いま読まれている記事

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた。Rebel WolvesにGOG、Flying Wild Hogや11 bit studiosの会社訪問や現地イベント「PGA」など盛りだくさんな「ポーランドゲーム業界見聞録」をお届け

article-thumbnail-261106s

1

2

3

4

5

展示ブースは大盛況。ゲラルトにも会えたゲームイベント「PGA」の会場を紹介

ここからは、ポズナンにて開催されていたゲームイベント「ポズナン・ゲーム・アリーナ(Poznań Game Arena、略してPGA)」の会場の模様をお届けしよう。

コンベンションセンターのホールを貸し切りで開催されていた本イベントは、中・東欧最大級のゲーム・マルチメディア展示会と位置付けられる催しだ。今回で記念すべき20回目の開催を迎える。

ゲーム、テクノロジー、eスポーツ、ポップカルチャーが一堂に会するイベントで、最新ゲームやハードウェアが出展されるほか、eスポーツ大会やコスプレ大会、インディーゲームコーナーなどさまざまなブースが展開される。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_048
会場のマップ。(画像はPGA公式サイトより)
『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_049
車の展示の横で対戦ゲームに熱中する来場者。
『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_050
ホール間をつなぐ通路の様子。多くのゲームファンが駆けつけていた。

会場でとくに印象的だったのが、ゲーミングPCや周辺機器の展示が多かったこと。

どうやらポーランドでもeスポーツ系のタイトルの人気が高いようで、若者を中心に会場のあちこちでゲーマーたちが豪華なPCで対戦に興じたり、最新モデルの性能を確認している姿が見られた。

また、ヨーロッパらしくサッカーゲーム『EA Sports FC』をプレイする来場者の姿もあちこちで見られた。本作はとくに、若年層からの人気が高いようだ。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_055

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_056

少し分かりにくいが、2枚目の画像の奥ではプレイヤー同士の対戦が行われており、観客席にギャラリーが集まっていた。

ここまでサッカーゲームが人気なゲームイベントというのは、日本のゲーマーにとっては新鮮なのではないだろうか。

そしてメーカー出展ブースには任天堂、バンダイナムコなど日本のゲームの姿も。『リズム天国 ミラクルスターズ』や『スプラトゥーン レイダース』に『ドラゴンボール ゼノバース3』や『エースコンバット8』など、日本の話題作はポーランドの地でもしっかりと注目を集めていた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_057

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_058

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_059

そして、こちらもヨーロッパらしくシミュレーター系も人気。とくに『Euro Truck Simulator 2』のブースは多くの人だかりができていてブース内の写真撮影が困難なほどであった。

ゲームイベントにおける本作のブースの「お約束」ともいえる巨大なトラックも登場。かなりの存在感を放っていた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_060

gamescom会場では巨大なトラクターを展示していた『Farming Simulator』。ここPGAのブースには妙にリアルな牛がいた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_061

そして、意外と盛況だったのがレトロゲームを体験できるコーナー。ブラウン管のTVにレトロコンソールや互換機を接続して自由に遊べるエリアに多くの人だかりや順番待ちができていた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_062

レトロPCゲームを遊べるコーナーでも、老若男女が温かみのあるゲーム画面を見つめていた。どうやら、名機「Amiga 1200」を復刻した製品である「THE A1200」の実機を体験できるコーナーのようだ。

画面を見てどのゲームかわかった方は相当なゲームマニアだと言えるかも?

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_063

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_064

こちらはポーランド・インディーゲーム財団のブース。国内のインディーゲームや小規模開発者を支援する団体だが、ゲーム産業が伸びているだけあって、インディーゲームも活発なようだ。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_065

そして、こちらは『ウィッチャー3』のブースで来場者と記念撮影していたゲラルトさん。ポーランドを代表するキャラクターというだけあって、さすがの人気ぶりであった。

つまり、「本場のゲラルト」である!

