コインの競売で有名なヘリテージオークションは、同オークションにて『ポケモンカードゲーム』(以下、ポケモンカード)のレアカード「No.1 トレーナー」が競売に掛けられ、手数料込みで9万ドル(約960万円)で落札されたことを発表した。
保存状態の格付けはGEM MINT 10。格付けとしては最高の品質を保証するものとなる。落札者については公表されていない。
「No.1 トレーナー」は、『ポケモンカード』の公式大会の優勝者に与えられたカード。競売に掛けられたのは、大阪、福岡、広島、宮城、愛知、東京、北海道で開催された「ポケモンカードチャレンジロード’99 SUMMER」優勝者に配られたもので、世界にたった7枚しかない希少なものだ。
カードには「ポケモンカードゲーム公式トーナメントの優勝者であることをここに認定し、その栄誉をたたえる。このカードを所有する者は、シークレットスーパーバトル日本一決定戦への参加権があることを証明する」と書かれている。シークレットスーパーバトル日本一決定戦は、1999年9月に都内で行われた。
トレーディングカードの格付けを行うPSAは、すでにこのカード7枚を全て鑑定している。その結果、最高クラスのGEM MINT 10は6枚、GEM MINT 9が1枚となっている。
『ポケモンカード』の中でも、もっとも高価と言われているのが「ピカチュウイラストレーター」だ。2019年10月に22万4500ドル(約2400万円)という金額で落札されたと、海外メディアKotakuが報じている。
ヘリテージオークションの「No.1 トレーナー」オークションページでは、「世界一高価な『ポケモンカード』として知られている“ピカチュウイラストレーター”はPSAによって19枚が鑑定されていますが、こちらのカードはたった7枚とさらに貴重です!」と説明されている。
結果として金額で超えることはなかったが、投機としてみるとかなりお値打ち品だった可能性もある。前述の「ピカチュウイラストレーター」は2016年に5万5千ドル(約590万円)で落札されている。同じものかどうかは不明とはいえ、わずか3年で4倍の価値に膨れ上がったといえる。
当時、『ポケモンGO』の人気で『ポケモンカード』が値上がり傾向にあることが報告されていた。4年後の2020年でも、『ポケモンGO』は相変わらず大人気だ。数年後、驚くような価格で「No.1 トレーナー」のカードが取り引きされているかもしれない。
ライター/古嶋誉幸