韓国のVic Game Studiosが手がける新作アニメーションアクションRPG『リミットゼロ ブレイカーズ』のクローズドβテストが、いよいよ開始される。
本作は、「ブレイカー」と呼ばれる冒険者たちが広大な世界「セラフィア」を舞台に旅する王道ファンタジー作品。アニメ調のキャラクター、スピード感のあるアクション、そして個性の強すぎるブレイカーたちと、見どころは多めだ。
とはいえ、正直に言えば筆者は最初、本作にそこまで強い期待を寄せていたわけではなかった。本作は、2023年9月に『BREAKERS : UNLOCK THE WORLD』の名称で発表され、昨年2025年8月に現在の名称へと変更されている。
発表からおよそ3年が経過したいま、増え続けるアニメ調のビジュアルや派手なアクションはもはやめずしいものではなくなってしまった。ところが実際に触れてみると、その印象はかなり早い段階で覆されることになる。
今回電ファミはクローズドβテストに先駆けて、ひと足早くゲームを体験させていただいた。先行プレイの中で得られた所感やゲームが持つ魅力を本稿ではお届けしていきたい。
【ご注意】
本稿はオープニングの内容に言及しています。情報をまったく入れずに本作を楽しみたい方はご注意ください。
「アニメーションアクションRPG」の意味に納得。単なるアニメ調ゲームではなかった
「『リミットゼロ ブレイカーズ』すごく “イイ” じゃん」
プレイしていて、思わずそんな声が漏れた。
個人的な期待値を超えた、というほかない。ほどよいインパクトを持つ物語と、少年漫画的な王道ファンタジーのシチュエーションにワクワクさせられる……!
この感じ、一体なんだろう。
公式が「アニメーションアクションRPG」を謳う通り、いわば“アニメ調”のタイトルなのだが、蓋を開けてみたら絵づくり以上に生き生きとかけ合うキャラクターの見せ方が本当に巧みだった。
わかりやすい物語の起伏があり、自然とゲームの世界に溶け込める。アニメ調でなければ成立しづらい掛け合いがふんだんに盛り込まれているのだ。
とりわけギャグシーンのテンポ感は、「もしや日本アニメ特有の間を理解している?」と、素直に驚いたものである。
例を挙げると、青年カイトがどんな鍵でも開けられる解錠スキルをドヤ顔で披露するこちらのシーン。一度に多くの箱を解錠して見せたのだが、たまたま居合わせた女性冒険者にも被害が……。
お約束過ぎる。
冒頭でも述べた通り、『リミットゼロ ブレイカーズ』の存在自体は以前から認知していたが、ユーザー目線でそこまで注目していたわけではなかった。
なにせ、昨今ヒットを飛ばして日夜SNSで話題になる運営型ゲームは、そのほとんどがアニメ調の表現を取り入れている。つまり、アニメ調をただウリにするだけでは、もはやモノ足りない身体になってしまっていた。端的に言えば見慣れて新鮮味を感じられないのだ。
だからこそ、本作を遊んで驚かされた。
このゲーム、「アニメ調は映像表現の手段として当たり前」であることをちゃんと理解しているように感じる。
目の肥えたユーザーを演出や動きの工夫でいかに魅了するのか。
それを研究していなければこれだけ「キャラが生きている」はずがないのだ……。だから“アニメーション”アクションRPGなのか、と納得した。
章ごとに題材となる物語や舞台が独立し、スッキリ終われる読後感があるのも、少年漫画の長編的な見せ方に近い。仲間を集めながら飛空艇で世界を旅するとか、王道そのものじゃないか?
もっとも、筆者が物語に強く引き込まれたのは冒頭のオープニング部分だったりする。
まさかの仲間壊滅エンド。
しかも、わざわざアニメ作画で仲間の死亡シーンを丁寧に描いている。あの、どんな気持ちでこれから冒険に出ればいいんでしょうか。
こんなものを見せられては気にならないはずもなく、一気にゲームの世界観に引き込まれていくのだった。
慣れた瞬間に「俺ツエー!」。スピード感あふれるバトルが気持ちいい!
