商用検索サイト「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社は12月16日(水)16時、子ども向けに展開するポータルサイト「Yahoo!きっず」のPC版にて「Adobe Flash」を使用したゲームの配信を終了した。配信が終了した作品には、一部の界隈を中心として大人にも親しまれた作品『くまのプーさんのホームランダービー!』も含まれている。
『くまのプーさんのホームランダービー!』は、2008年公開の野球ゲーム。ディズニー作品『くまのプーさん』へ登場するキャラクターたちを相手取り、各キャラクターごとに設定された目標数以上のホームランを目指す作品である。穏やかで可愛らしい外見からは想像もつかない難度の高さが特徴の本作は、2012年ごろに「2ちゃんねる(当時)」の一部から流行が広まり、貼り付けられたURLに対して「ハランデイイ」と返すやり取りがある種のインターネットミームとして親しまれていた。
なお、Adobe Flashを使用していない作品については引き続き配信されているほか、執筆時点ではswfファイルが格納されたURLを直接指定することで本作を継続してプレイ可能。また、海外では世界中からFlashで制作された作品を収集・保存する「Flashpoint」プロジェクトや、Adobe Flash用のエミュレーター「Ruffle」など、さまざまな団体が保存活動に乗り出している。
2000年代のクリエイターの創作活動を支えたAdobe Flashは、2020年12月31日をもってサポートを完全終了する。Yahoo!きっずで配信されていた作品については一足早くお別れすることになってしまったが、ほかの作品についてはまだ2週間ほど猶予が残されている。
もしも気に入っていた作品があれば、跡地や墓標と化してしまう前に一度“巡礼”してみてほしい。
ライター/ヨシムネ