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『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』システム初公開──原作者・渡辺静が明かした、”LINEで既読がつかなくなった日”から生まれた物語

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「除霊はチームプレイ」──。

その言葉を体現するように、原作コミックス既刊14巻、TVアニメ(全12話)を経た人気作『デッドアカウント』のゲーム化タイトル『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』がその全貌を初めて明かした。

本作は原作では別行動だったキャラクターを自由に編成し、チームで化け垢を祓うチームローグライトだ。

アニメ放送終了からわずか2週間。スマイルゲート・メガポートが4月11日、東京・下北沢ADRIFTで開催したオフラインイベント「弥電学園交流会」には、ファイルーズあいさん、Machicoさん、原作者・渡辺静先生が登壇し、ゲームシステムの詳細からボス戦映像の先行公開まで、ファンが知りたかった情報が一挙に解禁された。

原作者が作品の着想を明かした『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』イベントレポ_001

取材・文/咲文でんこ
編集/kawasaki

止まって、打て。シンプルなルールに宿るゲーム性

本作はスマイルゲート・メガポートがパブリッシング、IANGAMESが開発を担当するチームローグライトで、モバイル(iOS/Android)およびPC(STOVE)に対応予定。現在は事前登録受付中で、配信日は未定となっている。

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登壇した本作の開発会社IANGAMESのパク代表は、「原作のファンも初めての方も、みんなが楽しく遊べるカジュアルアクションゲームを一生懸命作っています」と語り、「好きなキャラクターの華やかなアクションを、スマホの画面いっぱいに詰め込みます」と意気込みを見せた。

イベントの中核となったのが、「痣木先生でもわかるゲーム紹介」と題されたコーナーだ。
作中でデジタル機器に疎い教師・痣木宵丸にちなんだネーミングの通り、ゲームの基本システムが初心者にもわかる形で丁寧に紹介された。

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最初に披露されたのは、ゲーム内キャラクターの立ち絵映像。
漆栖川希詠と灰島ひよりが画面上で滑らかに動く様子が映し出されると、ファイルーズあいさんは「絵柄が原作そのまま」と感動を口にした。渡辺先生特有の、少し荒々しさを残しつつもスタイリッシュに決まる線の雰囲気が、ゲームのビジュアルにしっかりと落とし込まれている。

キャラクターにはレアリティが設定されており、その段階に応じてビジュアルも変化する。
漆栖川のSSR版は原作の草場戦で見せた、衣装が破れた姿を再現したもの。ファイルーズあいさんは「電能出力関係なく素手で殴り合う力強さが、この衣装に集約されている」とコメントした。

なお、このSSR漆栖川希詠は事前登録を完了した全員に贈られる特典だ。SDキャラクターバージョンも存在し、お風呂上がりのシチュエーションなど複数の差分が用意されていることも確認できた。

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キャラクターの入手はガチャシステムを通じて行われる。会場では演出映像も公開され、複数バージョンが用意されているとのことで、詳細は先行体験テストで確かめてほしいとアナウンスされた。

あらためて紹介すると、本作のジャンルは「チームローグライト」だ。
同じステージでもプレイするたびに獲得できるスキルやバフがランダムで変わるため、毎回異なる戦略が求められる。その独自性は、操作の根幹にも宿っている。

本作最大の特徴が、キャラクターは立ち止まっているときだけ攻撃できるというルールだ。
ボスが強力なスキルを放つ際には攻撃範囲が赤く表示されるため、素早く移動して回避しなければならない。しかし動いている間は攻撃できない。「いつ動いて、いつ止まるか──回避と攻撃のタイミングを見極めることが重要」と説明された。

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ファイルーズあいさんが「避けてばっかりだったら攻撃できないんですよね」と確認すると、「そこがいいバランスになっています」と返答。カジュアルな見た目の裏に、判断力を要するゲーム性がしっかりと組み込まれていることが伝わるやり取りだった。

操作はバーチャルスティックによる移動が基本で、倒す量によって歩きとダッシュを使い分けられる。スキルは手動・自動を切り替えられ、手動時にはターゲット範囲を自ら指定して敵の中心に正確に打ち込むことも可能だ。

ボスに一定のダメージを与えると「ブレイク状態」に移行し、動きが止まった隙に攻撃を集中させることで大ダメージを狙える。

ローグライト要素としては、戦闘中にドローンが「特性強化ボックス」を落とし、ランダムな選択肢の中からバフを選ぶ仕組みが紹介された。何を選ぶかでその後の展開が大きく変わるため、プレイごとに異なる駆け引きが生まれる。

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ゲーム紹介コーナーの締めくくりとして、ボス戦のプレイ映像が特別先行公開された。披露されたのは縁城蒼吏、霞流括、漆栖川希詠の3人パーティによるボス戦で、原作エピソードを再現したバトルに加え、大量の敵が押し寄せる強化訓練の映像も続けて公開された。

特に注目を集めたのは、原作では同じ場面に居合わせなかったキャラクター同士が自由にチームを組める点だ。

映像では痣木先生がプレイアブルキャラクターとして参戦する場面もあり、Machicoさんが「乙組だけじゃないんだ」と目を丸くする場面も。ファイルーズあいさんも「すごい感動した」と声を上げた。「もしあの場面に全員揃っていたら」という原作ファンならではの夢の組み合わせを、ゲームという形で実現できる──それが本作の大きな魅力のひとつだろう。

