アメリカ・テキサス州オースティンに拠点を置くDevolver Digitalは現地時間10月21日(水)、クロアチア・ザグレブへ拠点を置くインディーゲームスタジオCroteamの買収を発表した。同社は一人称視点シューティング(FPS)ゲーム『Serious Sam』シリーズの開発元として知られる。
買収額を含む金銭的条件等は公開されていないが、Devolver Digitalが本件を「Croteam and Devolver got hitched.(CroteamとDevolverは結婚しました。)」と表現していることから、友好的買収であるようだ。
2020年5月に発売時期が発表された際の予告映像
Croteamは、1960年代に台頭した音楽ジャンル「ガレージバンド」になぞらえた“ガレージゲーム”の開発スタジオとして、1993年に6人のメンバーで設立。初めて開発した作品はBlack Legendから1994に発売されたテーブル・サッカーゲーム『Football Glory』であった。『Football Glory』が発売された翌年には、で人気のバラエティ番組を再現した『Save the Earth』とターン制ストラテジーゲーム『Inordinate Desire』(1995)をリリースした。
1996年以降は、2作目となるはずであったテーブル・サッカーゲームの開発中止や技術デモの蓄積を経て、2001年に『Serious Sam』シリーズの第1作『Serious Sam: The First Encounter』を発表。以降はシリーズ作品を中心として、2014年に哲学的テーマが取り入れられたパズルゲーム『The Talos Principle』をリリースしている。
Devolver Digitalからの発表によると『Serious Sam: The First Encounter』の発売に関してはパブリッシャー(販売元)を見つけることが難しく、唯一関心を示したのは、2005年にTake-Two Interactiveへ買収された「Gathering of Developers」であったという。
そして、当時Gathering of Developersに所属していたハリー・ミラー氏、マイク・ウィルソン氏、リック・スタルツ氏は2007年2月に小さなパブリッシャー会社である「Gamecock Media Group」を設立したが、約1年半で閉鎖。のちに2009年のDevolver Digital設立時に参画したことがきっかけで、Croteamとの業務提携へつながり、10年以上もの長い間“愛を育んできた”ようだ。
なお、今後については『The Talos Principle 2』や『Serious Sam』シリーズの新作、Croteamおよび同社の開発者イニシアチブへ参加するスタジオからのオリジナルIP作品が引き続き開発される。
幸せなゴールインを迎えた両社をぜひ、シリーズ最新作『Serious Sam 4』のチェーンソーやランチャー、3種類のショットガンで祝福してあげてほしい。
ライター/ヨシムネ