この街の治安は俺には守れない……ッ!
ゴッサム・シティに降り立った筆者の口から思わず漏れたのは、“完敗宣言” でした。だってこの街、どう考えても犯罪が多すぎる。2分に1回警察無線がアラートを鳴らし、その犯罪発生率はもはや「頻度が高い」というレベルを余裕で超えています。
どれだけ悪党を叩きのめしてもまた新しい犯罪が隣で起きる。それが『レゴ バットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』です。
正直に白状すると、プレイする前は「どうせ子ども向けのレゴゲーでしょ?」と高を括っていました。だってレゴって……あのレゴですよ!?

しかし実際にこの街を巡ってみると、筆者を待っていたのは「どうせレゴゲー」という浅はかな偏見を粉々に打ち砕く体験でした。いまでは、ゲームを舐めきっていた自分の姿勢を全力で恥じたい気分に駆られています。
それもそのはず、本作はメタクリティックのユーザースコアが8.9、Steamでも「圧倒的に好評」を獲得している超モンスター級の評価作。筆者が無知ゆえに舐めていただけで、世界はとっくにこのゲームに熱狂していたのです。
本作はバットマンの物語を追体験できることはもちろんのこと、謎解きやアクションの楽しさにくわえ、なにより “レゴであることのよさ” を実感しました。見た目のコミカルさにいい意味で裏切られます。
「レゴだから」「バットマンだから」とスルーしてしまっているのは、あまりにももったいない(筆者談)。「レゴ作品だから」と距離を置いている人にこそ、一度触れてみてほしい。
そこで今回はゴッサム・シティの洗礼を浴びた筆者が、本作の魅力を「移動」「探索」「治安」の3つの切り口から紹介させていただきます。
編集/柳本マリエ
※この記事は映画『レゴ バットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
「目的地に行くための移動」ではなく、一瞬で自分がバットマンになれる移動そのものがエンタメ
本作でまずシンプルに楽しかったのが、一瞬で自分が「バットマン」になってしまう “移動” です。なぜなら、バットグライダー、グラップルランチャー、バットモービルやバイクといった豊富な移動手段を用いて自由に飛び回れるから。多くのゲームでは「移動=作業」になりがちですが、本作は違います。
上記に写っている “すべて” が移動可能な舞台。ここから飛べるって、ロマンがありすぎませんか? というか街の作り込みがめちゃくちゃ細かいな。こんなん、だれだって飛びたいに決まってますよね。
ワイヤーの先端についたフックを射出して高所や目的のターゲットへ瞬時に移動できるグラップルランチャーは、引っかけるポイントにマークが出現するので複雑な操作が苦手な筆者でも大丈夫でした。

慣れてくると、引っかけて飛ぶ→空中でキャンセル→別の場所にひっかけて調整、といった応用もできます。
建築スタイルが建物ごとに異なり高低差もあるため、マップを自由気ままにビュンビュン飛べるのが爽快。なんとなく動くだけで本当に時間が溶けてしまいました!

また、楽しいのは空中散歩だけではありません。バットモービルやバイクを用いた陸での移動は、空とは異なる味わいがあります。
というのも、地上って物騒なんですよ。クラクションやサイレン、住民の叫び声があちこちから響いてくるので “治安の悪さ” を肌で感じることができます。
やっぱり、どんなドライブソングよりも「人の悲鳴」っていちばん臨場感があるじゃないですか。
地上を移動すると街全体のきめ細やかな作りこみがすごくよくわかるので移動に飽きることがありません。また、ミッションが進行すると舞台も変わるため、ゴッサム・シティのいろんな顔を見ることができます。衝突事故を起こしても違反切符は切られないので、好きなだけかっ飛ばせるところもいい。
ミッションを進めていくと、好きなクルマをバットケイブという拠点で購入できるようになりました。
自由に空を舞う爽快感と、地上の治安の悪さを肌で感じる臨場感。細部まで作り込まれたゴッサム・シティは、ただ愛車やガジェットで走り回るだけでも、大人が時間を忘れて夢中になれる魅力が詰まっていました。
壊して、組んで、謎を解く! “レゴならでは” のギミック攻略に大人の知能が試される
本作は、街に隠された秘密を愛用のガジェットを駆使して暴いていく「ギミック攻略」にも夢中になってしまいました。ゴッサム・シティの建物は細部まで作り込まれており、解き明かすべき謎や報酬が仕込まれているからです。
ここで大人を唸らせるのが、「レゴならではのビルド(組み立て)要素」と「ガジェット」が融合した本格的な謎解きです。
マップ上にあるレゴで作られた怪しいオブジェクトを攻撃してバラバラに破壊したうえで、そのパーツを “組み直す” と新しい足場や仕掛けが完成する。このレゴ特有のわくわく感が、探索の基本ベースになっています。上っ面だけのレゴではなく、ちゃんとレゴであることに意味があるところがいいですよね。
ストーリーを進めていくと、通常の装備では解決できないギミックもつぎつぎに出現します。そこで登場するのが、バットマンの能力をガラリと変える多彩な「スーツ(ガジェット)」や、ともに行動する個性豊かなキャラクターたち。
本作では、状況に応じてバットマンのスーツを着替えたり、ふたりひと組で行動するバディへ瞬時に視点を切り替えたりしながら、パズルを解き明かしていくことになります。
例えば、こちらの実例を見てみましょう。
動物園の職員が水道管に詰まっているところに遭遇(いったいどうしてそうなった?)。なにかしてあげたいですが、どうやら普通のバットマンには手立てがありません。
しかし、そんなときはいっしょに行動しているジム・ゴードンに切り替えると、彼の持つ特製ガジェット「泡てっぽう」が火を噴きました。この泡てっぽうは、なにかにフタをしたり、動いている機械を無理やり止めたりといったシチュエーションで大活躍するのです。
このように、「このトラップを抜けるにはなんのスーツが必要か?」「あの高所にあるレゴブロックを壊すにはだれのガジェットを使うべきか?」と、街の環境を観察しながら手持ちのカードを当てはめていく感覚に脱帽してしまいました。
繰り返しとなりますが、筆者はこのゲームを舐めていたんですよ。いうて「移動の楽しさが最大でしょう」と。しかしながら、いざ進めてみると “レゴならではの謎解き” にこのゲームの実力を見ました。
いくらバットマンでもこの街の治安を守り切るのは物理的に不可能
頼むから5分だけ休ませてくれないか?
ゴッサム・シティの特徴をひと言で表すと、犯罪の回転寿司です。はっきり言って、この街の治安は筆者には守れません。この犯罪発生率はもはや「頻度が高い」というレベルを余裕で超えています。どれだけ悪党を叩きのめしても、次の瞬間には別の場所で事件が起き、2分に1回警察無線がアラートを鳴らす始末。
これ、誇張表現ではないんですよ。強盗、待ち伏せ、不法侵入……よりどりみどりの犯罪集団が問題を起こしてくれちゃいます。

