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『ドラクエIII そして伝説へ…』が発売から32年目。生みの親・堀井雄二氏がお祝いのツイート、あまりの人気ぶりに社会現象となった日本を代表するRPG

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 本日は、1988年2月10日に『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が発売されて32周年となる。Twitterでは、多くのファンからお祝いのツイートが寄せられ、生みの親・堀井雄二氏もメッセージを寄せている。

 『ドラゴンクエスト』シリーズは、その第一作が1986年5月に発売された。スマッシュヒットではあったが、その当時のファミコンソフトとしては大ヒットと呼べるものではなかった。それの転機が訪れたのが、第二作『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』。週刊少年ジャンプの根強いタイアップと、RPGの面白さがファミコンユーザーにも次第に浸透して、87年1月の発売日から売り切れが続出した。

 さらに追い討ちをかけるように文芸誌まで『ドラゴンクエストII』を大特集。雑誌「広告批評」では、堀井雄二氏の対談相手に糸井重里氏が務め、さらに小説家の高橋源一郎氏、いとうせいこう氏、舞台作家の鴻上尚史氏が寄稿した。こうして子供たちだけでもなく大人たちにも『ドラゴンクエスト』の注目をひきつけることとなった。

 しかし『ドラゴンクエストII』は、初回出荷本数が多くなく、ファミコンソフトはROMカセットなため、生産・出荷まで2カ月程度のサイクルを要して店頭に補填されるのも時間がかかった。このため追加生産されては売り切れとなる状態が続くうちに、入手できない人にとっても、それほど間を置かず発売する『ドラゴンクエストIII』の発売が見据える状況が作られていった。

 実は『ドラゴンクエストIII』はもともと87年12月に発売を予定されていた。なんと『ドラゴンクエストII』の11ヶ月後だ。実はこの発売日の時点でゲームは完成されていたとされているが、出荷本数を増産するため1988年2月10日水曜日へと発売延期となったのである。こうしてますます『ドラゴンクエストIII』の注目度は集まり、社会現象になる土台が形成されていった。

 そして、ついに発売を迎えた日、教育委員会の通達により各地の学校では「当日は学校を休まないように」と指導があったが、学校を休んでゲームを買いに行く児童が全国で多発した。延べ400人近くの児童が学校を休んだため、補導されることとなった。また東京都では、量販店にゲームの販売を遅らせる布告を出す事態となり、東京都のみゲームの販売は昼からとなった。ビッグカメラでは1万人を超える列が形成され、徹夜で並ぶ人が後を立たなかった。

 後で不人気ソフトとの抱き合わせ販売が発覚して、公正取引委員会が調査に乗り出したりし、『ドラゴンクエストIII』を強奪する恐喝事件もあった。こういった現象はテレビでニュース報道、さらには特番が組まれれる事態となり、当時の流通や社会状況などが重なり、日本のビデオゲーム史上に残る社会現象となった。

 初代『ドラゴンクエスト』に繋がるドンデン返し、父親の後を追うストーリー、練りに練られたゲームバランス、すぎやまこういち氏が奏でる音楽など、ゲームの評価もシリーズのなかでも金字塔的なものとして名実とも評価されるに到った。後にスーパーファミコンでリメイクされており、こちらも評価が高い。

『ドラクエIII そして伝説へ…』が発売から32年目。生みの親・堀井雄二氏がお祝いのツイート、あまりの人気ぶりに社会現象となった日本を代表するRPG_001
(画像はTwitterより)

 30以上の歳月が経った今、『ドラゴンクエストIII』の発売日、あれほどのお祭り騒ぎの社会現象となったことを知らない世代も出てきている。スマートフォンではリメイク版が手軽に遊べるので、まさに伝説的な作品ともいえる『ドラゴンクエストIII』をこの機会に遊んでみてはいかがだろうか。

ライター/福山幸司

ライター
『ドラクエIII そして伝説へ…』が発売から32年目。生みの親・堀井雄二氏がお祝いのツイート、あまりの人気ぶりに社会現象となった日本を代表するRPG_002
福山幸司
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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