SEGA Europeは、2月6日発売予定の『Total War: ROME II ─ Enemy at the Gates Edition』以降、リリースするすべてのPCゲームの物理パッケージの素材を、プラスチックから100%リサイクル可能な素材に置き換えることを発表した。
新しい物理パッケージは、100%リサイクルされた繊維で作られた段ボール製のパッケージと、再生紙を使った説明書となる。印刷には水と野菜をベースにしたインクを使用。包装には、やはり100%リサイクル可能な低密度ポリエチレン(LDPE)を使う。
このパッケージは専門の業者を必要とせず、一般家庭で紙資源としてリサイクルに出せる。ディスクはこれまで通りの素材を使用しており、専門業者に回収してもらえばリサイクル可能だ。
PC版物理パッケージはCDキーによるオンライン認証が一般的だ。キーの登録後は権利がアカウントに紐付けられてディスクはプレイに不要となる。CDキーのみを売るダウンロードカードのような販売方法も考えられるが、ヨーロッパは高速なインターネット回線の普及が日本に比べて十分ではない。中古市場もほぼ存在しないPC版をリサイクル可能なパッケージに置き換えるのは、理にかなった選択だといえるだろう。
SEGA Europeはこのパッケージの置き換えにはある程度の追加費用がかかるとしているが、その一部はプラスチックより軽い紙パッケージによる輸送コストの低減で補填できるとしている。
SEGA Europeがすべてのパッケージを置き換えることを決定したのは、2019年11月にリリースされた『Football Manager 2020』のPC版パッケージをリサイクル可能な素材に置き換えたことに始まる。開発会社であるSports InteractiveはSEGA Europeと協力してこのリサイクル可能パッケージの開発にあたった。
Sports Interactiveは予想する売り上げから、このパッケージを採用することで約20万トンのプラスチック削減が見込めるとしている。製造コストは1パッケージにつき20セント(約25円)増加するが、前述の通り輸送コストやリサイクルコストの軽減で相殺できる。
Sports Interactiveはこの挑戦がほかのエンターテイメント企業が追従することを願い、使用した素材を公式サイトで公開している。
ライター/古嶋誉幸