いま読まれている記事

テーブルトークRPGの名作『ルーンクエスト』初となるビデオゲーム化が発表。ビデオゲームでフィギュアを用いるユニークなゲームを制作したスタジオが開発

article-thumbnail-190313e

 RPG、ボードゲームの出版社ケイオシアムは、テーブルトークRPGの古典『ルーンクエスト』のビデオゲーム化発表した。開発はダブリンに拠点を置くスタジオBlack Shamrockが手掛ける。プラットフォーム、発売日は明かされていない。

 『ルーンクエスト』のビデオゲームは、背景世界グローランサを舞台にしたシミュレーションゲーム『King of Dragon Pass』があるが、『ルーンクエスト』そのものがビデオゲーム化されるのは今回が初となる。

テーブルトークRPGの名作『ルーンクエスト』初となるビデオゲーム化が発表。ビデオゲームでフィギュアを用いるユニークなゲームを制作したスタジオが開発_001
(画像はRuneQuest – RuneQuest Glorantha – Chaosium Inc./a>より)

 『ルーンクエスト』はゲームデザイナーのグレッグ・スタフォード氏を中心に制作され、1978年にケイオシアムから発売された。しばしばリアル志向のルール体系と呼ばれており、命中部位、独自の時間コストの概念など、ゲームのメカニズムがより複雑になっている。

 特定の役割を選ぶ必要がなく、出自によってキャラクターの能力が決まる。たとえば魔法を使える戦士など、万能キャラクターを作ることもできる。こういうキャラクターは何かに突出して秀でているわけではないが、より柔軟性のあるプレイが可能となる。こういったさまざまなルールによって、プレイヤーはゲームで行いたいことが、より適切に表せるようになっているのだ。

テーブルトークRPGの名作『ルーンクエスト』初となるビデオゲーム化が発表。ビデオゲームでフィギュアを用いるユニークなゲームを制作したスタジオが開発_002
(画像はRuneQuest – RuneQuest Classic – Chaosium Inc.より)

 背景世界グローランサは多神教の世界で、神々はしばしば対立し、背景には壮大な神話体系があるのが魅力のひとつとなっている。今回のビデオゲーム化でもこのグローランサが採用されることが判明しており、どのようにビデオゲームに落とし込まれるかが気になるところだ。

 開発に携わるBlack Shamrockは、2015年に設立したばかりのスタジオ。2019年4月25日に日本で発売が予定されているユービーアイソフトの『スターリンク バトル・フォー・アトラス』を開発した会社として知られている。

 このゲームはコントローラーにフィギュアを直接装着し、ゲーム内の機体や武器を連動させるという、非常にユニークなゲーム。今回の『ルーンクエスト』のビデオゲーム化も、そういった実際のフィギュアをビデオゲームで用いるなど、何か変り種の仕掛けを用意してくるかもしれない。

 テーブルトークRPGのビデオゲーム化は近年注目されており、ユニークに発達したルールや独自の世界観を、ビデオゲームで採用しようという動きがある。ケイオシアムはテーブルトークRPG『クトゥルフの呼び声』を出版した会社としても知られ、それを原作としたビデオゲーム化した『コール・オブ・クトゥルフ』が日本では2019年3月28日に発売する。

 他にもCD Projekt REDの超大作『サイバーパンク2077』は、テーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』が原作である。

 そういった一連の流れのなかで古典中の古典『ルーンクエスト』のビデオゲーム化が発表されたことは、この流れにさらなる拍車をかけるかもしれない。ビデオゲームはプレイするが、テーブルトークRPGは触ったことがないという人は、この機会に魅力的な世界な一端に触れてみてはいかがだろうか。

ライター/福山幸司

関連記事:

現実世界でクトゥルフ邪神の降臨を目指す!? 脱出ゲームでチャンバラでTRPG…リアルゲームLARPを初心者にもわかるように解説【LARPイベント体験レポ】

なぜあんなにマイナーだった『クトゥルフ神話TRPG』は女性がプレイするほどメジャーなTRPGになったのか?『クトゥルフ神話TRPG』【ホラゲレビュー百物語】

ライター
テーブルトークRPGの名作『ルーンクエスト』初となるビデオゲーム化が発表。ビデオゲームでフィギュアを用いるユニークなゲームを制作したスタジオが開発_003
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