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『ポケモンレジェンズ Z-A』ミアレ美術館の「大ヒスイ展」の情報量が多すぎるので展示史料をゼンリョクでまとめてみた。『アルセウス』のキャラ達が辿った衝撃的な“その後”で情緒がヤバイ

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10月16日に発売された『ポケットモンスター』シリーズ最新作『Pokémon LEGENDS Z-A』(以下、Z-A)作中に登場する施設「ミアレ美術館」がとにかく凄まじい。

本作の発売から約3週間が既に経過しており、実際に訪れたプレイヤーの間でも話題になっているため、まだ楽しんでいなければ今すぐゲームを起動して足を運んだいただきたいほどに…。

ミアレ美術館は2013年に発売された『ポケットモンスター X・Y』(以下、XY)にも登場した施設で、Switch/Switch 2に対応した『Z-A』においては3DS時代から解像度が上がった状態で描かれている。

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ミアレシティ内のノースサイド ストリート(最北)に位置しており、ある程度シナリオが進んだプレイヤーであれば無料で入場できる

『Z-A』におけるミアレ美術館が『XY』の時代から変化しているのはグラフィックだけではない。今作では「大ヒスイ展」なる企画展が本館の2階フロアで開催されている。

名称からピンと来たプレイヤーもいるかもしれない。2022年に発売された『Pokémon LEGENDS アルセウス』(以下、アルセウス)の舞台「ヒスイ地方」の史料を展示している企画展だ。

“大”どころか「大大大ヒスイ展」としか言いようがない圧倒的な作り込み、そして『アルセウス』を遊んだプレイヤーであれば衝撃すぎる情報を急にブチ込まれるため、正直なところ「ZAロワイヤル」の存在すら忘れて美術館に入り浸ってしまう。

美術館のロビーには、企画展の存在を知らせるようにヒスイ地方の俯瞰図が堂々と掲示されている。NPCが「ヒスイ……?きいたことないなあ」と話していることから、少なくともカロスの地においてヒスイ地方の知名度は高くなさそうだ。

それもそのはず、ヒスイ地方は2006年に発売された『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』(以下、DP)およびリメイク作の舞台「シンオウ地方」の遠い昔の呼称。もちろん『アルセウス』の舞台も『ポケットモンスター』シリーズでいつも描かれる“現代”ではなく、遠い昔のシンオウ…ヒスイ地方だ。

本展では『アルセウス』を遊んだプレイヤーにはおなじみの要素から、ゲームを完遂したプレイヤーすら知らないヒスイの“その後”が史料として展示されている。『アルセウス』におけるヒスイ地方の光景と見比べながら、本展の見どころをゼンリョクでまとめて紹介&巡礼したい。

※本稿では『Pokémon LEGENDS アルセウス』のクリア後シナリオを含む内容を取り扱っています。

※本稿で使用する撮影画像は『Pokémon LEGENDS Z-A』の場合は【美術館】、『Pokémon LEGENDS アルセウス』の場合は【アルセウス】と表記しております。


「大ヒスイ展」に直行!眼前に広がるのは昔のシンオウの匂い

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【美術館】当時の史料やレプリカは、さまざまな美術館やコレクターの協力を得た上で集めている
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【アルセウス】ヒスイ地方マップ選択画面

ミアレ美術館に入場して右側の階段から2階に上がろうとすると、早速「大ヒスイ展」への案内パネルが姿を現す。

説明によれば本展は「ヒスイ地方で人とポケモンがどのようにして共生するようになったのか」を紐解く大規模な展示企画とのこと。

『Z-A』においても舞台のミアレシティで人とポケモンがどのようにして共生していくか、異なる軸で進む「X」と「Y」が交わるポイントはあるのかというテーマを展開している。今ここで「大ヒスイ展」が開催されている意義は、まさにその点にあるのだろう。

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【美術館】めちゃくちゃ現代のミアレシティを冒険してたら、めちゃくちゃ「ヒスイ」の匂いが漂ってきた!

2階に上がると、まず目に入るのが『アルセウス』のプレイヤーであれば見覚えのある鎧・着物や、作中の組織が住居などに飾っていた偉人の肖像画。あ、なんかもう開幕から殴られてる、ただの企画展じゃないぞこれ。

解説パネルを読んでみると、鎧・着物はギンガ団の初代団長デンボクが着用していたと説明されている。デンボクは『DP』に登場したナナカマド博士の先祖にあたるキャラクターだ。

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(画像は「Pokémon LEGENDS アルセウス」 公式サイトより)

また、鎧に関してはカロス四天王の1人であるガンピが着込んでいる甲冑と似ており、ガンピ本人に関係性を訊いた旨が伝えられている。

以前からシリーズファンの間で囁かれていた上に『Z-A』作中の登場キャラクターのセリフから示唆されていた「カロス地方」と「ガラル地方」の関係性についても間接的に言及されており、世界観を考える上で非常に興味深い内容だ。

ガラル地方は『ポケットモンスター ソード・シールド』の舞台。こちらも『XY』『Z-A』のキーとなる同じ“3000年前”に「ブラックナイト」と呼ばれる大災害が起きたとされている。

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【美術館】偉人の肖像画

コンゴウ団とシンジュ団の住居に飾られていた偉人の肖像画については、それぞれが「太陽・海・大地」を表しているそうだが、真相は現代のミアレ美術館においても一切不明という扱いのようだ。

歴戦のポケモントレーナーであれば、過去作に登場した「アデク」「アオギリ」「マツブサ」といったキャラクターをどうしても連想してしまうが…。過去の歴史とはわからないことだらけで「史実」というワードについて深く考えさせられる。

近くには「ギンガ団の団旗」も確認可能。コンゴウ団とシンジュ団、そしてギンガ団を象徴する史料が並んでいる事実が感慨深い。

ギンガ団に所属するメンバーの出身地がバラバラであったことから、団旗にはガラル文字などのテイストを取り込んでいるというエピソードも残されているが、こちらも真偽は不明とのこと。

しかし、カロス地方にとってもヒスイ地方にとっても、ガラル地方は切っても切れない関係であることは間違いなさそうだ。もしかしてこれが…「X」と「Y」が交わるポイント…ってコト!?

