ゲーム開発会社Playrixが開発する『ガーデンスケイプ』と『ホームスケイプ』の広告に対し、イギリスの広告基準協議会(ASA)は「誤解を招く」として表示を禁止する判断を下した。現地メディアBBCが報じている。ASAは日本における日本広告審査機構(JARO)に当たる団体で、英国の広告分野における独立規制機関だ。
これらの広告は、特定の順番でピンを引き抜いてキャラクターを助けるパズルゲームを示唆する内容となっており、日本でもさまざまなアプリ上で見ることができる。主要なゲーム内容とは異なるため、広告とのゲームプレイの乖離がたびたび話題になっていた。
『ガーデンスケイプ』と『ホームスケイプ』は、3つ以上の同じジェムを組み合わせて消去する「マッチ3」と呼ばれるジャンルのパズルゲームだ。ピンを引き抜くパズルも本編には存在するが、全体の割合としてはかなり小さい。
問題の広告は3月と4月にもASAに取り上げられており、PlayrixからASAへの回答では、このパズルはゲームをかなり進めないと遊べないと言及されている。また、ほとんどのプレイヤーは最初の段階でゲームをアンインストールしており、このパズルを遊んでいないとの統計を示した。
数千のステージのうち、ピンを引き抜くパズルはわずかに10個。20ステージクリアごとに1回遊べる割合だとしている。
これに応じて、Playrixは4月の時点でピンを引き抜くパズルの出現頻度を変更。くわえて、広告には小さく「すべての画像が実際のゲームプレイを示すわけではありません」と警告文を記載した。
しかし9月30日付けでASAは、公開したリリースにて「この広告をふたたび表示することを許可しない。Playrixはゲームの代表的なゲームプレイを宣伝しなければならない」との裁定を下したことを公開している。
つまり、たとえ誰もが遊べる状態であったとしても、広告に使用するのであればそのパズルがゲームプレイのおもな要素にならなければならないという判断だ。
BBCのインタビューに答えたゲームアナリストのマシュー・ベイリー氏は「このASAの評決は、誤解を招く広告の使用についてほかのゲームメーカーにさらに強力なメッセージを送るだろう」と期待するコメントを寄せている。ただし、BBCの記者は「この評決が下されたあともこの広告を見かけた」と記事に書いている。