世の中にはさまざまな仕事がありますが、その中でも「病院経営」というのは極めて重要な使命を担う仕事と言えるのではないでしょうか。
医師を含むスタッフを雇い、設備を整え、資金をやりくりしながら、次々と訪れる患者さんを診察・治療していく。
経営者として病院を存続させなければならない一方で、なによりも優先すべきは人の命! 観葉植物をひとつ部屋に置いて面倒を見ることすらギリギリだった身からすると、考えただけでも胃が痛くなってきます。
そんな病院経営という重大な仕事を、このたび筆者が任されることになりました。
が、もちろん現実の話ではありません。
今回プレイするのは、病院経営シミュレーション『ツーポイントホスピタル:ハートフルコレクション』。
医療の知識は当然のこと、経営の知識もゼロ、さらにはシミュレーションゲームのプレイ経験も乏しいという人間ではありますが、志だけは敏腕病院経営者です。よし、地域住民から愛される理想の病院を作り上げるぞ!
と意気込んで始めてみたものの……
そんな甘いものではありませんでした。
無計画にあれこれ作ったら人手不足で立ったまま待たされる患者さんの行列ができてしまってクレームが入ったり、慌ててスタッフを増やしたら当然ながら人件費も増えて経営難に陥ったり。あっちを立てればこっちが立たず。
「病院」であると同時に「経営」でもあるので、ただ治療のことだけ考えていればいいわけではないのですね。病院経営、思っていたより何倍も大変だぞ……!
しかし、それだけに試行錯誤が上手くハマったときの達成感もひとしお。
自分なりに考えて整えた病院がきちんと機能し始めて、患者さんが健康になり収支の方も安定していく様子を眺めているとなんとも気持ちがいいものですね。
でも……
なんかこの病院、変じゃない……?
※この記事は『ツーポイントホスピタル:ハートフルコレクション』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
患者さんを救うだけでは病院は回らない。スタッフの満足度や資金繰りなどにも絶妙なバランスが求められる病院経営の奥深さ
「病院経営シミュレーション」と聞いて、まず不安に思ったのは「医療に関する専門的な知識が必要なのでは?」という点。
筆者はそういった知識をまったく持ち合わせていないので、そもそも病院になにがあって誰が必要なのかすらわかっておりません。もはや医療知識というより一般常識の欠如です。
しかし本作のチュートリアルはとても親切で、「まずは診察室を作ろう」「医師を雇用しよう」といった具合に、案内役のキャラが病院経営のイロハを懇切丁寧に教えてくれます。病院に関してもシミュレーションゲームに関しても無知な筆者にとって、この親切なチュートリアルはすごくありがたい!

必要な施設や設備を整え、適切なスタッフを配置していけば、あとは彼らがしっかり診察・治療してくれます。つまり医療の素人であっても問題なし。危惧していた「プレイヤーに医療知識がないせいでゲーム進行に支障が出る」といったような事態は起こらないので、どんな方でも心配ご無用。
とはいえ、じゃあ適当にやっても上手くいくのかというと決してそんなヌルゲー仕様ではなく、考えなしに好き放題やっているとあっという間に経営難に陥り、人の命を預かる施設とは思えないほど金欠になってしまいます。
優秀な人材を片っ端から採用して高い給料を支払っていれば、それだけ人件費も膨れ上がってしまうため、病院の規模や懐事情と相談しながら人員を調整していくのもまた奥深いポイントです。

さらに頭を悩ませるのは、お金の問題だけではありません。
待ち時間が長くなると、当然ながら患者さんたちから容赦なく低評価を叩きつけられます。夢中で設備を増やし続けて雇用の方をおろそかにしていると、人員が不足して「体調不良の患者さんたちが無人の部屋の前で待ちぼうけをする」といったような由々しき事態が発生することも。

そういった問題を解決せずにモタモタしていると……
無慈悲なことに患者さんは病院内で亡くなってしまいます。
そのように亡くなった患者さんは霊体となることも。
「人員不足という経営者による初歩的ミスが原因で待ちぼうけを食らって死亡」なんて、無念どころの騒ぎではないので、そりゃ現世への恨みが募って霊にもなるわという話ですね。


その場合は病院内がパニックに陥るため、霊を捕獲できる資格を持った管理スタッフを連れてきて除霊してもらう必要があります。オバケに追いかけ回される病院なんて、たまったもんじゃないから速やかに対処しないとね。
とか言っていたら火事が発生!! どうなってんだこの病院は!!
また、患者さんだけでなく病院を支えてくれるスタッフたちも当然不満を持つことがあり、待遇や職場環境に問題があると、最悪の場合は辞職されてしまう場合もあります。

そのため、スタッフたちがしっかりと疲れを癒せる「スタッフルーム」は必須。いい病院というのはまずホワイトな環境あってのものですからね。

とはいえ、あまり甘やかしすぎるのは考えもの。
というのも、部屋が無人になってしまい大勢の患者さんたちをお待たせしててんやわんやな状況な時に、ふとスタッフルームに目をやると……
暇そうにしてるやつらがいる。
ステータス部分で「自分の仕事を探している」などとほざいてるけど嘘をつくな嘘を!! スーパー銭湯の休憩スペースにいるオッサンくらいくつろいでんじゃねえか!!
ちなみに経営者権限として院内にいる人間は持ち上げて移動させられるので、こういった場合はサボってるスタッフを必要な部屋にブチ込んで強制労働させることが可能です。
スタッフには気持ちよく働いてもらいたいけど、病院の経営も成り立たせなければならないので時には鬼にならないといけない。そしてなにより患者さんに満足してもらいたい。
それぞれのバランスを絶妙に保ちながらやりくりしていく必要があり、これがなかなか難しい!
しかし、だからこそ試行錯誤する楽しさがあり、自分の采配によって少しずつ病院が上手く回り始めたときの達成感も格別です。経営シムって奥深いな……!

