ゲーム音楽のレコードを販売するカナダのレーベルVery Ok Vinylは7月21日、『沙耶の唄』のサウンドトラックを12インチのレコードとして販売すると発表した。
同商品は海外向けにVery Ok Vinyと代理での販売を務めるMetaria Store、 Ship to Shore、JAST、Chipfreqにて販売されていた。ひとり二部限定で販売されたものの、いずれの在庫も発売から4日以内には完売し、本作とサウンドトラックの人気を知らしめた
新たなプレスはアナウンスされておらず、残された在庫は予約受付を開始していないベルリンのレコード販売店「HHV」のオンラインストアにて販売される。同ストアでは日本への発送も可能だ。
Here it is, the full release of The Song of Saya!
— Very Ok Vinyl 🇨🇦 (@VeryOkVinyl) July 20, 2022
Tip On Gatefold
OBI
Two sided art print
Restored advertisement from 2003
Pre-orders start July 22 at 2PM EDT!
Check the 🧵 for additional info!#saya #songofsaya #vinyl pic.twitter.com/ujFxxYkgQq
『沙耶の唄』はニトロプラスが手がけ2003年にPC向けに発売された成人向けのノベルゲームだ。本作の脚本は『魔法少女まどか☆マギカ』や『Fate/Zero』で知られる虚淵玄氏が手がけており、ジャンルはサスペンスホラーADVとされている。
主人公の匂坂郁紀は交通事故をきっかけに五感で知覚する全てを醜く、悍ましく認識する後遺症を患っていた。これにより全てが不気味でストレスとなる世界の中、匂坂郁紀はなぜか普通の人間として認識できる謎の少女「沙耶」と出会う。
しかしながら、物語は彼女と出会うことで更なる狂気の扉に手をかけ、展開していく。
本作のジャンルはサスペンスホラーADVとされており、グロテスクなビジュアルや小児性愛といったモチーフ、自身の欲望と世界を天秤にかけるようなシナリオが特徴だ。不条理な設定や演出のほか、物語の身近な出来事から神話的なスケール感へ移行していく構造も作風を形作る大きな要素として機能しているだろう。
発売されるレコードは帯付きの見開き型のジャケットとなっており、レコード本体は「肉」をイメージした赤と黒のマーブル、血をイメージしたクリアレッド、黒色の三色が用意されている。また、本商品には発売当時の広告のレプリカも付属するという。サウンドトラックは2枚組で12曲収録される。
サウンドトラックのコンポーザーは神保 伸太郎氏、磯江 俊道氏、大山 曜氏、川越 好博氏。アルバムはいとうかなこ氏が手がけるテーマソングのほか、ダークで神秘的なムードを携えた成人向けゲームらしいニューエイジ、ノイジー且つインダストリアルな楽曲も収録されている。
7月21日の本商品を発表する投稿には「Looks awsome!」、「Beautiful packaging」といった本商品の豪華なパッケージングを称賛するコメントや「Omg this is exciting!」と本商品の発売を喚起するコメントが寄せられている。また、本商品がみるみるうちに完売していく様を受けて不安になり、レーベルのアカウントを理不尽に叱責するコメントも確認でき、『沙耶の唄』を狂気的に愛好する海外ファンの存在も明らかになった。
2003年に国内向けに発売した本作が海外で大きな人気のある理由として、『まどか☆マギカ』ブームによる再評価のほか、『沙耶の唄』が海外向けにSteamとGOGで販売されていることも影響しているだろう。ちなみに、国内ではDLサイトやニトロプラスの公式オンラインショップで廉価版が販売されている。
本商品に興味がある読者はレコードストア「HHV」やVery Ok Vinyをチェックしよう。