9月24日(水)、龍が如くスタジオの公式YouTubeチャンネルでも配信されたイベント「RGG SUMMIT 2025」にて、新作タイトルである『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』(以下、『龍が如く 極3』)が発表されました!
本作は、2009年に発売された『龍が如く3』をフルリメイクする作品で、現行機向けにグラフィックや演出を刷新しながら、当時のストーリーを忠実に再現する本作。電ファミでは、東京国際フォーラムにて開催された「RGG SUMMIT 2025」現地にて、直接発表の場を取材していました。
黒田崇矢氏ら『龍が如く』シリーズお馴染みの登壇者だけでなく、浜崎豪役を演じる香川照之氏のビデオメッセージも公開された本イベント。本稿では、配信だけでは感じ取れない現地の熱気とともに、新しくなる『龍が如く3』とそのスピンオフ作品『龍が如く3 外伝 DARK TIES』の詳細に迫っていきましょう。
各出演者らによる作品出演についての感想や収録時のエピソード、『龍が如く』シリーズ20周年を記念したコラボ・イベントの紹介を含む、盛りだくさんな内容となっているので、ぜひ最後まで楽しんでいただければ幸いです。
新作タイトル『龍が如く極3』発表! 過去作品をフルリメイクする“極”シリーズはまさに「過去の自分たちの戦い」
16年の時を経て、ついに目覚める『龍が如く 極3』。今回のRGG SUMMITの目玉として発表された本作ですが、龍が如くスタジオ代表・横山昌義氏によると、本作の開発にはフルリメイクとして制作される「極」シリーズならではの重みがあったそうです。
自分たちがオリジナル版発売当時に100点満点だと思いながらリリースした作品でも、「今振り返ると『こうしておけばよかった』と思う部分がある」と語る横山氏。そういった部分を大きく塗り替える取り組みとして『龍が如く 極』シリーズがあり、同時にそれは過去の自分たちとの戦いなのだと言います。
今回の『龍が如く 極3』では、「変わる伝説、新たな歴史」がテーマとして掲げられており、「かつての伝説的タイトルを、今の自分たちが変えるならこうだ!」という想いを作品に詰め込んでいるとのこと。
グラフィックやゲームシステムはもちろんのこと、一部キャストの変更や当時は存在しなかった追加シーンなど、今自分たちが考えうる最高の形でリメイクした作品になっているそうです。
本作で神室町とともに舞台となる沖縄のリメイクにも相当な労力がかかっていたとのこと。当時は存在しなかった龍が如くスタジオ内製のゲームエンジン「ドラゴンエンジン」を用いてリメイクすると同時に、当時の取材資料を引っ張り出したり、オリジナル版『龍が如く3』のゲームデータと見比べながら制作を進めたそうです。
完全にオリジナル版を再現するのではなく、現代向けに遊びやすくアレンジも施されているようで、その辺りにも注目しながらプレイしてみると新しい発見がありそうですね。
香川照之氏の“香川照之”顔は香川氏にしか出せない。『龍が如く』初のフェイスキャプチャー導入で、龍の世界がさらに奥深く
イベント中盤では、本作で浜崎豪役を演じた香川照之氏からのビデオメッセージが到着。残念ながら歌舞伎の公演との兼ね合いで欠席してしまった香川氏ですが、本作で峯義孝役を演じる中村獅童氏や横山氏から香川氏のエピソードが次々と飛び出しました。
横山氏からは、「香川さんの顔の動きは絶対に香川さんにしかできない」とフェイスキャプチャーの導入に至った経緯が説明され、会場では浜崎の印象的(?)な「中国の包丁はよく切れるな〜」「仲良くしようぜ陳さんよぉ」といったセリフを表情付きで演じる香川氏の様子が映し出されました。

