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治安が終わってる町でおクスリを売る暗黒お仕事ゲーム『Schedule I』は“労働の喜び”を感じてハイになる脳内麻薬ゲームだった

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「働くことの楽しさ」「労働の喜び」を存分に味わえるゲームがある。それが『Schedule I』だ。

2025年3月にSteamにて早期アクセス版としてリリースされ、個人開発者による作品ながらSteamDBによる最大同時接続数は45万人を記録し、Steamレビューでは「圧倒的に好評」を獲得するなど大ブームとなった作品である。

どんなゲームかひと言で説明すると、麻薬の密売人となり、商品の製造、販売を行いつつ組織の拡大を目指していくという経営(犯罪)シミュレーションゲームだ。

「いや犯罪じゃねぇか!」と思ったそこのあなた。何も間違っていないです、ハイ。

でも聞いてほしい。このゲーム、犯罪シムであると同時にめちゃくちゃストイックな経営シムでもあるのだ。もちろんやってることは真っ黒なのだが、カッチリとしたシステムで「経営シムの面白さを凝縮したお仕事ゲーム」という面もあわせ持った作品に仕上がっている。

ゴミとラクガキに溢れ、住人ほぼ全員がヤク中という世紀末な町を舞台に、プレイヤーは原材料の仕入れから商品(おクスリ)の製造・販売、新規顧客の開拓にスタッフの管理と大忙しで働きまくることになる。

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商品(大麻)の栽培の様子

そして忙しいプレイを続け、増え続ける資金を眺めているとプレイヤーは不思議な高揚感に包まれる。そのようにいわば「労働でハイになる」ことこそがお仕事ゲームの面白さなのではないか? と思わせるような不思議な中毒性のある作品がこの『Schedule I』だったのである。

海外で大きな話題になった本作。今回「そういえば流行ってたけどまだやってなかったな」と軽い気持ちでプレイを始めたのだが、みるみるうちにハマってしまった。そこで本記事では、上記のようなこのゲームの魅力をやや興奮ぎみで紹介させてほしい。

※このゲームはフィクションであり、違法なドラッグの生産や使用を推奨するものではありません。同様に、本記事はあくまでゲームの体験談であり、違法な行為に賛同するものではありません。

文/海ソーマ


忙しい……けど楽しい! 労働で報酬系が刺激されハイになる

このゲームのストーリーをざっくり説明すると、主人公が田舎の農場で叔父とともにささやかな密売ビジネスを営んでいたところ、ついに警察に目をつけられて叔父が逮捕されてしまう。なんとか逃げ出した主人公は「ハイランド・ポイント」という町に流れ着き、そこで心機一転、イチから密売ビジネスを営んでいくことになる……というものだ。

ちなみに主人公の外見は髪型や顔のパーツ、体型など細かくカスタマイズ可能。せっかくなので密売人らしく、いかにも怪しげな長髪でヒゲを生やしたくたびれた男性を作成してみた。

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いまだかつてこんなにもやる気のなさそうな主人公がいただろうか。

まずは公衆電話から留置所にいるらしい叔父の指示を受け、町中の小さなモーテルの1部屋を購入。ここに植木鉢と作業台を導入してビジネスの足掛かりとする。基本的な資材や家具は町のお店で購入可能だ。

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薄暗い小さなモーテルの一室。ここからビジネスが始まる。

さて、手始めに舞台となる町「ハイランド・ポイント」を散策してみたのだが……

治安が悪い。

道路にはゴミが散乱し、そこら中の壁にラクガキがされている。ラクガキは上記のようなグラフィティ的なものだけでなく、ちょっとここに載せるのがはばかられるような品のないものまで大量にある。さらには殺人現場まで発見した。怖い。

警官たちが熱心にパトロールをしているし、主人公が訪れる以前からだいぶ危ない町みたいだ。これからここに密売ビジネスを持ち込んでさらに状況を悪化させることになるのだが、色々と大丈夫か……という考えはひとまず忘れて仕事に取りかかることにした。

まず必要になるのが、資材の入手だ。前述の通り、まずは町の雑貨店に向かい、植物の栽培に必要な植木鉢や土などの道具一式を購入し、自室に設置しておく。

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町の雑貨屋ダンさん。これから数え切れないほどお世話になる。

それから叔父の指示を受け、仕事仲間である人物に連絡を取り、種を購入する。スマホのメッセージで注文を告げると、町の各所に用意されているデッドドロップ(隠し場所)に種が用意されるので、指定の場所に速やかに向かい受け取りを済ませるという手順だ。

