『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の売上げが全世界1571万本を突破したことがIR情報より判明し、公表されている範囲内の家庭用ゲーム機向け『ストリートファイターII』シリーズの総売上げ1475万本を超えたことが明らかとなった。同作は格闘ゲームではなく対戦アクションゲームと銘打たれているが、海外ではIGNやDigital Trendsによって「格闘ゲームでもっとも売れたタイトルになった」とも報道されている。
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』は昨年12月7日に発売されたNintendo Switch用対戦ゲーム。『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの6作目となり、初のNintendo Switch用のタイトルとなる。
本シリーズの最大の特徴は、任天堂が過去に発売したゲーム、さらには他社から発売したゲームから代表的なキャラクターが参戦して、ゲームタイトルの枠を超えて一堂に戦う点だ。さらに勝利条件が体力を奪うのではなく、ステージの外にはじき出すという特色を持っている。
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、これまでの過去シリーズに登場したすべてのキャラクターが一堂に介しており、集大成的な趣がある。さらにDLCで『ペルソナ5』、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S』、『バンジョー&カズーイ』、『餓狼伝説』から新たに参戦しており、ますます豪華な様相を見せている。
一方で『ストリートファイターII』は1991年にアーケードで稼動して、爆発的な人気を得たゲームのひとつだ。なめらかなアニメーション、上下のガードシステム、当時としては異例の多数のキャラクター、現代に渡る格闘ゲームの基礎を作り、ジャンルを普及させたビデオゲーム史に残る偉大なゲームといえるだろう。
『ストリートファイターII』はその後、スーパーファミコンへの移植を初めとして、さまざまな家庭用ゲーム機は移植されて、アーケードと同じく大ヒットを記録した。カプコンもIR情報で上位のソフトの売上げを公表しており、スーパーファミコン版『ストリートファイターII』の全世界の売上げは630万本となる。
また『ストリートファイターII』は多数のマイナーチェンジ版が発売されており、メガドライブで発売した『ストリートファイターII ダッシュプラス』が165万本、スーパーファミコンで発売した『ストリートファイターII’ TURBO』が410万本、同じくスーパーファミコンの『スーパーストリートファイターII』が200万本、海外向けでPS3とXbox 360で発売された『Super Street Fighter II Turbo HD Remix』が250万本、Nintendo Switchで発売している最新作『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』が450万本と公表されており、あわせて1475万本となる。
もちろん、アーケードでも稼働していた『ストリートファイターII』と家庭用ゲーム機専用の『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』を単純に比較することはできない。だが、EVOなどのイベントに長年登場している対戦ゲームのフランチャイズとして、昨年末に発売したばかりの『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が、長い歴史をもつ『ストリートファイターII』のコンシューマ版に相当する売上げを短期間で達成しているのは驚異的だ。DLC展開が待ち受ける『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のセールスは今後もさらに伸びていくと予想される。
ライター/福山幸司