また、香川氏の演技について横山氏から「中村さんはどうですか?演技見られて」とキラーパスを受けた中村獅童氏は「やっぱり……。顔芸が、勉強になりますよね」と言葉を選びながら回答。
今回は惜しくも歌舞伎の公演と被ってしまい参加が叶わなかった香川氏ですが、同氏ならではの演じ方が光る新しい解釈の浜崎に期待が高まります。
宮迫博之氏の演技については同氏のYouTubeチャンネルにて後日対談が公開される予定。横山氏は「リスクを承知で出演している」とコメントし、会場を沸かせた
続いて話題は、神田強を演じる宮迫博之氏へ。本イベントへの参加はされていませんが、横山氏から様々なエピソードが飛び出します。なお、本作での収録にあたり『龍が如く6 命の詩。』ぶりに宮迫氏と再会した横山氏は、同氏から「はじめまして」と言われたことを暴露。
『龍が如く3』でも『龍が如く6 命の詩。』でもご一緒してるはずなのに……。としながらも、宮迫氏の中に神田の演技がしっかり残っていたとのこと。

宮迫氏の演技については、今後同氏が運営するYouTubeチャンネル「宮迫ですッ!」にてメイキングや裏話、横山氏との対談が公開予定となっているとのこと。横山氏は対談について「代表としてリスク承知で出演しているので是非見てほしい」と会場の笑いを誘いました。
なお、宮迫氏演じる神田強は、同じくイベント内で発表されたスピンオフ作品『龍が如く3外伝 Dark Ties』にも出演予定。神田強ファンは必見です。
“理解る”けど予想だにしない『龍が如く』×『日本統一』の任侠コラボで生まれる、新たなる実写ドラマ。本宮泰風氏の扮する桐生ちゃんがカッコ良すぎる
最後に大きく発表されたのが、『日本統一』とのコラボ作品。『日本統一』と言えば、2013年から映画やテレビドラマなどの形で多くの任侠ストーリーを描いてきた人気コンテンツです。
『龍が如く』を『日本統一』のキャストで実写化する、ギリギリ予想できそうで出来ない絶妙なラインで心を刺す、ファン必見の激アツなコラボとなっています。
『日本統一』で横浜出身の不良・氷室蓮司を演じる本宮泰風氏が、『龍が如く7外伝 名を消した男』において獅子堂康生役を演じたことがきっかけで決まったこのコラボ。
本宮氏と食事を予定していた日にふと思いついた横山氏から提案した企画とのことで、なんと決定までに至った時間はものの0.2秒だったのだとか。本宮氏は「詳細を知らずに返事をしてしまったことで、後々いろいろと困るわけなんですけど……」と漏らした。
今回のコラボを通じて、今まで『龍が如く』を知らなかった人たちにも『龍が如く』という作品を知ってほしいということでスタートした本企画。4月に企画を詰めてから、6月〜7月には脚本が完成。9月20日にはクランクインという『日本統一』らしい急ピッチさで制作が進んでいるとのこと。
横山氏は「マーケティングチームには言うなって言われているんですが」と前置きをしつつ、『龍が如く』20周年の本番である12月中の公開を目指すとしています。
なお、本実写版で真島吾郎役を演じた山口祥行氏は、公開された映像内で真島の“人間らしからぬ動き”を披露。桐生を演じる本宮氏は「避けるのはメチャクチャ簡単」と評し、会場は笑いに包まれていました。

RGG SUMMIT 2025は、シリーズ20周年を飾るにふさわしい熱気と驚きに満ちていました。
メインの発表となったフルリメイク作『龍が如く 極3』では、オリジナル版を知るファンも新規プレイヤーも楽しめるよう、現代的なビジュアルと追加シーン、そして「変わる伝説、新たな歴史」というテーマが体現された意欲作として期待が高まります。
香川照之氏や中村獅童氏ら実力派俳優陣による演技や、新たに作り直された沖縄の街並み、そしてスピンオフ『龍が如く3 外伝 DARK TIES』の存在が、ファンの熱気を最高潮にしてくれることでしょう。
さらに、人気任侠ドラマ『日本統一』との実写コラボは、既存ファンはもちろん、これまで『龍が如く』シリーズを知らなかった層にまで作品の魅力を広げる一手として注目すべきでしょう。20周年という節目にふさわしい挑戦として、今後の展開からも目が離せません。
“伝説を新たに塗り替える”という言葉どおり、シリーズの歴史と未来をつなぐ『龍が如く 極3』は、過去の栄光にとどまらず進化を続けるスタジオの矜持そのものと言えるかもしれません。
本作の対応プラットフォームはPC(Steam)、PS5/4、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2となっており、発売日は2026年2月12日を予定しています。