ゲーム感覚でサイクリングを楽しめるトレーニングアプリ「Zwift(ズイフト)」内にて、世界最大級のバーチャルサイクルロードレース「バーチャル ツール・ド・フランス」が7月4日(土)より開催されている。
本イベントは、8月へ開催延期となった本家「ツール・ド・フランス」の関係者を支援するチャリティー・イニシアティブ「Le Tour de France United」の一環として本家に先駆けて開催される、大会史上初のバーチャルレースだ。
楽しみ方も普段とは少し異なっており、SNS上では「マリオカートのようだ」と話題になっているので、7月18日・19日(土・日)に開催予定の第5・第6ステージが始まる前に紹介しておきたい。
本レースでは、「ローラー台」と呼ばれる器具に実際のロードバイクを載せて走る。このローラー台は仮想空間での勾配にさしかかると負荷が変わり、上り坂ではペダルが重く、逆に下り坂ではペダルが軽く感じられる。また、選手たちの体重や出力の計算をはじめ、ドラフティング【※】の効果が反映されるため、基本的にリアリティーのあるレースが展開される。
本家「ツール・ド・フランス」と同様に、各種カテゴリーで優秀な成績を修めたものだけが身につける「リーダージャージ」の要素も存在するため、優勝をかけた最終場面以外でも駆け引きが生まれる点は見どころのひとつだ。
【※】ドラフティング:チームメイトや他チームの選手のすぐ後ろに張り付き、走行時の空気抵抗を軽減させる技術。「スリップストリーム」とも呼ばれ、モータースポーツでも使われるほか、『マリオカート』シリーズでは『マリオカート64』以降のシリーズ作品に登場する。
しかし、Zwiftにおけるバーチャルレースを「マリオカートのようだ」と形容させる最大の理由は、走行中に手に入る「パワーアップアイテム」である。コースの各所にはアーチが設置されており、くぐりぬけることでアイテムルーレットの抽選が開始。一定時間空気抵抗が減少する「エアロブースト」や自分の後ろについた選手のドラフティングを無効にする「ブリトー」、さらには自分の姿を10秒間見えなくする「インビジビリティ」など、7種類のアイテムを任意のタイミングで使用できる。
特に「エアロブースト」はドラフティングなしに相手を抜き去ることが可能なため、各選手は「エアロブースト」以外のアイテムを早めに使用し、パワーアップアイテムをなるべく厳選する戦略をとっているようだ。このほか、レースに参加するプロ選手たちの多くは自宅から参加しているため、部屋の内装や本大会のためにこらした創意工夫にも注目してみてほしい。
Cycle*2020 バーチャル ツール・ド・フランス
— J SPORTSサイクルロードレース【公式】 (@jspocycle) July 12, 2020
第4ステージ 男子レース
エアロアイテムとダブル扇風機パワーで勝利したのはフレディ・オベット(ISN)🚁🚁#jspocycle
~J SPORTSオンデマンドで配信中~https://t.co/CsB67kThpb pic.twitter.com/35wkeZrteu
「バーチャル ツール・ド・フランス」の様子はスポーツテレビ局「J Sports」にて生中継されているほか、「ツール・ド・フランス」の公式YouTubeチャンネルやZwiftの特設サイト上でもライブ配信を観戦できる。
また、7月18日・19日(土・日)の第5・第6ステージと同日にはアマチュア選手向けの「バーチャル・レタップ・デュ・ツール・ド・フランス」も開催されるので、こちらも要チェックだ。
ライター/ヨシムネ