現場に急行すると、住民が「きゃー」とか「うわぁーっ」とか悲鳴をあげながら襲われていることも。最初のうちは「早く助けなきゃ!」という清らかな正義心があったのに、あまりに頻度が高すぎるので「この街はどうしようもないな……」という冷ややかな視線に変わりつつあります。
このようにゴッサム・シティはとにかく治安が悪い。そのためメインミッションも「街に潜む悪を討伐する物語」が進んでいきます。
しかしながら、これらは単にコンテンツ量が多いだけというわけではありません。立て続けに発生する事件によって自分がゴッサム・シティに “存在している” という実感が湧いてきます。
たとえば捜査パートでは、街に落ちているポスターを回収して犯人の似顔絵を特定して追い込み、カーチェイスを繰り広げる一幕も。急カーブしたり、一般車も通行している中で追いかけるので狙いを定めるのが難しい!! なんとなく地形を把握して、先回りするなど工夫して追い詰められると気持ちいいです。
もちろん悪党と拳を交す状況は避けられません。
戦闘の基本は殴り合いで、出現する敵の質や数は選択したゲーム難易度によって変わるようです。試しに真ん中の難易度を選択したところ、ほぼ全ての戦闘で「2対多」の戦いを繰り広げることになりました。
戦闘相手もざっくり近接タイプ、遠距離タイプ、強化攻撃タイプなどの種類があり、回避やカウンターを駆使しながら戦う必要があります。これが思ったより奥深い。どのガジェットを強化するかで、立ち回り方が変わりそうです。


終わらない犯罪の回転寿司に、息つく暇もないカーチェイス、そして油断のならない集団戦。ヒーローにとっては忙しすぎて地獄(?)ですが、この容赦のない忙しさと歯ごたえこそが、ゲーマーにとっては贅沢な遊び場です。
「どうせ子ども向けのレゴゲーでしょ?」と舐めていた結果、ゴッサム・シティの圧倒的な作り込みと容赦ない治安の悪さに感服しました。こんなに大人を本気にさせてくれるゲームだったとは……。
メタクリティックのユーザースコアが8.9、Steamでも「圧倒的に好評」を獲得している理由がわかりました。オープンワールドアクションアドベンチャーとしての完成度が高く、今年を代表する1本といえるのではないでしょうか。
また、本稿を書くにあたり本物のレゴブロック「レゴ バットマン」も編集部宛にご提供いただきました。対応する実物のレゴセットにゲーム内DLCが付属しているお得なレゴです。デジタルとフィジカルが地続きになっているのも、本作らしいユニークな仕掛け。
本作はコミック、映画、アニメといった各時代のバットマンを横断し、初期のヴィランから近年人気のキャラクターまでを網羅しています。“バットマン史” をこのゲーム1本で追体験できる構成も大きな魅力だと感じました。
ちなみに筆者は恥ずかしながらバットマンについての知識が乏しく、ドがつくほどの初心者だったのですが、宿敵たちの「能力」や「犯罪のスタイル」がゲーム内のギミックを通じて自然と知ることができたのでけっこう詳しくなりました。筆者のように「どのバットマン作品から入ったらいいかわからない」という方にはうってつけだと思います。
本作は5月22日より発売。対応プラットフォームは、PS5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Game)。Nintendo Switch 2版の発売日は後日発表を予定しています。