アクションRPGの手触りは“わかりやすく爽快”なものだった。
パーティ3人編成で「パリィ」「ジャスト回避」「キャラクター入れ替えの連携アクション」、そして「ブレイク(弱体化)」するシステムなど、ここ最近の運営型ゲームで主流のフォーマットを採用している。
筆者としてはそうしたタイトル群を日頃からプレイしているからこそ、手に馴染むというもの。ダメージを与え続けて敵をブレイクし、一気に畳み掛けるお馴染みの手応え。
たとえチュートリアルを飛ばしても、バトルのコツはすぐに掴んでしまいそうである。身体と直感が、遊んだことがないはずの本作を確かに覚えている。不思議。
ただし、本作のバトルは思っていた以上にスピード感がある。
しかも攻防の入れ替わりがかなり激しいときた。そのうえ複数の敵が1度に出現すると、波状攻撃が続く。このとき回避とパリィでしっかり身を守らなければ、ボコボコにされてしまう。
そのため、アクションゲームに慣れていないと、最初のうちは苦戦を強いられる場合があるかもしれない。ただ、装備品やレベルアップの恩恵は大きい。さらに、バトルを構成する要素自体もシンプルな方だ。キャラ育成のためにザコ戦を繰り返すうち、自然と基本的な動作が身に付くと思う。
バトルがハイスピードなので、どのタイミングで攻撃に切り返すかを常に思案しながら立ち回るわけだが、この攻防戦にプレイヤーの感覚がぴたりとハマれば、ガンガン攻め立てていける。
例えるなら仮にバトルの中にリズム感があるとして、それを掴んだ途端“完全にプレイヤーのペースに切り替わる”ような手応えと言うべきか。プレイヤーとキャラクターに一体感が生まれ、いわゆる「俺ツエ──!」な状態が続くのだ。
敵に持てる攻撃手段を絶え間なく浴びせ続けていると、いつの間にか倒れていて戦闘終了……なんてことが度々起きる。「あれ、倒しちゃった」と、よりレベルの高いバトルを渇望する自分がいた。
本作はアクションRPGの中でもかなり「アクション」寄りのタイトルだと言えるだろう。
それでも一度慣れてしまえば、コンテンツの推奨レベルを多少下回っていても、プレイヤースキルだけで強敵への勝算がじゅうぶん見込めるバランス感だと感じられた。決してハードルが高いとは思わないので、アクションが苦手な人にも触ってみてもらいたい。
“クセ”あり過ぎる冒険者たちの見た目に騙されるな
キャラクターもみんな意外性があって記憶に残る。
たとえば、メインヒロイン(?)のシオンは、潜空艇(飛空艇)「ウィーバーウェル」のブレイカーたちを取り仕切るリーダー的なポジション。ただ、ことあるごとになぜか「物理」で問題を解決しようとする脳筋娘である。そして、ケチくさい。
力業で問題の多くが解決できるわけはなく、大体が裏目に出る。「それでもリーダーか!」とツッコミを入れたくなる気分だ。
ちなみに彼女のバトルスタイルは、スタッフを用いて炎を操る魔法に長けた戦術である。そんな彼女が、なぜ物理で解決しようとするのかは誰にもわからない……。
普通にさえしていれば、正統派のメインヒロインだとは思う。ただ、劇中では前述した奇行が殊更に目立つ。周りのキャラもそれを見ているプレイヤーもとにかく困惑せずにはいられない。本当に力任せの衝動にさえ駆られなければ普通の少女なのだが。
続いて紹介したいのが湿度の高そうなイケメン男子、クリスティアン。
「ウィーバーウェル」では、主に情報収集を担当する人物だが、斥候兼暗殺者というやや物騒な肩書を持つ。諜報活動に長けており、日頃アングラな領域での情報収集を行うことから疑り深い一面を見せる。


バキバキに鍛え抜かれた肉体をピチピチのインナーで強調しているところを見るに、どことなくナルシストの気配が漂う。その容姿とダウナーな話し方から、なんとなくキザっぽい印象を持たれそうだが、じつは自分の非をしっかり認めて反省できる人である。
「人は見かけによらない」とはこのことなのかもしれない。ごめん、クリスティアン。
最後に紹介するのが、内気な美少女のエルカだ。自信なさげでいつもおどおどしているのがかわいい。
作中でもめずしい竜人族の少女であり、ひょうんなことからプレイヤーたちの冒険に同行することになるのだが、この見た目で一人称が「ボク」なのである。
……一人称が「ボク」なのである(2回目)。


「守ってあげたくなるで賞」を進呈してあげたいエルカ。彼女がどんな想いを抱えて冒険に同行するのかは、ぜひともゲームで実際に確認してほしいところだ。
ひとつ重要なのは、属性モリモリのあざといかわいさがあったとしても、決して猫かぶりなキャラクターではないということ。
ゆえに、奥義を使うとその変貌ぶりが怖い。
伏線や前フリなどもなく、戦闘中に奥義を使うと竜人族の凶暴性が突如発露するため、初見ではビビるしかなかった。
さて、ここまで紹介したように、ひと目見ただけでは想像できない“ギャップの意外性”がどのキャラクターにも備わっている。非プレイアブルキャラクターや街の人々など、登場人物がみんな妙に個性が強いのも個人的なイチオシ。
そんなわけで、『リミットゼロ ブレイカーズ』は筆者の期待値をいい意味で裏切ってくれたタイトルだった。当然のことながら、開発中ということもあり、まだまだ伸び代を感じる箇所は多い。
少なくとも、プレイ前の筆者のように「最近よく見るタイプのゲームでしょ?」と思っている人ほど、触ってみれば、また違った感想を抱くだろう。気づけば「なんかイイじゃん」とこの世界にのめり込んでいく可能性だってじゅうぶんある。
今回のクローズドβテストを機に、『リミットゼロ ブレイカーズ』がどれだけブラッシュアップされ、王道ファンタジー好きのユーザーのもとに届くことになるのか、見守っていきたい。
