彼に会えたということが、今回の取材のいちばんの思い出かもしれない……

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_066

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_067

ちなみに、会場には後ほど紹介するCEEGAの授賞式も行われたステージも設置されていたのだが、『ウィッチャー3』の新拡張『追憶の調べ』に関するトークイベントも行われていた。

やはりトップクラスに注目度の高いイベントだったようで、かなりの数の観客がステージ上の会話に耳を傾けていた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_068

そして、会場でひときわ異彩を放っていたのが、「HIRO」というポーランドのゲーミングPCブランドのブースに展示されていた「変態カスタムPC」たち。エイリアンやバイク、果ては鎧騎士まで、無骨な銀のボディに緻密な装飾が施されたPCが来場者の視線を集めていた。

以上、ざっくりとではあるがPGA会場の模様をお届けした。実際に初めて現地を回った所感としては「けっこうすごいぞ!?」という印象だ。

会場の大きさや規模はそこそこといった感じだが、現地を訪れたゲーマーたちのエネルギーや和気あいあいとした盛り上がりぶりは各地の大型イベントに負けず劣らずといった感じだ。

前述の通り、PGAは今年で20回目を迎えている。古都ポズナンで開かれるオタクの祭典は、今後もゲーマーたちを明るく迎え入れていってくれることだろう。

中・東欧のゲームを称えるアワード「CEEGA」を現地で見てきた

そして、PGA会場のシアターにて開催初日の現地時間10月23日夕方に行われたのが、「CEEGA(Central & Eastern European Game Awards)」の授賞式だ。

本アワードはその名の通り、中央・東ヨーロッパで制作されたゲームを対象としたもの。ビジュアルアート、オーディオ、ナラティブ、そして大賞に当たるベスト・ゲームなど10のカテゴリで優れたゲームたちに賞が与えられた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_073
会場の模様。欧州の人にとってはかなり注目度が高いようで、座席は満席となっていた。

なお、華やかな授賞式の模様はYouTubeのアーカイブ動画でも確認できるので、気になる方はそちらも参照していただきたい。

それでは以下、今年の栄えある受賞作品を紹介していこう。

ビジュアルアート部門

受賞:『MOUSE:やとわれの探偵』 Fumi Games(ポーランド)

ノミネート:
『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』 Hangar 13(イギリス、チェコ)
『REPLACED』 Sad Cat Studios(キプロス)
『Rue Valley』 Emotion Spark Studio(セルビア)

オーディオ部門

受賞:『Cronos: The New Dawn』 Bloober Team(ポーランド)

ノミネート:
『METAL EDEN』 Reikon Games(ポーランド)
『REPLACED』 Sad Cat Studios(キプロス)
『Rue Valley』 Emotion Spark Studio(セルビア)

デザイン部門

受賞:『REPLACED』 Sad Cat Studios(キプロス)

ノミネート:
『崩壊都市』 All Parts Connected(リトアニア)
『Starminer』 CoolAndGoodGames(スロベニア)
『StarRupture』 Creepy Jar(ポーランド)

Code: The Rights — Grand Prize

受賞:『Phonopolis(フォノポリス)』 Amanita Design(チェコ)

Code: The Rights — Special Prize

受賞:『LIBERATED』 Atomic Wolf(ポーランド)

ナラティブ部門

受賞:『REPLACED』 Sad Cat Studios(キプロス)

ノミネート:
『Cronos: The New Dawn』 Bloober Team(ポーランド)
『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』 Hangar 13(イギリス、チェコ)
『Rue Valley』 Emotion Spark Studio(セルビア)

テクノロジー部門

受賞:『Dying Light: The Beast』 Techland(ポーランド)

ノミネート:
『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』 Hangar 13(イギリス、チェコ)
『REPLACED』 Sad Cat Studios(キプロス)
『Ukrainian Fight Drone Simulator』 Simtech Solutions(ウクライナ)

Hidden Gem(隠れた名作)部門

受賞:『Don’t Sleep With The Fishes』 Taiki(ハンガリー)

ノミネート:
『キャットアイランド』 domkegames、pixelduckoo(リトアニア)
『Loot Loop』 BitBrew(ポーランド)
『TROLEU』 andrground(モルドバ)

モバイルゲーム部門

受賞:『Off The Road 2』 DogByte Games(ハンガリー)

