『メタルギアソリッドⅤ ザ・ファントム・ペイン』のネットミームが2022年2月に入ってから盛んになっており、ゲームの生みの親である小島秀夫監督がリアクションをするなど、注目を集めている。
ここ最近、MGSV冒頭のキプロスの病院の映像が送られてくる。何で?と思ったら、9年間昏睡がネットミームに😅 pic.twitter.com/bEXFbNJgVM
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 1, 2022
拡散しているネットミームは、『メタルギアソリッドⅤ ザ・ファントム・ペイン』の冒頭シーンから引用されているもので、主治医がスネークに対して9年の長きにわたる昏睡状態だったことを告げるというショッキングな一場面だ。
ミームではこれにならい、おもに「良いですか、落ち着いて聞いて下さい」という言葉から始めて、特定の話題を出しつつ「あなたが眠っているあいだにこんなことが起きていましたよ」と時間の流れの残酷さを告げるものとなっている。
この主治医は声優の大塚芳忠さんが声を演じており、ゲームをプレイした人がネットミームに触れると、思わず大塚芳忠さんのボイスが脳内で再生されてしまうものとなっている。
良いですか、落ち着いて聞いて下さい。
— 白神天稀@CreateBerserker🐐🦌🦒 (@Shirakami_Amaki) February 16, 2022
貴方が眠っていたこの4年間、HUNTER × HUNTERの連載はまだ再開していません。 pic.twitter.com/boaPpCmX0A
このネットミームが周知され始めたきっかけのひとつとしては、YouTubeで『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』の動画を投稿しているスナネコ技術試験中尉さんと、カクヨムで執筆活動をしている白神天稀さんのツイートが挙げられる。
スナネコ技術試験中尉さんは「良いですか、落ち着いて聞いてください。正月休みは、終わりました」、白神天稀さんは「良いですか、落ち着いて聞いて下さい。貴方が眠っていたこの4年間、HUNTER × HUNTERの連載はまだ再開していません」という文言で、それぞれ記事執筆時点では3.5万リツイート、4.1万リツイートを超えるほどの拡散をみせている。
後者の『HUNTER × HUNTER』の文言では、ニコニコ動画で声真似動画を投稿しているエニグマ伯爵さんが、声をあてた動画バージョンを公開しており、さらにそれに対して声優の中田譲治さんがコメントするツイートを投稿している。
この方お上手。
— 中田譲治 (@joujinakata123) February 19, 2022
しかも大塚芳忠さんの特徴をよく捉えている(^ω^) https://t.co/7QOaq2dz9s
なお現在では、ネットミームがさまざまに派生しており、文言を変えるだけでなく、主治医と後ろの看護士のキャラクターを違うキャラクターに変更したり、主治医と看護士が別のネットミームと融合したり、パロディ化されたりする場合がある。
いいかい、落ち着いて聞いてくれたまえよ。#ウマ娘 pic.twitter.com/8EeedBaC52
— tenten (@tentenchan2525) February 27, 2022
いいですか、落ち着いてBE MY BABY pic.twitter.com/8xdGNhfN8X
— tenten (@tentenchan2525) February 28, 2022
いいですか?落ち着いて聞いてください
— やまおり@9/22けもケG-15 (@Hakkentai_pkdn) February 27, 2022
今日のポケモンプレゼンツでポケダンの新作発表はありませんでした pic.twitter.com/W1dzg3Wh7N
現在、こうしたネットミームは急速に作られており、『メタルギアソリッドⅤ ザ・ファントム・ペイン』の生みの親である小島秀夫監督も反応。さらにこのシーンに込められた意図や裏話なども披露しており、キャラクターモデルを演じているのは、ナビゲーションサービス「NAVITIME」のモデルを担当している人だという。
グリーンラインで分断されたキプロス。背後の壁にユニオンジャックがあるのは、元イギリス領だった頃の系列病院という設定。これもキプロスの地図とおなじくミスリード要素。 医者のシャツとネクタイがグリーンなのとか、カーテンがグリーンなのはグリーンラインにかけてます。 https://t.co/SDzfC9EnHT
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 1, 2022
こもキプロスの医者。モデルさんはNAVITIMEの人ですよ。CMで緑のヘルメットかぶっている方です🍼 pic.twitter.com/AXERCDd1Bp
— 小島秀夫 (@Kojima_Hideo) March 1, 2022
スネークのような昏睡状態になっていなくても、ふと過去を振りかえったり、年月を可視化されることで時間の流れに驚いてしまう経験は誰もがしたことがあるはず。そうした共感を呼び起こすことが、今回の拡散されていることの一因といえそうだ。