Klabaterは、Kraken Unleashedの開発するファンタジー酒場運営シム『Crossroads Inn』を10月15日に発売すると発表した。
プラットフォームはPC(Steam、GOG)で、すでにSteamではストアページが開設されている。サウンドトラックやゲームに登場する12個のオリジナルメニューのクックブックが付属するデラックスエディションが24.99ドル、ミニアルバムやミニクックブックが付属する通常版が19.99ドルで販売される。
ファンタジーな世界設定を持つ『Crossroads Inn』は、ゲーム中に登場する架空の大陸「デルクリス」を舞台にした酒場経営シムだ。プレイヤーは酒場の経営者として、訪れる人々に食事や宿を提供し、内装を整えたり、新しいレシピを生み出すことになる。
ゲームには大きく分けてふたつのモードが用意されている。ひとつは酒場の経営者として酒場の建設から運営までを無制限に続ける「サンドボックスモード」、もうひとつは王国の権力争いにより追放され酒場の子として引き取られた王子を王へと導く「ストーリーモード」だ。ストーリーモードはノンリニアで進行し、プレイヤーの行動によって12種類のエンディングが用意されているという。
プレイヤーの経営する酒場は3つの王国の国境に面しており、大陸最大の交易ルートが交差する地で経営されている。プレイヤーは数百種類も存在するさまざまなアセットを使い、酒場や来訪者が泊まる宿の設計を行うことができる。
酒場が完成すれば、今度は従業員だ。客と直接やりとりする給仕、キッチンを切り盛りする料理人、用心棒、あるいはポーカーテーブルで賭け事に熱中する客から財布を盗み取るスリまで、5種類のクラスが存在する。また、基本的な従業員のほか、客を楽しませる吟遊詩人や歌姫、酒場に有益なアイテムを探し回る冒険者も登場する。
訪れる客にはさまざまな背景が用意されており、所属する勢力も異なる。交易上重要なルートに位置する酒場のために入ってくる情報も多く、またその動向を監視する目も光っている。どういった勢力に肩入れするかも酒場経営者としての重要な決断だ。
また、デルクリスはそういった勢力を抱える3つの王国のパワーバランスにより、常に品物の価格や在庫が変動している。ある日、戦争に巻き込まれた取引先から連絡が途絶え、必要な物資が届かなくなるといったこともある。最善の交易ルートを押さえ、訪れる客に最高のもてなしを提供する酒場を目指さなければならない。
酒場だけに、登場する料理とレシピも数十種類に及ぶ。『The Witcher 3』や『The Elder Scrolls V: Skyrim』といったゲームにインスパイア、あるいは登場した料理を実際に作る「Nerds’ Kitchen」と協力しているのも、本作の大きな特徴だ。
Nerds’ Kitchenと協力して開発した12種類の料理はゲームでも“伝説的な一皿”として登場し、実際にキッチンで作ることもできる。前述のデラックスエディションに付属するクックブックは、Nerds’ Kitchenが開発した料理のレシピとなっている。
『Crossroads Inn』は酒場での酔っ払い客同士の騒動から陰謀渦巻く国家同士の争いまでを扱う壮大な経営シミュレーションゲームになりそうだ。ファンタジー世界での酒場の運営だけでなく、権力争いにより王位継承から追いやられた王子としての下克上まで目指せる本作は好きな人にはたまらない一本になるだろう。
ライター/古嶋誉幸