブレさせない限り、おそらくぼくはずっと「いちばん好きなゲームはラストオリジンです」と言い続けていると思う。

 ただ、「ゲムぼく。と言えば、ラストオリジン!」のイメージが一部界隈で強すぎるせいか、ぼくがラストオリジン以外のゲームを遊ぶと、「そのゲーム、ラストオリジンほどむちむちのキャラいないですけど耐えられますか?」と心配されがちである。

 耐えられますかってなんだよ。ラストオリジンのせいでやばい奴だと思われてるじゃないか。ラストオリジン公式は反省しろ!

【注釈】
(※1)その規模感ゆえに、ラストオリジン界隈は「ラスオリ村」とよく言われる。村なのでたまに新しい移住者が現れるとみんなびっくりして赤飯を炊く。


編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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