新型コロナウイルスの感染拡大により、ニュージーランドに長期滞在中のValveの共同設立者ゲイブ・ニューウェル氏が、現地メディア1 Newsに対して「私たちは間違いなく、今後発表する予定のゲームを開発中です。ゲームを出荷するのは楽しいです」と答えた。
Valveはシングルプレイゲーム『Half-Life: Alyx』を2020年3月にリリース。10年以上ぶりにシングルプレイ向けゲームをリリースしたことが話題となった。本作をリリースし、ゲームファンから高い評価を受けたことで、社内でさらに多くのことを行うための勢いが生まれたとニューウェル氏は語っている。
1 Newsはニューウェル氏に対して『Portal』や『Half-Life』の新作についても質問した。これらの作品に関して、氏は「私は長い間、それらについて話さないことに成功してきました」と、やはり新情報は明かさなかった。
先日、ValveがマルチプレイVRゲームコードネーム『Citadel』を開発中だと主張する人物が現れた(動画リンク)。本作についても1 Newsは質問したが、ニューウェル氏は『Citadel』という名前を知らないと回答。
一方で「社内にはさまざまなコードネームがあり、時間と共に変化していきます」と、社内で何らかのコードネームを持った作品を開発していることも仄めかした。
Valveは1998年にシングルプレイを主眼に置いたFPS『Half-Life』をリリースしてゲーム業界にデビューした。その後、Mod開発チームを迎え入れて『Counter-Strike』シリーズの開発を進め、マルチプレイゲームの開発でも高い評価を得た。
2004年には『Half-Life 2』をリリース。その後、続編としてエピソード形式を取る『Half-Life 2 Episode 1』と『Half-Life 2 Episode 2』をリリースしたものの、予定されていた『Half-Life 2 Episode 3』は現在もリリースされていない。
『Half-Life 2』以降はゲーム配信プラットフォーム「Steam」を運営しながら、MOBA『DOTA 2』やデジタルカードゲーム『Artifact』をリリース。『DOTA 2』は世界でもっとも賞金額が高いeスポーツ大会といわれる「The International」を毎年開催するほどの人気を誇るが、『Artifact』はそれに比べると大失敗といっていい状態だった。Valveは『Artifact』の更新を一時停止し、再起動に向けたテストを行っている。
Valveの最新作『Half-Life: Alyx』はVR系の賞を中心に、さまざまな2020年ゲーム・オブ・ザ・イヤー関連賞に輝いた。丁寧な作りと面白さが話題を呼び、VR FPSのマスターピースとして今後のVR FPSのベンチマークとなることが予想される。
VRゲームでも存在感を示したValveに、VRの新作を求めるのは当然の成り行きだろう。『Citadel』もそんな需要を受けたニュースなのかもしれない。
Valveは少なくとも『Artifact』の開発を進めており、『DOTA 2』や『Team Fortress 2』のアップデートも行っていることは間違いない。一方でファンが気になるのはまだ見ぬ新作だ。2021年はValveファンにとってどのような年になるだろうか。
ライター/古嶋誉幸