週末の北米映画興行成績で『ソニック・ザ・ムービー』が1位となり、3日間の興行成績が5700万ドル(約62億円)となることが判明した。CNBCなどが報じている。
これはゲーム原作ではこれまで最高のオープニング週末記録を出した『名探偵ピカチュウ』の5430万ドル(約60億円)を超える数字となる。また4日間では推定6800万ドル(約74億円)以上になると予想されている。
『ソニック・ザ・ムービー』は、セガの人気キャラクターであるソニック・ザ・ヘッジホッグを映画化した作品。ソニックが小さな町の保安官とともに悪の天才科学者ドクター・エッグマンと戦う、家族向けのアクション映画となっている。ソニックが幼い時期も描かれ「ベビーソニック」という可愛らしい姿で登場するのも注目だ。
映画版のソニックは声がベン・シュワルツ、ドクター・エッグマンをCGではなくジム・キャリーが演じている。なお日本語キャストでは、NHKの連続テレビ小説『なつぞら』などに出演する若手俳優・中川大志さんが担当。エッグマンは声優の山寺宏一さんが演じている。
『ソニック・ザ・ムービー』は、初日に2100万ドル(約23億円)を稼ぎ、3日間では5700万ドル(約62億円)を超えた。これはアナリスト予想の4000万から4850万ドルを大きく上回る数字で、驚きをもって迎えられている。家族全員で楽しめるストーリーが好評で、アメリカでは公開4日目である月曜日は「大統領誕生日」という祝日にあたり、家族連れで映画館に訪れてさらに興行成績が伸びることが期待されている。
映画を評価するサイトRotten Tomatoesでは、記事執筆時点では評論家の評価が63%、観客の評価が95%と乖離しており、観客から高く支持されていることがわかる。双方とも賞賛しているのが、ドクター・エッグマンを演じるジム・キャリーのパフォーマンスで、映画のクオリティを高めていることに貢献していること。
『ソニック・ザ・ムービー』は昨年4月末にトレイラーが公開されると、オリジナルから乖離したソニックのビジュアルが物議をかもし、5月はじめには監督のジェフ・フォーラーがTwitterでデザインを変更する意思を表明。2019年11月の公開を予定していたが、2020年2月に公開を延期して、オリジナルに準拠したデザインに変更された。
もともとのデザインで公開されたら、どのような興行成績になったのかが気になるところだが、修正したものが蓋を開けると『名探偵ピカチュウ』を上回るオープニング記録を打ち立て、さらに観客の反応も良好と、関係者は安堵しているだろう。日本の観客がどのように受け止めるのか気になるところだ。『ソニック・ザ・ムービー』の日本公開は3月27日だ。
ライター/福山幸司