そして自室に戻り、いよいよ栽培の開始だ。植木鉢に土を盛り、種を植えて水をやり、育つのを待つ。ゲーム内時間でだいたい半日くらいで収穫できるようになる。

種が育ったら穂をハサミを使って収穫し、次は作業台で袋詰め(袋は資材として町のお店であらかじめ購入しておく必要がある)を行う。

収穫した穂を1個ずつコツコツとドラッグ&ドロップの操作で袋に入れていくのだが、この直感的な操作に何とも言えない味わいがある。どんなビジネスもまずは地道な作業から始まるのだ。

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作業台の様子。ドラッグ&ドロップで袋に入れていく。

これでようやく顧客に販売できる状態になった。ちなみに1つの植木鉢から8個の商品を作ることができる。

これが商品製造の一連の流れだ。この後はスマホに顧客から注文が入るので、それに返事をして受け渡し時間を朝・昼・夜・深夜の4つから提案する。すると受け渡し場所の指定が入るので時間通りにその場所へ向かうことで、取引を終わらせることができる。

ちなみに受け渡しの際は町中をパトロールしている警官に注意。取引の現場を見られれば追いかけられ、捕まれば罰金と違法な所持品(ドラッグ)の差し押さえをくらってしまう。

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スマホで顧客に連絡。
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指定の場所へ向かい、取引する。

さらに新規顧客の開拓も忘れてはいけない。町には多くの住人が生活しており、対象となるキャラクターには、サンプルを提供して営業をかけることが可能だ。

顧客から人脈が広がっていき、新たな仕事仲間にも出会うことができるため、ゲームを進めるうえでは欠かせない要素となる。

冷静になると、道行く人におクスリ吸わせるのが新規開拓ってどう考えてもめちゃくちゃなことをやっているのだが、作品の雰囲気に飲まれてツッコミの感覚も麻痺してきたのか、プレイ中はすんなりと受け止められた。というか住民たちも何の疑問もなく「どれどれ……」と商品を試し始める始末。どうなってんだこの町。

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お店でレジ業務をこなす住人にサンプルを提供。仕事中になにやってんだ。
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気に入ってもらえれば注文をしてくれる状態になる。仕事中にヤクをキメて目を赤くするやべー奴。

このようにして、原材料の用意から製造、販売を繰り返して利益を上げつつ販路を広げていくというのがゲームの基本的な流れなのだが……ここまで読んでくれた方はお気づきかもしれない。

そう。このゲーム、めっちゃ忙しい。

気づけば余暇を楽しむ暇などなく、ひたすら原材料の購入と栽培、商品の受け渡しで町中を駆けずり回る主人公の姿がそこにあった。

これにはやる気のなさそうな顔の主人公も「なんか俺、ずっと働いてない?」と汗だくになりつつ疑問を浮かべる。

このゲームではゲーム内時間の1分が1秒で経過する。つまり1時間が60秒、1日が24分となる。上記のようにせわしなく働いていると、あっという間に夜中になってしまうのだ。良い子は寝る時間だが、夜中の取引は買い取り額にボーナスがつくため、可能ならば積極的に狙っていきたい。

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午後9時以降は警察によりCurfew(外出禁止令)が敷かれる。出歩いている所を見つかれば即手配状態になるため取引の難易度は上がるが、その分金額にボーナスがつく。

さらに、システム的にいくら夜更かししても起床時間は午前7時で固定で、時計の進行は午前4時でいったんストップする。そのため、時間を最大限に活用するなら午前7時から翌日午前4時まで21時間労働→3時間睡眠→また21時間労働というワークライフバランスを捨てたサイクルで働くことになる。死んじゃうよ。

顧客の依頼は絶対ではない(断ることもできる)ので自分のペースでゆったり働くことも不可能ではないのだが、ゲームを進めるには設備や不動産の購入に大金が必要になるので、どうしても効率を重視したプレイになりがちだ。

こうしてあれこれと働きまくっていると普通は「しんどい……」となりそうなものだが、プレイ中の私は奇妙な高揚感を覚えていた。

何せ、働いた分だけどんどんお金が増えていくのだ。仕事をこなせばこなすほど、その努力がプレイヤーの所持金という分かりやすい結果でダイレクトに返ってくる。

ゲームの理論としてプレイヤーの「報酬系」を刺激するということがよく語られるが、このゲームはそれを最も単純でピュアな形で提供してくれているといえるのではないだろうか。

