SIEは『The Last of Us Part II』および『マーベルアイアンマン VR』の発売を延期することを発表した。現在の世界情勢からユーザーが期待するゲーム体験を発売日までに届けることができないと判断したもので、そのほかのゲームの延期情報はいまのところないようだ。
SIEは『The Last of Us Part II』および『マーベルアイアンマン VR』の発売を延期することをお知らせいたします。
— プレイステーション公式 (@PlayStation_jp) April 2, 2020
非常に難しい決断でしたが、現在の世界情勢において、ユーザーの皆様が期待されるゲーム体験を発売日までにお届けすることはロジスティクス等上難しいと判断いたしました。
当初『The Last of Us Part II』は2019年2月に発売予定とされていたが、5月に一度延期さており、今回で二度目の延期となる。延期について開発を担当するNaughty Dogも声明を発表。すべての人に同じ時期にプレイしてもらうため、また物流上の問題もあり、延期する難しい判断を下したとしている。良いニュースとして、ゲームはほぼ完成し、現在はバグの修正に取り組んでいることも合わせて伝えられている。
なお海外メディアKotakuのライターであり世界中の開発者と深い関係にあるジャーナリストJason Schreier氏は、Naughty Dogの複数の開発者たちにコンタクトを取り、実際にスタジオ内ではもとの5月の発売日へ向けて開発が進んでいたとTwitter上で伝えている。
氏が調査した限りでは、今回の延期はパッケージ版の製造や発送から来たもので、開発自体はリモートワークで進んでいるという。 Schreier氏はQAなどのチームは現在も「Crunch」(いわゆる長時間労働)に向き合っていると語る。
『The Last of Us Part II』は三人称視点のゾンビサバイバルホラーゲームだ。娘を失ったジョエルと、感染者(ゾンビ)による文明の崩壊を生き延びた少女エリーが安全な場所を探して旅をした前作から5年後、19歳になったエリーが主人公となる。
生存者たちのコミュニティは順調に発展し、ふたりも穏やかな生活を送っていた。しかし、感染者は変わらず脅威として存在し、今なお野党として人々を襲う同じ人間も残っていた。ある出来事により平和は崩壊し、エリーは再び残酷な旅に挑むことになる。
前作同様聴覚を直接視覚として表示する聞き耳システムが採用され、ステルス重視のゲームプレイは踏襲される。ゾンビや敵対生存者相手に武器を手に大立ち回りするようなことは難しい。さまざまな土地を旅する中で有用なアイテムを見つけ出し、クラフトを使って便利なアイテムへと作り替えるシステムも健在だ。
新型コロナウイルスの感染拡大により、ビデオゲーム業界も多くの作品やイベントが延期される事態に見舞われている。Naughty Dogも声明で「Stay Safe!」と最後に綴っている。一刻も早い事態の収束を願うばかりだ。
ライター/古嶋誉幸