ゲームではGryffinnと名乗る13歳の少年ジョンソン氏が、『League of Legends』(以下、LoL)の最高ランク「チャレンジャー」に到達したことが話題となっている。全てのプレイヤーの中で上位0.012%の狭き門。ほんの一握りのプレイヤーしか到達できない場所だ。
そんな氏は、海外掲示板Redditにてみずからスレッドを立て、さまざまな質問に答えている。8歳からゲームを始め、毎日平均して6時間前後ゲームをプレイするという氏の回答は、上達を目指しゲームをプレイする上で示唆に富んだものだった。
https://twitter.com/GryffinnLoL/status/1297937893999157250?s=20
『LoL』はさまざまな能力を持つヒーローを操り、相手の本拠地を破壊することが目標の対戦型マルチプレイゲームだ。MOBAと呼ばれるジャンルの中でも1、2を争う人気で、Twitchの視聴者数も常に上位と、大きな人気を誇っている。
ジョンソン氏はTwitchにて自身のランクの変遷を紹介している。シーズン5から参加し、最初はシルバー5だった。毎シーズンごとにランクを上げ、5年間で6000ゲーム、今シーズンだけでも1500ゲームをプレイした努力が「チャレンジャー」として結実した。初めは兄と共に遊んでいたというが、今では有料でコーチングも行う選手へと成長を遂げた。
こう聞くと気になるのは学校生活だが、学業をおろそかにしてゲームに打ち込んでいるかというと、そうでもないようだ。学校にいるときは学業に100%集中し、『LoL』を遊ぶときはゲームに100%集中する。氏は「できるだけ生産的でいるように努めています」とこともなげに答えている。
ほかにも『LoL』における有害(トキシック)なプレイヤーの問題もスレッドでは話題となった。対策は行われているが、大変口の悪いプレイヤーが多いといわれていることもまた事実だ。対戦ゲームを遊んでいるだけあってか、氏は自身も時々トキシックであることを認めている。
氏はトキシックなプレイヤーやコミュニティでの批判などは、「シリアスに考えすぎない」ことを旨としているという。
また13歳のときから3年間遊んでいて、今シーズンではゴールドランクで苦戦しているというあるプレイヤーは、プレッシャーへの対処法を質問している。氏は、ランクが低かったときは勝っても負けても誰も気にしないし、ただ遊んでいたと答えている。
なかなか実行が難しい回答だが、常に勝ち負けを気にしてプレッシャーを感じるくらいなら、いっそ勝ち負けすら気にしないというのは理にかなっているような気もする。
さらにほかの回答では、自分も味方も人間であることを認め、ひとは誰しも間違いを犯すが、そこから自分自身で学ぶことができると答えている。勝ち負けを気にせず、他人の目も気にせず、しかし失敗からは目を背けない。そういう態度が上達への道なのかもしれない。
氏は、今後のキャリアについても語っている。まだ13歳で、多くのチームは年齢制限があることを知っており、仮に17歳になればチームに参加できるとするとそれまでの4年間も努力を続けると語っている。氏は今のところ楽しみのためにゲームをプレイし続けているが、その楽しみがキャリアにつながるのであればそれも勝利だとしている。将来を見据えたわけではないが、将来的にプロとしてやっていくのもいとわないようだ。
ジョンソン氏の回答の端々から、ゲームがうまいというのはすごいことなんだと思わされる。ゲームに対するメンタルセットや方法は、ほかの対戦ゲームでも有用に思う。氏はチャレンジャーに到達してなお、改善する部分が多く満足してないと語る。そう遠くない未来、『LoL』の大会で「Gryffinn」の名前を頻繁に見かけるようになるかもしれない。
ライター/古嶋誉幸