ノミネート:
『アルファベットの挑戰状』 Giorgi Abelashvili, Elene Abelashvili, Giga Putkaradze(ジョージア)
『Highway Heroes』 Pixel Federation(スロバキア)
『Uanamon: Hero Ranking Survivor』 Wowky Games(ウクライナ)

Best Game部門

受賞:『REPLACED』 Sad Cat Studios(キプロス)

ノミネート:
『Cronos: The New Dawn』 Bloober Team(ポーランド)
『Dying Light: The Beast』 Techland(ポーランド)
『マフィア:オリジン ~裏切りの祖国』 Hangar 13(イギリス、チェコ)

以上が、今年の「CEEGA2026」で発表された受賞作の数々だ。Best Game賞を受賞したサイバーパンク・アドベンチャー『REPLACED』は計6部門にノミネートし、3つの部門で受賞するという快進撃を見せた。

それ以外にも、中・東欧のさまざまな国で生み出された作品がノミネート・受賞しているのがお分かりいただけるかと思う。

『Dying Light: The Beast』のようなAAA級の作品から、『Don’t Sleep With The Fishes』のような個人開発者による作品まで、ノミネート作品は国籍も規模も多種多様だ。ふだん日本でゲーマーをやっているとどうしてもメジャーな作品の情報ばかり追いかけてしまいがちになるが、これらの国や地域でもゲーム文化というものは確実に存在し、成長しているのだということを感じた。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_074
Best Game賞を獲得した『REPLACED』の開発者には会場から惜しみない拍手が贈られた。

最後に、授賞式の興奮冷めやらぬ中でポーランドの文化・国家遺産大臣であるMarta Cienkowska氏にいただいたコメントを引用して、本文の締めくくりとさせていただこう。

(ポーランドのゲームは)世界中でもっとも美しく、没入感のあるゲームのひとつです。私たちの国の開発者は真のアーティストであり、ポーランドから無数の世界へと旅立つ価値を十分に持っています。

ですから、ぜひポーランドで私たちの取り組んでいることを見ていただき、ポーランド産のゲームを購入してプレイしていただきたいと思います。

Marta Cienkowska氏(ポーランド文化・国家遺産大臣)


さて、非常に長くなってしまったが、ここまでが今回の「ポーランドゲーム業界見聞録」にて筆者が体験した内容となる。

行政関係者からのプレゼンに始まり、4つのスタジオ訪問を経てポズナン・ゲーム・アリーナ(PGA)にお邪魔したのち「CEEGA2026」の授賞式を現地で鑑賞するという、非常にぜいたくなプログラムとなった今回の取材。

総評して胸に抱いたのが、ポーランドはゲームに対して「思ってた以上に“ガチ”」だったぞ……という感想だ。

行政や国を挙げてゲーム業界を支援し、価値のある作品を作り上げて国外に届けるのだという気概が今回の取材で話を聞いた方々からひしひしと感じられた。

そして、そのような支援の手は著名なスタジオだけでなく、小規模のインディー開発者にも向けられている。それは今回のPGAでのインディーゲーム財団ブースの盛況ぶりを見て確かめることができた。

言わずと知れたCD PROJEKT REDにくわえて、今回お邪魔させていただいたRebel WolvesにFlying Wild Hog、そして11 bit studiosと、ワルシャワを中心に盤石の態勢を築きつつある現地のゲーム業界。さらに古き良き作品の保存を理念として掲げるGOGも合わされば、これはもう「ゲーム大国」と呼んでもおかしくないレベルなのでは?

もっとポーランドゲーを遊びたい……

取材を終えて、シンプルに強くそう思わされた。そういう意味では、「ポーランドのゲームを知ってもらいたい」という主催者側の狙いは、見事に達成されたといわざるを得ないだろう。

ジェンクイェ、ポルスコ!
(ありがとう、ポーランド!)

……ちなみに、ポーランド語は外国人泣かせのめちゃムズ言語なため、滞在中は翻訳アプリ必須でした。

『ウィッチャー』だけじゃない。いま、“ポーランド産ゲーム”がアツいらしいので、現地に行って確かめてきた_075
ワルシャワ旧市街広場に設置された同市のシンボルである人魚像。

1

2

3

4

5

編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