ある人は頭が電球に。ある人は全身ピエロに。次々と現れる奇病とトンデモ治療にツッコミが追いつかない
そんなこんなで資金繰りに頭を悩ませたり、スタッフの不満を解消したり、患者さんからのクレームに対応したりと病院経営に奔走していた筆者。とにかく目の前の仕事を片付けることに必死だったのですが、しばらくプレイしたところで、ふとあることに気が付きました。
なんか患者さんの頭、電球になってない?
いったいなにごとかと焦ったのですが、これは「白熱頭症」という奇病によるものでした。なんでも「ひらめきすぎか、なにかに白熱しすぎか、原因はさまざま」とのこと。原因がフワッとしているわりに症状が深刻すぎるだろ!
これどうやって治療するの?というか治るのか?と不安に思いつつ見守っていると、白熱頭症の患者さんが専用の装置に座らされ、
白熱電球になった頭を取り外し、
人間の頭部を付け替え、
完治。
異常をきたした頭部はまるまる交換するという、まさかの某パンのヒーローと同じ治療法でした。それでいいんだ。
こういった奇病はこれだけにとどまらずいろいろとあるのですが、上記のとおりそれらは症状だけでなく治療法も負けず劣らず個性的。たとえば無意識に頭になべをかぶってしまうという「病みなべ症」であれば、治療法は「強力な巨大磁石を使ってなべを取り除く」。

心身ともにピエロになっておどけた動きをしてしまう「ピエロ・コンプレックス」の患者さんに対しては、「ユーモア除去装置」を使ってユーモアセンスを削ぎ落とすことで治療完了……といった調子でメチャクチャです。

個人的にいちばんのお気に入りは「ロックでなし病」。

これに罹ると「自分自身をロックスターだと思い込むようになってしまう」というこれまたおかしな病気なのですが、見た目がかわいいので治療してほしくないくらいです。
ちなみにこちらの病気の治療法はというと、
精神科による診療。
いきなり生々しいよ。それで言ったら頭になべかぶってるやつも日常生活からピエロでいるやつもみんな様子がおかしいだろ! なんで自認ロックスターだけ頭おかしい扱いなんだ!

これらの治療の様子は実際に院内で眺めることができるため、その様子を見るのがまた楽しいです。
最初は経営するだけでいっぱいいっぱいで、患者さんの症状や治療法などをじっくりと見る余裕がなかったのですが、一度この異様さに気がついてからはもう病院経営そっちのけで治療風景を観察するようになってしまいました。
意味わからん人が意味わからん治療されて元気に帰っていくの、意味わかんなすぎておもしろい。
じゃあ見た目が普通の患者さんは一般的な病気を患っているのかというと、そんなことはまったくありません。たとえばこちらの人は一見普通ですが、抱えている病気は「オーバー風呂ー症」。名前を聞いてもなんのこっちゃかわからんと思いますが、体から水があふれそうになるという症状らしい。
ほかにも、患者さんの病気を確認してみると「不平不満ション病」や「寝グセ症候群」、「自撮り貴族病」など、どれもこれもネーミングからしてキテレツなものばかり。その数なんと180とのこと。
しかし、こうして実在しない奇病ばかりが登場するからこそ、プレイヤー側に医療知識がまったく必要ないというのも本作の面白いところです。
これが現実に存在する病気を扱うゲームだったら、「この症状なら何科を受診するべき?」「この病気にはどんな検査や治療が必要?」といった医学的な知識が求められそうなところなのですが、すべて架空の病気なので無問題。
記事の序盤に「親切なチュートリアルがあるので、プレイヤーに医療知識がなくても大丈夫」と書きましたが、全プレイヤーが平等に何も知らないところからスタートするので医療知識の有無はそもそもあまり関係ないのかもしれません。頭になべをかぶってしまう病気の正しい治療法なんて誰も知らないので。

表面上はゲラゲラ笑えるバカゲー、なのに中身は真面目な病院経営シミュレーション。正反対のような要素が奇跡の同居
「病院」という題材だけを聞くと、どうしてもシリアスで緊張感のある雰囲気を想像してしまいますが、本作においてはこの奇想天外すぎる要素によって、病院を舞台にしているとは思えないほど全体的に明るくユーモラスな雰囲気に仕上がっております。
患者さんを死亡させてしまったときでも、ふと院内に目を向ければ自認ロックスターの人が軽快に練り歩いていたりするので、いい意味で深刻になりきれないのもありがたいところ。
とはいえ、本作は「愉快なおバカゲー」にとどまるゲームではありません。記事前半でも触れた通り、その土台にあるのは非常に奥深い病院経営シミュレーションです。
画面内では頭が白熱電球になった人や謎のピエロがウロウロしておりますが、プレイヤーがその裏で考えるべきことは「限られた資金でどの設備を整え、どんなスタッフを雇い、どこに配置するのか?」「増え続ける患者さんを効率よく診察・治療するために院内の動線をどうすべきか?」といった感じで意外なほどロジカルです。
そんな真面目な経営シミュレーションと、ゲラゲラ笑いながら観察したくなるようなバカゲー的な世界観という、一見すると正反対にも思えるふたつの要素が絶妙に同居しているのが本作最大の魅力です。

笑えて、悩めて、気付けば夢中になっているという、そんなヘンテコ病院経営が気になった方はぜひ一度遊んでみてください!『ツーポイントホスピタル:ハートフルコレクション』は9月16日23時よりデジタル版が発売。現在ウィッシュリスト登録受付中です。















