レジーの愛称で親しまれるNintendo of Americaの元社長レジナルド・フィサメィ氏が、「International Video Game Hall of Fame & Museum」の「ウォルターデイ生涯功労賞」を受賞したことが発表された。
フィサメィ氏はこの賞を「人々を笑顔にしてきたキャリア」と表現して喜びのツイートをしている。
氏は2004年のE3に「私はレジーです」と登場し、その後もさまざまな形でファンを喜ばせ、愛され続けた。上記の動画にはそんな氏の活動が紹介されており、ファンとのふれあいや『Wii Fit』のE3でのデモンストレーションで発言した「My body is ready.」、『スマッシュブラザーズ for WiiU』の発表で岩田社長と大乱闘を繰り広げるなど、思い出深い場面が取り上げられている。
「International Video Game Hall of Fame & Museum」は、アイオワ州オタムワに拠点を置く組織。博物館と名はついているが博物館自体はまだ建設されておらず、現在はビデオゲーム業界の中心的ゲーマーや業界のリーダー、そして功労者を表彰する団体として活動している。これまでの受賞者の中には宮本茂氏や小島秀夫氏、岩田聡氏など、日本からもビデオゲーム業界のリーダーが含まれている。
2019年にはフィサメィ氏のほか、世界で初めてスポンサードを受けた格闘ゲームプレイヤーであるライアン・ハート氏が90年代ゲーマー賞、90年代ゲーム賞として『スーパーマリオ64』、ゲーム開発者賞としてリチャード・ギャリオット氏らが受賞している。詳しいリストは公式サイトから確認してほしい。
生涯功労賞のタイトルにもなっているウォルター・デイ氏は、アーケードゲームとピンボールの世界初のギネス公式スコアキーパーとなったTwin Galaxiesの創設者だ。氏は81年頃に4ヶ月にわたって100を超えるゲームセンターを訪れ、ハイスコアを記録し続けた。ハイスコアは後にツインギャラクシーズナショナルスコアボードとして公開され、それを契機としてギネスワールドレコーズのビデオゲームのスコアを担当するアシスタントエディターとなった。氏の功績は「ギネス世界記録ゲーマーズエディション」の制作にも強く影響を与えているという。
2019年4月にNintendo of Americaを退職したフィサメィ氏は、家族の時間を大切にする傍ら、大学などに招かれて後進の育成に努めている。また、銃乱射事件を受けたトランプ米大統領による暴力的なビデオゲームの規制を必要とする指摘に対して、ビデオゲーム市場の大きさと銃の乱射事件の件数を比較し反論するなど、業界に対して関わりを持ち続けている。氏のNintendo of Americaでのキャリアは終了したが、ビデオゲーム業界への貢献は終わることは無いだろう。
ライター/古嶋誉幸