前作より実に13年ぶりとなるシリーズ最新作の『NINJA GAIDEN 4』が、10月21日に発売される。『NINJA GAIDEN』シリーズと言えば、これまで「リュウ・ハヤブサ」を主人公に据えて物語が展開されてきた。
しかし、今作では新たな主人公として「ヤクモ」が登場。キャラクターや物語の違いだけではなく、アクション面でもプレイヤーが新たな体験ができるようになっているところが魅力だ。
本作のプロジェクトは、もともとTeam NINJAの社長でもあるコーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏とプラチナゲームズ社長の稲葉敦志氏が親しい仲にあり、「何か一緒にできないか」という話しをしていたことからスタートしている。そこから、マイクロソフトのフィル・スペンサー氏からも声を変えられたことで、3社で取り組むことになったのだ。
今作はマイクロソフトから発売されるが、プラットフォームはXbox Series X|SやXbox Game Pass、Microsoft Storeなどに限られておらず、 PlayStation 5やSteamなどにも対応している。そのため、ある程度ハイエンドなゲーム環境を持っているならば遊ぶことができるだろう。
リリースに先駆けて、本作を数時間プレイすることができた。今回プレイできたのは、ボス戦を含むゲーム序盤のチャプターだ。
このゲーム序盤のメインストーリーはヤクモでプレイしていくことになるのだが、今回は「チャレンジミッション」と呼ばれるモードで、同じステージを主人公のリュウに切り替えて遊ぶこともできた。こちらの記事では、そこからわかったゲームの魅力と特徴についてご紹介していく。
鴉の型と鵺の型を切り替えながら戦うヤクモの戦闘スタイル
今作で新たに登場する主人公のヤクモは、これまでのリュウ・ハヤブサとはひと味違う戦闘スタイルを持っているのが大きな特徴だ。最大の違いは、「鴉(カラス)の型」と「鵺(ヌエ)の型」というふたつの戦闘モードを切り替えながら戦える点にある。
ヤクモの通常攻撃は「鴉の型」によるもので、そこからコントローラーのLTボタンを押すことで「鵺の型」へと切り替えることが可能だ。「鵺の型」では、画面左下に表示される「血楔ゲージ」を消費して、強力な攻撃を繰り出すことができる。

ここで、もうひとつ重要な要素として絡んでくるのが、ヤクモの武器だ。リュウは1種類の武器しか装備できないが、ヤクモは異なる2種類の武器を装備することができる。やや混乱を招くのは、その武器が鴉の型と鵺の型によって、それぞれ異なるスタイルに変化する点である。つまり、ヤクモは型に関係なく2種類の武器を同時に装備できるうえ、各型に応じて武器のスタイルも変化するのだ。
たとえば「鬼刃建御名方(きじんたけみなかた)」という武器は、鴉の型のときは双剣だが、鵺の型では太刀に切り替わる。また、「降魔夜刀穿(ごうまやとうせん)」の場合は、鴉の型のときはツイストソード、鵺の型では巨大なドリルになるといった感じだ。
また、「降魔夜刀穿(ごうまやとうせん)」ならば、ツイストソードとドリルにそれぞれ切り替わる。型と武器は、それぞれリアルタイムで切り替えることが可能だ。つまり装備できるのはふたつの武器だが、実質4種類の武器を持っているような状態になっているのである。

実際にプレイしてみた印象では、そもそも戦闘がスピーディーに繰り広げられるのだが、ここぞというときに鵺の型に切り替えて攻撃ができるのはかなり楽しく感じられた。また、武器種も選べるため、どちらがサクサク倒していけるかなど、プレイヤーの好みで即座にチェンジできるのも面白い。
さらに、それに加えてボタンの長押しで攻撃が変化するという要素も加わってくる。「鬼刃建御名方」のときは、ボタンを長押しすることで刀を伸ばした攻撃が可能だ。これにより、従来まで不可能だった広範囲に高火力の攻撃が可能になったのである。
ちなみに、「降魔夜刀穿」のときは鵺の型でドリル状態にしたときにボタンを長押ししながら攻撃することで、継続的にダメージを与え続けることができる。

