先日ゲーム事業への参入計画が海外メディアにより伝えられたNetflixは、最新の株主向け文書で報道が事実であることを認めた。文書では、展開されるゲームサービスは通常の利用料に含まれ、追加の支払いは発生しない旨を明言。あわせてモバイル向けのゲーム配信に注力する方針も明らかとなった。
Netflixは、「映画やアニメ、TVショーなどのオリジナル作品と同様、ゲームは私たちの新たなコンテンツの一枠になる」と文書で述べ、「他の配信作品と同じく追加料金なしで会員への提供を行う」との意向を示した。
具体的な配信タイトルは伏せられたままだが、同文書では選択可能なストーリー分岐で話題を集めた映画『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』や人気ドラマシリーズをゲーム化した『Stranger Things 3: The Game』の先行事例にも触れ、インタラクティブなコンテンツ制作の礎を築いたと言及している。
また、モバイル向けのゲーム配信に注力する初期方針も伝えられた。「約10年にわたりストリーミングサービスの開発に取り組む中で、ゲームに対する会員の期待に応える時が来た」と記されている。
海外メディアKotakuの報道によると、同社のCPO(製品管理の最高責任者)であるGreg Peters氏は、株主向けの場で次のように話している。
作品の世界に深く没入したいというファンの声は把握しています。インタラクティブなコンテンツはその実現を推し進めるもので、サブスクリプションによる弊社の収益モデルは他の企業とは異なるサービスの提供を可能にします。
作中への広告の導入や有料の追加コンテンツといった形でのマネタイズを行う必要もなく、純粋にエンターテイメントとしての質を追求したゲーム体験を届けられるのです。
ゲームプレイ以外の面に労力を費やさなければならない現状を苦慮せずに済み、企画と開発に集中できる環境を多くの企業が求めていることも分かりました。
ついに現実のものと確定した映像コンテンツ業界の世界的企業の参入は、ゲーム産業を大きく揺るがす動きとなりそうだ。同社の今後の発表に引き続き注目したい。
ライター/dashimaru