RPG、ボードゲームの出版社ケイオシアムは、テーブルトークRPGの古典『ルーンクエスト』のビデオゲーム化を発表した。開発はダブリンに拠点を置くスタジオBlack Shamrockが手掛ける。プラットフォーム、発売日は明かされていない。
『ルーンクエスト』のビデオゲームは、背景世界グローランサを舞台にしたシミュレーションゲーム『King of Dragon Pass』があるが、『ルーンクエスト』そのものがビデオゲーム化されるのは今回が初となる。
『ルーンクエスト』はゲームデザイナーのグレッグ・スタフォード氏を中心に制作され、1978年にケイオシアムから発売された。しばしばリアル志向のルール体系と呼ばれており、命中部位、独自の時間コストの概念など、ゲームのメカニズムがより複雑になっている。
特定の役割を選ぶ必要がなく、出自によってキャラクターの能力が決まる。たとえば魔法を使える戦士など、万能キャラクターを作ることもできる。こういうキャラクターは何かに突出して秀でているわけではないが、より柔軟性のあるプレイが可能となる。こういったさまざまなルールによって、プレイヤーはゲームで行いたいことが、より適切に表せるようになっているのだ。
背景世界グローランサは多神教の世界で、神々はしばしば対立し、背景には壮大な神話体系があるのが魅力のひとつとなっている。今回のビデオゲーム化でもこのグローランサが採用されることが判明しており、どのようにビデオゲームに落とし込まれるかが気になるところだ。
開発に携わるBlack Shamrockは、2015年に設立したばかりのスタジオ。2019年4月25日に日本で発売が予定されているユービーアイソフトの『スターリンク バトル・フォー・アトラス』を開発した会社として知られている。
このゲームはコントローラーにフィギュアを直接装着し、ゲーム内の機体や武器を連動させるという、非常にユニークなゲーム。今回の『ルーンクエスト』のビデオゲーム化も、そういった実際のフィギュアをビデオゲームで用いるなど、何か変り種の仕掛けを用意してくるかもしれない。
テーブルトークRPGのビデオゲーム化は近年注目されており、ユニークに発達したルールや独自の世界観を、ビデオゲームで採用しようという動きがある。ケイオシアムはテーブルトークRPG『クトゥルフの呼び声』を出版した会社としても知られ、それを原作としたビデオゲーム化した『コール・オブ・クトゥルフ』が日本では2019年3月28日に発売する。
他にもCD Projekt REDの超大作『サイバーパンク2077』は、テーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』が原作である。
そういった一連の流れのなかで古典中の古典『ルーンクエスト』のビデオゲーム化が発表されたことは、この流れにさらなる拍車をかけるかもしれない。ビデオゲームはプレイするが、テーブルトークRPGは触ったことがないという人は、この機会に魅力的な世界な一端に触れてみてはいかがだろうか。
ライター/福山幸司