DMMは、クレジットカードの「MasterCard」について、2022年7月29日(金)14時に決済に関する契約を終了すると発表した。
MasterCardを利用をしているユーザーにVISA、JCB、Amex、Dinersへの変更をお願いしている。
7月29日(金)14時以降は「MasterCard」の決済ができなくなり、成人向けサービスのFANZAも対象だという。
DMMのサービスは、カテゴリごとに支払いの仕方が異なっており、DMMブックスなどの一部では「PayPlay」の決済にも対応しているが、大きくは「クレジットカード」と「DMMポイント」に対応している。
ゲームの通販やダウンロードゲームの購入にクレジットカードの「MasterCard」を使っていた人は大きく影響が出ることになる。
なおDMM GAMESの『ウマ娘 プリティーダービー』や『艦隊これくしょん -艦これ-』、FANZA GAMESの『超昂大戦 エスカレーションヒロインズ』、『対魔忍RPGX』などの人気オンラインゲームは、これまでDMMポイントのみの決済に対応している。
DMMポイントはクレジットカードのほか、電子マネー、コンビニ店頭支払い、銀行振込、プリペイドカード、PayPayなど多彩な支払い方法に対応しているが、「MasterCard」のクレジットカードでポイントを購入していたというユーザーは注意されたい。
DMMは「MasterCard」の契約終了について詳しい経緯や背景は明かしていないが、SNSでは「クレジットカード会社による成人向けコンテンツに対する規制の動きではないか」と推測している人も出ている。
こうした背景のひとつには、2020年にニューヨークタイムズがアダルトサイトPornhubに対して、児童を含む動画が公開されていると報じ、その影響でMastercardとVisaがPornhubの決済を停止した事件が挙げられる。
この決定に対し当時、非営利団体の電子フロンティア財団(EFF)は、「(MastercardとVisaは)複雑な問題を判断するスキル、専門知識、立場があるわけではない」、「Pornhubが略奪的かどうかではなく、決済代行会社にどの程度の検閲権限を与えるかという問題だ」、さらに「セックスワーカーの経済的自由を奪う」などを指摘つつ、MastercardとVisaを批判していた。
2021年2月より新たに大手クレカ会社から複数出版社に対して商品表題に特定の表現がある場合扱えなくなる旨通知が。「○○殺人事件」等のマンガや小説も引っ掛かると相談が関係者から多数。表現の自由とカード決済会社を含むプラットフォーマーの在り方について関係府省、また党内で検討を続けています
— 山田太郎 ⋈(参議院議員・全国比例) (@yamadataro43) February 21, 2021
また昨年2月に山田太郎議員が、「2021年2月より新たに大手クレカ会社から複数出版社に対して商品表題に特定の表現がある場合扱えなくなる旨通知が(あった)」としており、表現の自由とカード決済会社をめぐる動きが国内でもあったことを明かした。
このツイートは、2019年に同人誌通販サイトで成人向け書籍のクレジットカード決済ができなくなった国内メディアJ-CASTの記事と、その記事に返信をつけたユーザーに補足する形としてツイートしたものだ。
今回、DMMとMasterCardとの契約終了の背景に、成人向けサービスのFANZAの存在が理由としてあったかどうかは不明だが、クレジットカード会社にまつわる動きは今後とも注視するべき事案といえそうだ。