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順調に増えていく資金が報酬系を刺激し、快感を呼ぶ

時間に追われつつ苦労して商品を売り、代金を受け取ることでプレイヤーの資金=ステータスがどんどん上がっていく……そのフローを繰り返していると、報酬系が刺激されて「なんかよくわからんけど楽しい!」という心理状態になる。

このゲーム、やることは多いが原材料の入手→商品の製造→商品の販売という一連の流れが非常にシンプルかつスピーディに進行するため、報酬、つまり快感を得るサイクルも非常に速い。ついでに言えば取引を終えて所持金が増えた際の「チャリーン」という効果音も絶妙に気持ちがいい。クセになりそうだ。

そのため働きまくってどんどん増えていく口座の残高を見ていると「あと1取引」「あと1日」という風についつい熱中してやめ時を見失ってしまう。いわば脳内麻薬によるトリップ状態である。プレイヤーはそのように巧みなゲームシステムに心を掴まれ、気づけば『Schedule I』中毒になっているというわけだ。

その結果「麻薬を売るゲームで遊んでいたら、労働の喜びを感じてハイになる」という冷静になって考えてみると何を言っているのかよく分からない体験を味わうことになった。やべぇゲームですよこれは……

とはいえ、こんなにやるべきことが盛りだくさんでパンク気味なら、誰かに手伝ってもらいたくなるのが自然な考えだが、そこは経営ゲーム。部下を雇って業務を分担するという要素もしっかり用意されている。次は事業拡大の要素を紹介しよう。

事業拡大で業務効率化! 増え続ける資金に興奮が止まらない

ゲームを進めると、広がった人脈から「ディーラー」を雇えるようになる。

雇ったディーラーには自分の顧客リストから顧客を割り振ることができ、商品を渡せばそれを売ってきてくれる。あとで売上金を回収できるのだが、その際販売額の20%が分け前として支払われるという仕組みだ。

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モーテルの一室に暮らすディーラーのベンジー。

ディーラーを雇う前は顧客からの注文がひっきりなしに入ってきて対応に追われていたのだが、抱えている顧客の半分くらいを割り振ることができた。まとまった数の商品を渡して、後は捌いてくれるのを待つだけだ。

これで仕事が楽になった……と思いきや、今度はディーラーから「商品がもうないんだけど?」という連絡が怒涛のペースで押し寄せることになる。

おそらく顧客を多めに割り振ったことも原因なのだろうが、朝に10数個の商品を渡しても夕方には捌き切られてしまうのだ。優秀すぎるだろ。

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ディーラーからの怒涛の催促メールが届く。

結果、今まで以上に商品の製造に追われることとなってしまった主人公。ワークライフバランスは捨てたどころかもう焼却されてしまっている勢いだ。早急な製造体制の強化が急務となる。

そこで登場するのが、ゲームをさらに進めると出会うことになる、辺り一帯を仕切るフィクサー(まとめ役)のマニー。彼からは商品の製造に関わるスタッフを雇うことができる。

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倉庫をアジトにしているマニー。

そこでゴミ掃除をしてくれる「クリーナー」と植物の栽培を担ってくれる「ボタニスト」、梱包作業をしてくれる「ハンドラー」の3名を雇用。

貯めた資金で不動産屋からストレージルームの一室を購入し、設備を整えて彼らの仕事場に仕立て、仕事をアサインしてあげた。

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左からハンドラーのブライアン、植物学者のライアン、クリーナーのニック。名付けて反社会三銃士。

ボタニストは資材(土と種)を用意してあげれば、設置した植木鉢を使って商品を栽培・収穫してくれる。この過程で土の袋や種のビン、収穫時に落ちる葉っぱなどのゴミが出るのだが、これらはクリーナーが掃除してくれる。収穫した穂はハンドラーが袋詰めして棚に置いてくれる。

このシステムを構築したことにより、材料と資材さえ切らさなければコンスタントに商品を生産できるようになった。

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狭い仕事場で熱心に働くスタッフたち。

これで仕事が楽になる……と思いきや、今まで以上にハイペースでの生産が可能になったため今度は材料、資材の準備に追われることとなる。植物学者には土と種、ハンドラーには梱包用の袋を常に用意してあげる必要があるため、まとめ買いしては足りなくなったら補充……という風にお店とアジトを往復する日々だ。

さらに、絶えず出来上がっていく商品を捌くためにディーラーへの受け渡しと自分の抱える顧客への販売のペースも上がっていく。ちなみにここまで来ると新規開拓の甲斐もあって、顧客の数も増え、新たなディーラーも抱えている。

また、資金が増えてくると口座への一週間の入金額の上限を超えてしまうため、資金洗浄(ロンダリング)を行う必要が出てくる。不動産屋でコインランドリーや郵便局などのビジネスを購入し、1日ごとに事務所を訪れて資金を処理していくのだ。またやることが増えてる……

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事務所のパソコンで資金洗浄を行う様子。

結果、部下が増えても相変わらず仕事のために町中を駆けずり回るという、麻薬ビジネスのボスにしてはやたら泥臭い主人公の姿がそこにあった。って結局忙しいんじゃん!

