Naughty Dogは、2月21日発売予定の『The Last of Us Part II』(以下、TLoU2)にマルチプレイモードが搭載されないことを正式に発表した。もともとは前作同様、マルチプレイを搭載する予定だったが、開発が進むにつれて『TLoU2』は同社のもっとも野心的なシングルプレイキャンペーンを実現するために難しい決断に至ったという。
ただし、開発チームはマルチプレイへの野心を捨てておらず、いつ、どこで実現するかは決定していないとしながらも、将来的に『TLoU2』以外の何らかの形で成果を示すとしている。
An update regarding multiplayer: pic.twitter.com/CUd98LgJGC
— Naughty Dog (@Naughty_Dog) September 27, 2019
ここ近年のNaughty Dogの過去作品には、2009年の『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』(Uncharted 2)から『アンチャーテッド』シリーズならびに『The Last of Us』まで、シングルモードに付随する形でマルチプレイモードが搭載されてきた。
『The Last of Us』に搭載されていたのは、ファイアフライかハンターのどちらかの勢力に所属し、資源を集めながら12週間を生き延びるというルールのモードだ。1日がマルチプレイの一試合に相当するため、1周は84戦という計算になる。リスポーン回数がチーム全体で20回に制限されたチームデスマッチ「資源争奪戦」、リスポーンなしで戦うラウンド制のチームデスマッチ「生き残り戦」、そしてステージに隠された金庫を解錠する「金庫争奪戦」と、さらに3つのルールが用意されている。
※2013年6月に公開された『TLoU』のマルチプレイトレイラー。
E3 2018では、海外メディアGamestopのインタビューにて、Naughty Dogの共同ディレクターのアンソニー・ニューマン氏は、新作でも同様のマルチプレイモードが搭載されると語っていた。そこから約1年間の開発の間でマルチプレイモード搭載を断念したようだ。
この件に関して、リードゲームデザイナーのエミリアシャッツ氏は海外メディアUSGamerに対して、「『TLoU2』はシングルプレイ体験に焦点を当てているため、シングルプレイゲームを作っています」と語っている。
Twitterの『TLoU』公式アカウントへは、ユーザーから失望したという意見があれば、『TLoU』はシングルプレイ重視のゲームだったから気にしないという声もあり、賛否両論の意見が届けられている。一方の勢力に属し、マルチプレイの成績から自勢力の未来が決まるというルールは、『TLoU』の世界にも合致しておりファンが多いことも事実だ。
少なくとも2018年までのマルチプレイ開発のノウハウも蓄積していることも間違いなく、Naughty Dog自身も何らかの形で成果を形にすることにも前向きだ。今後マルチプレイに関してファンを安心させるような何らかの発表があることを期待したい。
ライター/古嶋誉幸