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サプライズで登場した平原綾香が「Reset」を歌った『大神 20周年記念コンサート』。あのゲームを遊んだ人はみんな泣いていた

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──泣きました。

『大神』の音楽コンサートが、あまりにも良過ぎた。

2026年4月29日(水)。『大神』20周年を記念して開催された『大神 20周年記念コンサート ~大神 音絵巻~』は、筆者にとって忘れられない一夜となった。「加齢も案外捨てたもんじゃない」──そう思わせてくれるコンサートが、この世にあるとは。

あのホールには、確かに「太陽」が昇っていた……。

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そもそも『大神』は、2006年にカプコンから発売されたPlayStation 2用アクションアドベンチャーゲームだ。現在はグラフィックをリファインしたHDリマスター『大神 絶景版』が各プラットフォームで発売されている。

「20周年」という言葉通り、大元は20年前のタイトルだ。しかし、筆を走らせて世界を彩るアーティスティックな3Dグラフィックは唯一無二であり、そのオリジナリティは現代でも決して色褪せることはない。

アマテラスとイッスンが神木村を中心に展開していく心温まる物語は、今も多くのゲーマーの胸に大切な思い出として刻まれているはずだ。

今回は、そんな不朽の名作の節目を祝う音楽コンサートの模様をレポートしていく。

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取材・文/そりす
編集/kawasaki

アマテラスとイッスンの旅路を、生演奏と映像でたどる

本コンサートでは、『大神』の物語冒頭からラストまでをなぞる形式でセットリストが展開されていった。ステージ上の巨大スクリーンでは、楽曲に対応する作中の場面が映し出され、生演奏と共に『大神』の冒険を振り返る。

本コンサートは、前半パートと後半パートの2部構成に分かれているが、前半パートではシリーズ作品の『大神伝 〜小さき太陽〜』からも一部楽曲がラインナップされていた。
公演にあたっては、指揮者に井田勝大氏、和楽器の演奏には和楽器演奏ユニット・AUN J CLASSIC ORCHESTRAが出演している。

【前半セットリスト】
M01 オイラのテーマ
M02 ⼤神降ろし 神州平原 其の⼀ 〜 其の⼆
M03 ⼋⽝⼠のテーマ タマヤのテーマ スズメ組の親分
M04 ウシワカのテーマ ウシワカ登場 ウシワカ演舞 〜 ウシワカと遊ぶ
M05 クシナダを乗せて 真スサノオ 七字の印契
M06 神⽊祭り
M07 ⼤神伝
M08 薬師村
M09 妖怪討伐 〜 悪路王討伐
M10 奮起

コンサートが開演してホールが暗闇に包まれると、和太鼓の力強い打音が響き始める。そこから尺八と篠笛の音色が重なり、タイトル画面で流れる印象的なイントロでオープニングを飾った。その余韻が落ち着いたところで披露されたのは「オイラのテーマ」だ。

リズミカルに弾かれる箏が耳に心地良い。楽曲が終わると、アマテラスとイッスンがスクリーンに登場し、来場者たちに語りかける。やはり『大神』はこのコンビがあってこそ。

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演奏は「⼤神降ろし」から物語を振り返るように進行していった。個性豊かなキャラクターたちとの会話や名場面が、スクリーンの映像と共に続々と映し出される。
場が温まったところで「ウシワカのテーマ」「ウシワカ登場」「ウシワカ演舞 〜 ウシワカと遊ぶ」と、”ウシワカずくめ”の流れに。

中でもウシワカ演舞は三味線が映えに映えるバトル楽曲だ。途中で差し込まれる荒々しくも優美な笛の旋律は、コンサートホールで耳にするとなかなかに鳥肌モノである。筆者の語彙力を総動員した結果として出てくる言葉は、「笛、めちゃめちゃカッコいい」──それに尽きる。

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後に続いた「真スサノオ」もアツかった。

ゲーム序盤では何かと稽古をサボって妖怪にもガクブルなおじさんのスサノオ。そんな彼がアマテラスの“ちょっとしたお手伝い”を転機に、一人の英雄として次第に成長していく様子は劇中でも印象深い場面の一つだ。

彼が勇気を振り絞って妖怪に立ち向かった集大成と言える山場のワンシーンを、映像としてスクリーンに表示しながら楽曲は披露された。

冴えないおじさんでも好きな娘のためならマジになれる──。
『大神』の発売日から数えて、名実ともにおじさんになってしまった筆者にとって、スサノオの目覚ましい活躍ぶりはとりわけ輝いて見える。思わず感極まって涙ぐむ瞬間でもあった。