この鵺の型を利用するメリットは、単に技のバリエーションだけではない。通常のザコキャラなどはデフォルトの鴉の型だけでもある程度なんとかなる。
しかし、敵の中にはスーパーアーマーを纏ったものがいるなど、鴉の型ではのけぞらすことができないものも出てくる。そうしたときに、鵺の型で切り返していくことで、敵の状態を崩すことができるのだ。
従来の『NINJA GAIDEN』らしいプレイも踏襲
どうしても鵺の型など新しい攻撃方法に注目が集まってしまいがちだが、今作は『NINJA GAIDEN 2』がベースになっており、従来までの戦闘スタイルもそのまま踏襲されている。たとえば、過去作のテクニックにあった風駆→風路→手裏剣→着地絶技といった一連の動きも、これまで通り出すことができる。
ひとつ注意が必要なところは、13年ぶりの新作ということもあり本作からシリーズを遊び始めるプレイヤーも多く存在するため、最初からすべての技が使えるようになっているわけではないということだ。システムとしては、ゲームを進めていく中で「体術」を購入して解放していくといったスタイルになっている。
これはあくまでも新規で遊ぶユーザーのための配慮で、順番に新たな技を覚えていくことで自然とゲームのアクションが学んでいけるようにしているのである。とはいえ、従来までのプレイヤーは早くあの技が使えるようにしたいといったものがあるだろう。そのため、「飯綱落とし」などお馴染みの技に関しては、比較的早い段階で解放できるようになっている。

ちなみにこれは新たに追加されたものだが、今作では「トレーニングモード」が用意されており、コンボの練習や研究も行えるようになっている。なかなか実践ではすぐに技が出せないということもあるが、こちらで敵や設定を変えていろいろと試すことができるのはありがたい。

スライディングやワイヤーアクションなど移動も爽快!
ということで、先に『NINJA GAIDEN 4』の注目ポイントをご紹介してきたが、ここから先は今回の体験会でのプレイから、印象的だったところをピックアップしていこう。
最初にプレイしたのはCHAPTER00の「黒の末裔」だ。ここはいわゆるチュートリアル的なステージとなっており、基本的な操作方法やバトルが学べるようになっていた。
感心させられたのは、ステージ自体がかなり親切な作りになっていたところだ。基本的に黄色いラインが付けられているところが多く、どこに向かえばいいのか迷うことがない。とくに壁走りなどで移動しなければいけないポイントなどはわかりにくいことが多いのだが、それも黄色いラインが付けられていたことから迷わず進んでいくことができた。

バトルもそうなのだが、この移動時のアクションもかなり快適だ。
走りながらスライディングを決めて障害物を避けることもできれば、狭い壁の間を飛び跳ねていくように登っていく「飛鳥返し」や、壁を走る「無影脚」といったアクションは、他のゲームでは思うように動かせないことも多いのだが、本作ではスムーズに……というよりも、むしろ思ったように動かすことができ、それが爽快感へと繋がっていったのである。

このアクション面の新要素として登場するのが、「鴉忍具」と呼ばれるガジェットだ。その中のひとつである「飛螻蛄(とびけら)」は、いわゆるワイヤーアクションが繰り出せる道具である。使い方は概ねよくあるパターンを踏襲しており、マークが出たところでボタンを押すとワイヤーで移動ができるようになるといった感じだ。
ユニークなところは、移動時だけではなくボス戦などでもこの「飛螻蛄」が活用できるシーンが用意されているところである。うまく活用できるかはプレイヤーの腕前次第ではあるが、ステージ内にこうしたガジェットが活かせるギミックが用意されていることでバトルの幅も大きく広がっていきそうだ。

