日本国内外で話題となっている『天穂のサクナヒメ』が、今度はオーストラリアですんなりと輸入できなかったことが話題となっている。オーストラリアを拠点に活動するYouTuberのJay RPG氏が、輸入したゲームがなぜかオーストラリア農業・水・環境省によって開封・検査されていたことをTwitter上で報告している。
届いた荷物には「このパッケージはバイオセキュリティ検査のため開封されました」というシールが貼られている。開封はされたが、危険なものは発見されず無事に氏の元に到着。追加費用が掛かる可能性があるともされているが、幸いなことに請求はなかったようだ(ツイートリンク)。
I think the department of agriculture got a little confused by the name 😂 pic.twitter.com/uuTdYPTiip
— Jay RPG (@JRPGGaming) November 24, 2020
『天穂のサクナヒメ』は、英語圏では『Sakuna: Of Rice and Ruin』というタイトルで販売されている。任天堂系のウェブサイトを運営するダニエル・ヴチュコヴィッチ氏は、「Rice」(米)というタイトルが検査官の目にとまり、中に本物の米が入っているのだと思われて検査されたのだろうと指摘している。
多くの国で植物は輸入や輸出の検査が厳しく、一般人には持ち込めないものも少なくない。日本の植物防疫所の公式ページでは、オーストラリア農業・水・環境省が「ヒメアカカツオブシムシに対する緊急措置」として米など複数の品目を輸入禁止にしていることを伝えている。
農業部門で国内最大の研究機関である農研機構によると、ヒメアカカツオブシムシは「最強の貯穀害虫」で、日本でも警戒されているという。
今回は問題なかったが、実は台湾で販売された『天穂のサクナヒメ』(天穗之咲稻姬)には通販限定特典として、本当にお米がつくものがあった(参考リンク:台湾ヤフー)。もしもこれをJay RPG氏が輸入していたら、本当に没収されていたかもしれない。
お米作りを丁寧に再現したゲームなだけに「ついにお米と間違われた」と書きたくなるような珍事だが、それだけ害虫や外来種が猛威を振るっているともいえるだろう。ゲームを遊べば米作りにおける害虫との戦いの大変さも分かる。害虫との戦いは、現実もやはり同じなのだ。
ライター/古嶋誉幸