新型コロナウイルスの感染拡大で、日本のみならず世界中でトイレットペーパーを買い込む人々が目撃されている。トイレットペーパーが不足するというデマが蔓延し、日本でも経済産業省が「供給に不足はない」と発表する異例の事態に見舞われた。
そんなトイレットペーパーの需要急増は現実世界だけでなく、ゲームの世界にもやってきているようだ。核戦争後の世紀末を舞台にしたMMO『Fallout 76』のプレイヤーたちが現実の混乱をモチーフに、ゲーム内でトイレットペーパーの価格急騰を再現しているという。海外メディアPolygonが報じている。
Twitter上では、現在『Fallout 76』のプレイヤーのベンダー(お店)では安くても数百cap、高くて数万capでトイレットペーパーが販売されていることが報告されている。また海外フォーラム「Reddit」では、『Fallout 76』にて「4つのトイレットペーパーを450capで買った人へのメッセージ」というスレッドが立てられ、さらに「トイレットペーパーを2万capで販売した」という書き込みも見られた。
『Fallout 76』においてトイレットペーパーはクラフトで使用できるジャンク品だ。トイレットペーパ自体にはなんの効果もなく、通常は分解してクラフトアイテムに変換することになる。一般的な回復アイテムである「Med-X」でもひとつ40capなことを考えると、ジャンク品としてはあり得ない高値だ。
ほかにも「トイレットペーパーを制する者がこの街を制する」と、マフィア風のプレイヤーキャラクターがトイレットペーパーの在庫を前に銃を構える画像を投稿する者や、さらには今や貴重品となったトイレットペーパーを自分のキャンプに展示するプレイヤーも現れているという。
https://twitter.com/crizzonet/status/1240103186205196290
新型コロナウイルスで大変な時期だが、現実を模倣し、パロディとして笑い飛ばすパワーが『Fallout 76』には渦巻いているようだ。現実の世界がゲームを模倣し、本作のように荒廃しないことを願うばかりだ。
ライター/古嶋誉幸