しかし、扱う商品が増えた分一日に稼げる金額もどんどん上がっていく。これによりますますプレイヤーの報酬系が刺激され、働くことの喜びに脳を支配されていく麻薬ビジネスには土日も祝日もない。ひたすらヤクを作り、売るのだ。労働万歳!

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ゲーム序盤(左)と中盤(右)の1日のリザルト画面の比較。右のほうはディーラーが売った分と合わせて1日に5000ドル以上荒稼ぎしている。

全ては顧客の笑顔、そして働く喜びのために

必死にヤクの売人として働き続ける日々。しかし、そんな忙しさの中にも癒しはある。それが、取引を終えた際のお客さんからの「ありがとう」だ。

ヒイヒイ言いながら町を走り回った後に、自分が手間暇かけて製造した商品を受け取って笑顔になってもらえれば、苦労も報われるというものである。

これまで説明してきたように本作では、原材料の仕入れから商品の製造・販売までをプレイヤーが一手に引き受ける。苦労して準備した自分の商品が顧客に届きお金に変わる。そして増大していく資金・拡大していく事業を眺める……そんな風に「生産者としての喜び」と「経営者としての喜び」を同時に味わえるのがこのゲームの持ち味なのではないだろうか。

惜しむらくは、これが密造した麻薬を売りさばいているという最低の状況であることだ。

そんなこんなでビジネスが軌道に乗った結果資金はどんどん増えていき、新たな拠点となる町はずれの大きな納屋をポンッと購入。さらなる事業の拡大化に向けて胸を膨らませる。

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小さなモーテルの1室から始まった事業は、ついにこの広さの物件を手に入れるまでになった。これからどんな間取りとオペレーションでここを運営していこうか……ワクワクが止まらない。だが、そのためには設備投資のための大金が必要だ。

こうして私は今日も、事業拡大と顧客の笑顔、そして働いてお金を得る喜びのために年中無休で「ハイランド・ポイントを」走り回るのであった……。


このように、本作は一見「裏社会で成り上がるぶっ飛びゲー」かと思いきや、その実「大金を稼ぐために泥臭く町を駆けずり回る」ゲームだったのである。1日の間にやるべきことが多く、ひたすら忙しいゲームだ。

しかし、上にも書いたようにプレイをしているとその「忙しさ」に奇妙な快感をおぼえている自分がいることに気が付く。そこで私は思った。「この忙しさこそが、経営ゲームの真髄なのではないか?」と。

はじめは何もないところからスタートして、ひたすら働きつつ資金を貯め、やがて新たな物件や設備、従業員を導入し「事業」を拡大していく……。そこに「遊びとしての楽しさ」を見出すという発想。言い換えれば、「仕事(労働)を面白がるゲーム」が経営シミュレーションなのだ。本作は(治安は終わっているが)そんなゲームジャンルの魅力を再認識させてくれる作品であった。

何より、働けば働いた分だけどんどん資金が貯まっていくのが本当に快感でやみつきになる、まさに「中毒性」の高い作品に仕上がっている。

また、本稿では忙しさから生まれる快感を軸に紹介したが、ドラッグごとにキャラクターに及ぼす効果が設定されており、光ったり爆発したり1つ目になったり果てはゾンビになるとか、辺りを牛耳るカルテルとの対決イベントとか、まだまだ紹介しきれていない面白さがたくさんある。

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明らかにヤバいおクスリをキメて明らかにヤバい状態になってる人。

現在は公式では日本語に未対応だが、プレイできる知識のある方はぜひこの奥深い世界を味わって、労働の楽しさに目覚めてほしい。働くって素晴らしい!

ただ、本当に惜しむらくはプレイヤーのやっていることが「密造した麻薬を一般人に売りさばく」という黒を通り越して暗黒の稼業であるという点である。

良い子はマネしないでね!

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自分で作ったおクスリを吸ってハイになっている様子。
編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。個人的ゲーム史上ナンバーワンヒロインは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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