マイクロソフトが販売するフライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator』は、現実の気象情報をゲーム内に反映する機能が搭載されている。
この機能を利用して、現実で起きた大型のハリケーン「ローラ」をゲーム内で追いかけるプレイヤーが続出している。CNNによれば、5段階中2番目に強い「カテゴリー4」に区分されたローラは、8月27日にアメリカルイジアナ州に上陸したという。
ゲーム内でもこの情報が反映されており、現実世界で被害を生む可能性のある嵐をこう言ってよいかはわからないが、本当に美しい風景を作り出し多くのプレイヤーを惹きつけている。
このリアルタイムで気象情報を反映するシステムは、スイスの気象会社Meteoblueと提携して実現している。同社は地球規模での気象予測や気象情報を提供する、世界でもあまり類を見ない会社だ。マイクロソフトは、『Microsoft Flight Simulator』のパートナー企業としてこの会社を紹介する動画もリリースしている。
海外メディアThe Vergeによるインタビューで、Meteoblueはモデルによってこのハリケーンの数日先の姿まで予想できていると語っている。この恐ろしくも美しい風景を作り出したのは、同社の協力があってこそだといえるだろう。
Above & around Hurricane Laura
— Petri Levälahti (@Berduu) August 27, 2020
Microsoft Flight Simulator (Live Weather) pic.twitter.com/T7v8aJ0jhG
Just flew through the outer edge of Hurricane Laura in #MicrosoftFlightSimulator pic.twitter.com/XeyneNTVk4
— Technically Alex (@alextechnically) August 27, 2020
so i saw hurricane laura in microsoft flight simulator pic.twitter.com/bEdK64xFYS
— chris (@NotModern_Chris) August 26, 2020
現実世界に実際にある職業として、ハリケーンの写真を撮るために追いかける人々を「ストームチェイサー」と呼ぶ。危険も伴う職業だが、ゲームであれば安全にハリケーンの美しさを体験できる。
『Microsoft Flight Simulator』では、ほかのプレイヤーがどこを飛んでいるかが分かる。バーチャルストームチェイサーとしてハリケーンを観光したTwitterユーザーのAnthony氏は、ほかに飛んでいるプレイヤーの数が分かるスクリーンショットを公開。これでも一部だというが、多くのプレイヤーがハリケーンを目指して飛んでいることは間違いない。
https://twitter.com/ImSivl/status/1298828755218108416?s=20
フライトシミュレーションゲームのニュースを扱う海外メディアのSTORMBIRDSによると、この嵐のシミュレーションは美しい雲を除いて乱気流などはなかったのだという。安全に観光できるが、せっかくであれば嵐に伴う乱気流も体験できる方がより正確なシミュレーションゲームだといえるだろう。
もしゲームを遊んでいるという方は、こうした現実の出来事を追いかけて遊んでみるのも一興だろう。思わぬ美しい風景に出会えることもあるはずだ。
ライター/古嶋誉幸