歳を重ねたからこそ沁みるものがある、と気づかせてくれる。それが冒頭に書いた「加齢も案外捨てたもんじゃない」という実感だ。

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『大神伝 〜小さき太陽〜』からは、先述したセットリストから「⼤神伝」「薬師村」「妖怪討伐 〜 悪路王討伐」「奮起」の計4曲が本コンサートで披露された。
同作は、ニンテンドーDSで発売された『大神』の関連作品だ。アマテラスの子であるチビテラスと、スサノオの子どもクニヌシが活躍するストーリーが語られる。

『大神』同様、和楽器テイストの楽曲が中心にあるというのは変わらずで、こちらのパートでもAUN J CLASSIC ORCHESTRAの演奏が光っていた。本コンサートを機にゲームが気になってしまった……という未プレイのファンもいるかもしれない。

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後半パートは“『大神』のみ”のセットリスト構成となった。後半でも物語に沿った流れで進行していく。

キャッチーで耳に残りやすいキャラクター系の楽曲を揃えた前半とは異なり、後半は世界観やキャラクターの核心に触れる楽曲が中心だ。ネタバレへの配慮から詳細は伏せるが、どこか「切なさ」を帯びた楽曲が、物語の終幕へと静かに聴衆を誘っていく。

公演中はバックスクリーンの映像以外にも、ライティングを使った舞台効果が巧みだ。映像と演奏の単なる両輪ではなく、光源を使った見せ方で聴衆の感情をさらに揺さぶる。

【後半セットリスト】
M11 両島原 其の⼀ 〜 其の⼆
M12 別れの時 神⽊村の悲しい⾵習 カグヤの旅⽴ち
M13 妖魔王 キュウビ退治
M14 勇者オキクルミ
M15 双魔神 モシレチク コタネチク退治
M16 天神族のテーマ
M17 「Reset」 〜 「ありがとう」バージョン〜
M18 太陽は昇る

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「天神族のテーマ」からラストスパートに入ると、作中屈指の名場面がスクリーンに投影された。この瞬間、一切の演奏が止まった。
言葉では説明しきれないが、『大神』というゲームを遊んだことがある人なら、きっとあの場面だとわかるはずだ。会場内の全ての視線がスクリーンに釘付けとなる。

オーケストラと和楽器の合奏による『「Reset」 〜 「ありがとう」バージョン〜』に合わせて、アマテラスが冒険の中で紡いだ縁が力となっていく。
あえて歌を入れない楽器のみの旋律が、かえって一音一音を際立たせ、来場者の涙腺を完全に壊しにかかっていた。

劇中の映像だけでも十分すぎるほどの名場面なのに、生演奏が重なることでその感動はさらに増幅される。周囲にはハンカチで涙を拭う人の姿も見えたが、かく言う筆者も堪えられなかった1人となった。

その後はかの名曲「太陽は昇る」で、コンサートのラストを勇ましく飾り立て、『大神』の物語に区切りを付けていった。

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コンサートの締めくくり、アンコールのラストに待っていたのは最大のサプライズだった。

なんと歌手・平原綾香さんがステージに登場したのだ。
彼女はもともと『大神』のエンディングテーマ「Reset」を歌ったアーティストその人である。20年越しに、その歌声が生でよみがえる──そんな贅沢すぎる演出に、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

楽団とAUN J CLASSIC ORCHESTRAの演奏に合わせて、平原さんのパワフルな歌唱がホール全体に響き渡る。そして見事にテーマソングを歌い上げ、大きな拍手に包まれながら、コンサートは締めくくられた。

【アンコール】
M19 勝ち鬨 旅は続く タカマガハラへ
M20 「Reset」 (歌:平原綾香)

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コンサート会場では、記念グッズの販売やフォトスポットの設置も行われた。特に当日のグッズ販売は長蛇の待機列を形成するほどの盛況ぶりだ。20年という時を経ても愛され続ける『大神』と、『大神』ファンの熱量を感じた。

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また、カプコンの公式通販サイト「イーカプコン」では、20周年を記念したグッズを多数展開中だ。キャラクターデザイナーの吉村健一郎氏・島崎麻里氏による描き下ろしイラストを使用したアイテムのほか、約50cmの「まるまるアマテラスのぬいぐるみ」など、ファンならずとも手元に置きたくなるラインナップが揃っている。

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なお、『大神 20周年記念コンサート ~大神 音絵巻~』は、2026年12月27日に追加公演も決定している。今回チケットを入手できなかった人、あるいは諸事情により予定が合わなかったという人も、追加公演のチャンスにかけて、ぜひ『大神』の生コンサートを体験してほしい。

……おそらく、ハンカチは持っておいた方がいい。

ライター
塵と埃と霞を食べて生きています。座右の銘は「寝なければ時間は無限」。

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