アスキーの創業メンバーでMSXの生みの親である西和彦氏が、自身のTwitterアカウントで「1chip MSX 3」を夏の終わりまでに正式に発表すると表明した。
また「1chip MSX 3」を、プロジェクトEGGを運営するD4エンタープライズ社と販売の合意をしたと発表した。
Dear Friends,
— 西 和彦 Kazuhiko Nishi (@nishikazuhiko) June 23, 2022
D4E president Mr. Suzuki agreed today they will launch 1 chip MSX 3 as their primary console for the EGG. As a option, will have a bay slot for DVDR or BDXLR and will support for CD, DVD, BD, BDUHD. Announcement for 1 chip MSX 3 by the end of summer.
best regards, pic.twitter.com/oDUFIFT2wa
西和彦氏は、1978年に「アスキー出版」(のちのアスキー)の創設メンバーのひとりとして、コンピューター雑誌「月刊アスキー」を立ち上げた人物。
その後、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツと知り合い意気投合、マイクロソフトの極東代理店としてアスキー・マイクロソフトを設立した。新しいPCを開発していたNECと掛け合い、マイクロソフトBASICの改良型を載せた「PC-8001」の企画・設計に携わる。PC-8001は日本初の本格的なパソコンとして大ヒットを記録した。
1983年に「パソコンの統一規格を作る」という構想のもと、共通規格「MSX」を立ち上げた。参画するメーカーが相次ぎ多くのパソコンが発売されたが、ライバルとして上位機種にIBM、普及版としてファミコンの板挟みになり、存在意義を発揮することができなかった。しかしMSXは、ゲーム機として愛好する人がおり、現在でも根強いファンがいる(以上、参考文献として西和彦氏の著作『反省紀』より)。
「1chip MSX 3」の開発や構想を西和彦氏が進めていることは自身のTwitterアカウントで以前から明らかにしており、MSX-DOS改め「MSX OS」を載せるなどの意向を表明している。40年の技術の変化を盛り込んだ、新しい形のホビーコンピューターになるという。
今回、オプションとしてDVDドライブやBlu-rayドライブが利用可能であり、さらにD4エンタープライズとのコラボレーションから、プロジェクトEGGの膨大なゲームライブラリがすべて利用ができる。
EGGのライブラリは全部msx3で動くようにd4Eの鈴木社長と本日合意しました。
— 西 和彦 Kazuhiko Nishi (@nishikazuhiko) March 31, 2022
謹んでご報告します。
理想のパソコンを追い求めた西和彦氏の新たなる挑戦「1chip MSX 3」。正式な発表は「夏の終わりごろ」とのことなので、続報に期待したい。