サウジアラビア王太子であるムハンマド・ビン・サルマーン氏が設立した慈善団体ミスク財団は、8億1300万サウジリヤル(約227億6400万円)でSNKの株式33.3%を取得したことを公式サイトにて発表した。将来的にさらに17.7%の株式を取得し、全体で51%の株式を取得する予定であることもあわせて発表されている。
このニュースはSNKが上場している韓国のメディアBloterなどが報じ注目を集めていたもので、日本でも「SNKがサウジアラビアの企業によって買収された」として話題となっている。実際には現時点で買収されたという事実はなく、株式の取得のみが公表されている。また、SNK側は記事執筆時点で同件については触れていない。
サウジアラビアのミスク財団は、同国の若者たちのためにイノベーションと創造性を生み出す非営利組織として2011年にサルマーン氏が設立された。2018年に同財団は日本で、アニメ・ゲームの作画や制作、金融ビジネスなど日本企業でインターンシップ研修を実施している(参考リンク)。
そのインターシップ研修における日本企業の受け入れ先はスクウェア・エニックスやSNKも含まれており、今回の株式取得の発表ではこのころのSNKとのつながりについても触れられている。このほか、東京大学との協力連携の覚書に調印するなど、ミスク財団は産学でも日本とのつながりがある(参考リンク)。
ライター/古嶋誉幸