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【美術館】ヒスイにおける当時の髪型の数々
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【アルセウス】コンゴウ団のヒナツは髪結いが得意、そして本当に美しい

この区画には『アルセウス』で主人公や登場キャラクターの拠点となったコトブキムラ(美術館では“コトブキビレッジ”という呼称)、その散髪屋で選べたとされる「当時の髪型」も展示されている。

コンゴウ団のヒナツが作中で働くようになった散髪屋を指しているのかもしれない。なお、プレイヤーは『アルセウス』作中で髪型などを展示のように変えることが可能だ。

あまりにも見覚えしかない“正装”

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【美術館】古代シンオウ区画

視点を変えた先の区画には、シンオウ神話を代表する伝説のポケモン「ディアルガ」「パルキア」を模した石像が目に入る。

非常に目立つ2つの石像の間には、壁画のような「古代シンオウ文字」も確認でき………………ん?

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【美術館】古代シンオウ人の「正装」

ンッ!!!!!!!??????!!!!!??????

ウォロ!!!!????どうしてここに!!!!!!?????いや、よく見ると見慣れた服の展示だけで別にウォロ本人がいるわけではない…思わずビックリしてしまった…心胆を寒からしめる異様な思い出が蘇りかけてしまう…。

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【美術館】NPCとの会話
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【美術館】NPCとの会話

「本人じゃねえか!!」

いや 本人ですよ これ。

その本人自体はこの場に不在だが、NPCによる衝撃の情報開示で打破されてしまった。『アルセウス』をやり尽くしたプレイヤーであれば間違いなく、脳みそを物凄い勢いで殴られて混乱に陥るのは必至だ。

解説パネルによると、この服は古代シンオウ人が神事に着用していた「正装」。そしてウォロは当然、遠い昔のヒスイ地方のキャラクター。これが本当に本人かどうかも含めて真相がわからないとはいえ、着用していた衣類の寄贈を現代で行えるはずがない。

現代に近しい世界観を舞台にしているスマートフォン用ゲームアプリ『ポケモンマスターズ EX』(ポケマス)にもウォロが登場しているとはいえ、本編『ポケットモンスター』シリーズにおいては摩訶不思議な出来事と言えるだろう。

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(画像は「ポケモンカードゲーム」 公式サイトより)

とはいえ、ファンからは「アルセウスヘアー」と呼ばれることもある特徴的な髪型に言及されている点も含めて、ここは古代シンオウについて展示している区画とみられる。

古代シンオウ人と呼ばれる種族の寿命感覚が通常の人間とは異なる可能性は『アルセウス』作中で示唆されているため、仮にその血を引くウォロ本人だった場合はその裏付け、そして現代におけるウォロの“変化”を考える上で重要な史料になるのかもしれない。

『アルセウス』作中における一連の行動や目的を踏まえれば、ウォロらしき存在の“その後”という情報も衝撃的であると同時に、彼が「正装」を手放したこと自体に情緒がどうにかなってしまいそうだ。

余談だが、アルセウスヘアーは「シンオウ結い」としてプレイヤーも再現可能。ゲームを進めることで誰でもウォロになれる。

…高揚がジブンを饒舌にしてしまうため、正直に言ってそれどころではないのだが、別の展示にも目を向けよう。

コンゴウ団とシンジュ団が「シンオウさま」として崇めていた伝説のポケモン、現在はそれぞれ「ディアルガ」「パルキア」とされているポケモンの石像が展示されている。

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【美術館】古代シンオウ文字

石像の間には、古代シンオウで使われていたとされる文字が壁画のような形で展示されている。ヒスイ地方の各地にも意味深に存在していたオブジェクトだ。

よく見ると特定のポケモンを想起させる象形文字のようになっており、当時の人にとっての信仰対象や馴染み深いポケモンを模しているのではないかと解説されている。

また、同区画にはドーミラーやドータクンに襲われた(というか撮影中に襲われまくった)記憶が蘇る「古代の石切り場」や、もはや説明が不要なほどに重要なスポットである「シンオウ神殿」の絵も。

この2つの絵が並んでいる理由は展示で明言されていないが、ヒスイ地方において神殿を造るための石を切りだした場所が「古代の石切り場」であると『アルセウス』作中で説明されており、シンオウ神殿もその一つであった可能性はある。

なお、現代のミアレ美術館において「シンオウ神殿」の絵はあくまで“復元図”のようだ。というのも『アルセウス』作中で起きた戦いによって、神殿は柱だけ残して崩壊してしまった。これがシンオウ地方における「やりのはしら」という名称に繋がるとされている。

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ライター
小学生の頃は「一太郎スマイル」のタイピングゲームでランキングを席巻することでしか己を証明できませんでした。現在は「広く深く」をモットーに好きなこと・できることを拡大中。積みゲーが多い中、ポケモンだけは万劫末代まで入れ込み続けると思います。

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