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ドワンゴが「コメント表示機能を巡る特許訴訟」でFC2, INC.および株式会社ホームページシステムに勝訴。FC2等に対する連帯での1億円の損害賠償、コメント表示用プログラムの抹消を請求

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 株式会社ドワンゴは7月29日、同社の保有するコメント表示機能に関する特許権に基づき、FC2, INC.および株式会社ホームページシステム(以下「FC2 等」)を共同被告として提起した特許権侵害訴訟の控訴審における結果を報告をした。

 それによれば、7月20日に知的財産高等裁判所が、FC2等による特許権侵害を認める判決を下したという。

 判決はFC2, INC.および株式会社ホームページシステム、コメント機能付き動画配信サービスである「FC2 動画」「ひまわり動画」および 「SayMove!」に対して下された。

 公開された判決の概要は以下のとおり。

 本判決は、当社の請求を棄却した原審の判断を変更し、コメント機能付き動画配信サービスである「FC2 動画」、「ひまわり動画」(旧「FC2 ひまわり動画」)及び 「SayMove!」(旧「FC2 SayMove!」)(以下「本件各サービス」)に関し、

①FC2等に対する連帯での1億円の損害賠償請求(一部請求)

②FC2 等に対する「FC2 動画」におけるコメント表示用プログラムの譲渡等の差止請求

③FC2 等に対する本件各サービスにおけるコメント表示用プログラム(以下「本件各プログラム」)の抹消請求を認容しました。

 ドワンゴはFC2等に対し、コメント表示機能に関する特許権が侵害されていることを理由として、2016年11月15日に東京地方裁判所に提訴していた。しかしながら、東京地方裁判所はドワンゴの請求をいずれも棄却していた。

 いっぽうで、この度の知的財産高等裁判所による判決では棄却した原審(東京地方裁判所)の判断は覆され、ドワンゴの請求を認容した。

 原審においてドワンゴの請求が棄却された大きな理由としては、FC2がアメリカのサーバを利用していることが挙げられる。これにより、「日本の特許の効力が及ぶか否か」という争点が生じていた。

 ドワンゴの発表によると、今回の判決は「FC2 動画」、「ひまわり動画」および 「SayMove!」が「日本国外のサーバから配信されていることを前提としつつも、数多くの有用なネットワーク関連発明が存在する現在のデジタル社会において、サーバ等の一部の設備を国外に移転するなどして容易に特許権侵害の責任を免れることを許容するのは著しく正義に反する」と判断された。

 その上で、形式的に日本国内で完結しなくとも、「実質的かつ全体的に見て日本国の領域内で行われたと評価し得るものであれば、日本の特許権の効力を及ぼし得る」とされ、ドワンゴが勝訴する運びとなった。

 本件は、FC2等の実態やその他の諸事情を考慮し、日本国内における特許侵害に当たると判断したものであることから、ドワンゴは本判決を「国外のサーバを利用して行われる特許権侵害行為に関して画期的な判断を下したものであると考える」と同社の姿勢を改めて示した。

 また、ドワンゴは「コメント表示機能に関する特許権を含む当社の知的財産権」を重要な資産であると捉えており、今後も知的財産権の侵害行為に対しては毅然とした対応を行うという。

プレスリリースの全文は以下のとおり。


FC2 等に対する特許権侵害訴訟の控訴審判決に関するお知らせ

株式会社ドワンゴ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:夏野剛)は、当社の保有するコメント表示機能に関する特許権に基づいて、FC2, INC.及び株式会社ホームページシステム(以下「FC2 等」)を共同被告として提起した特許権侵害訴訟の控訴審において、 2022 年7月 20 日(水)、知的財産高等裁判所が、FC2等による特許権侵害を認める判決を下したことをお知らせいたします。

本判決の概要

判決のあった裁判所および年月日
【裁判所】知的財産高等裁判所
【判決日】 2022 年 7 月 20 日

判決の概要
本判決は、当社の請求を棄却した原審の判断を変更し、コメント機能付き動画配信サービスである「FC2 動画」、「ひまわり動画」(旧「FC2 ひまわり動画」)及び「SayMove!」(旧「FC2 SayMove!」)(以下「本件各サービス」)に関し、①FC2等に対する連帯での1 億円の損害賠償請求(一部請求)、②FC2 等に対する「FC2 動画」におけるコメント表示用プログラムの譲渡等の差止請求、③FC2 等に対する本件各サービスにおけるコメント表示用プログラム(以下「本件各プログラム」)の抹消請求を認容しました。

訴訟の経緯
当社は、FC2 等に対し、コメント機能付き動画配信サービスである本件各サービスにおいて、当社の保有するコメント表示機能に関する特許権が侵害されていることを理由として、各サービスにおけるコメント表示用プログラムの譲渡、生産、使用等の差止め及び損害賠償等を求めて、2016 年 11 月 15 日に東京地方裁判所に提訴していました。東京地方裁判所(原審)は、2018 年 9 月 19 日、原判決において当社の請求をいずれも棄却したため、当社は、控訴を提起し、当社の請求の正当性を主張してまいりました。今般、知的財産高等裁判所は本判決において、原判決を変更し、当社の前述の各請求を認容しました。

本判決は、本件各プログラムが日本国外のサーバから配信されていることを前提としつつも、数多くの有用なネットワーク関連発明が存在する現在のデジタル社会において、サーバ等の一部の設備を国外に移転するなどして容易に特許権侵害の責任を免れることを許容するのは著しく正義に反するとしました。その上で、本判決は、特許発明の実施行為につき、形式的にはその全ての要素が日本国の領域内で完結するものでないとしても、実質的かつ全体的にみて、それが日本国の領域内で行われたと評価し得るものであれば、日本の特許権の効力を及ぼし得ると判断しました。本判決は、以上を踏まえて、本件における FC2 動画等のサービスの実態その他の諸般の事情を考慮して、本件各プログラムの配信は日本国内における特許権侵害に当たると判断したものであり、国外のサーバを利用して行われる特許権侵害行為に関して画期的な判断を下したものであると考えております。

当社は、コメント表示機能に関する特許権を含む当社の知的財産権を当社の重要な資産であると捉えており、今後も知的財産権の侵害行為に対しては毅然とした対応を行っていく所存です。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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