既読がひとつつかなくなった日。『デッドアカウント』誕生の原点

ゲーム紹介以外にも、会場を沸かせる企画が続いた。
ファイルーズあいさんとMachicoさんがゲーム内カットシーンにアドリブでアテレコを披露するコーナーや、渡辺静先生のドローイング映像が公開されるコーナーでは、原作とゲームの世界が目の前で交差する瞬間に会場の熱量が一段上がった。

終盤に行われた原作知識を問うクイズ企画「弥電学園実力テスト」では、来場者の正解率が高すぎたため急遽追加問題が投入される一幕もあり、ファンの作品愛の深さを改めて証明していた。

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イベント後半の質問コーナーでは、渡辺静先生から『デッドアカウント』誕生の原点となるエピソードが語られた。

着想のきっかけは、元担当編集者のご家族が亡くなった際の話だったという。家族のグループLINEでひとつだけ既読がつかなくなったとき、「亡くなったんだ」と実感した──その話を聞いた渡辺先生は、「現代ってそういう実感の仕方をするんだ」と強く感じたそうだ。

「もしその既読がついたら、それが家族の幽霊だったら面白いんじゃないか」。その一つの問いから、『デッドアカウント』の世界は生まれた。

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「体験したことがないのに実感を伴って読める理由がわかった」とファイルーズあいさんが応じれば、Machicoさんも「自分たちの日常に触れているものだからこそ、個性豊かなキャラクターたちのインパクトがより強く響く」と深くうなずいた。

好きなキャラクターを問われると、渡辺先生は霞流括を挙げ、自分に近いキャラクターとして柄本成彦の名を挙げた。

「ネガティブ思考なところが似ている」と苦笑しつつ、イベント開催が決まった際も「お客さん来てくれるのかな」と不安になり、担当編集者と「少なくてもアットホームでいいよね」と予防線を張り合っていたことを明かして会場を和ませた。

ちなみに、ファンの間で長らく議論になってきた弥電学園の制服の色については、渡辺先生から「深緑が正解」との明言があった。単行本の色校正でも「もうちょっと暗くしてください」とデザイナーとやり取りするほど、「結構複雑な色」なのだという。

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「除霊はチームプレイ」──原作の一言がゲームの方向性を決めた

イベント終了後、IANGAMESのパク・ヨンジェ共同代表とキム・ビョンギPDに、ゲーム開発の背景や本作ならではの体験について話を聞いた。

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▲左からIANGAMESのキム・ビョンギ氏、パク・ヨンジェ氏

──原作コミックを読んだとき、「ここをゲームにできる」と感じた部分を教えてください。

キム氏&パク氏:
印象的だったのが、縁城が弥電学園に入る場面で述べた、「除霊はチームプレイ」というモットーです。チームプレイと各キャラクターの電能を掛け合わせれば、いちばん面白いゲームが作れる──そう確信しました。

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それがちょうど「チームローグライト」というジャンルで表現できると気づいたとき、方向性がはっきりしました。

──チームローグライトという構想が先にあったのか、それとも、原作を読んでからたどり着いたのでしょうか。

キム氏&パク氏:
スタジオ内で作りたいジャンルの候補がいくつかあり、チームローグライトもそのひとつでした。そこに原作との出会いがあって、「この作品こそチームローグライトに最も合っている」と感じたんです。

元々持っていた構想と原作がうまく合致した、というのが正確なところですね。タイミングが合った、という言い方が一番しっくりくるかもしれません。

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──原作もローグライクも知らない人に向けては、このゲームの魅力をアピールしていただけますか。

キム氏&パク氏:
近年はスマートフォンゲームの大作化が進んでいます。そういったなか、気軽に遊べて、かつ世界観が豊かなゲームは意外と少ないです。

コンソールやPCで大作を楽しみつつ、移動中はスマホでカジュアルに遊ぶ──でもそこにもちゃんと手応えのある世界観がある。そういうゲームを目指しています。

手軽さと濃厚さを両立させることは簡単ではありませんが、濃厚さの部分は原作に忠実に作り込んでいます。ひと言で言うなら、「手軽に遊べて、世界観を濃厚に楽しめるゲーム」です。

──漫画やアニメにはない、ゲームだからこそ体験できることは何でしょうか。

キム氏&パク氏:
3つあります。ゲームオリジナルストーリー、原作やアニメでは描かれなかったキャラクター間の物語、そしてゲームオリジナルモンスターの登場──この3点が、このゲームにしかない体験だと考えています。

──最後に、原作ファンと、原作を知らないゲームファン、それぞれへメッセージをお願いします。

キム氏&パク氏:
原作ファンの方には、好きなキャラクターを自分の指先で動かす体験をぜひ味わってほしいです。アニメやコミックスで培われた世界観を、ゲームという形でしっかり再現しています。

原作を知らないゲームファンの方には、カジュアルに見えても中身は濃い、ということを伝えたいです。その濃厚な世界観ごと、気軽に楽しんでいただければと思っています。

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このイベントは、『デッドアカウント~二つの蒼い炎~』の輪郭をファンに初めて示したイベントだった。カジュアルな外見の裏に、移動と攻撃の判断、ブレイク状態での畳みかけ、ランダムなビルド選択といった手応えのあるゲーム性が詰まっていることが伝わってくる。

そして原作にない自由な編成で「if」のバトルを楽しめる点は、原作ファンにとってのもうひとつの大きなフックになるはずだ。

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©渡辺静/講談社 © Smilegate & IAN Games All Rights Reserved.

ライター
ドリームキャスト版の『ファンタシースターオンライン』に出会い人生が変わる。以来、数々のオンラインゲームやメタバースを含む仮想空間で20年以上の生活をしており、インターネット上のコミュニティに関心が高い。
Twitter:@denpa_is_crazy/

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