韓国を拠点としてダンジョン探索アクションゲーム『Dark and Darker』を開発するIRONMACEは3月9日(木)、韓国ネクソン社で制作されたアセット・コードの流用疑惑および韓国警察による家宅捜索を受けた件について、アセット流用疑惑の否定と「捜査当局へ全面的に協力する」とする公式声明を韓国国内のメディア向けに発表した。大手ゲームメディアInvenを筆頭とする海外メディアによって報じられている。
声明のなかで、IRONMACEは「我々は誇りを持って開発に集中することが最重要だと考えていたので一方的な批判を受けたときも開発に専念していた。また、一連の問題は個人に対する事案であり、報道の内容は不適切であると考えている」との見解を示し、訴えを起こした韓国ネクソン社が「過剰な報道圧力をかけ、大衆が事実と異なる状況を認識するよう巧みに情報を歪めている」と主張した。
続くアセット・コードの流用に関する見解でもIRONMACEは「『Dark and Darker』は最初から当社が独自に開発しているゲームであり、不正な機密情報を流用した事実は一切ない」と主張。初期段階から開発ログや日付別のビルド映像を記録しており、必要であれば「記録に基づいて我々の主張を証明する」としている。
また、7日に実施されたオフィスへの家宅捜索については、不正競争防止法や特定経済犯罪の加重処罰等に関する違反の容疑で訴訟を受けた「A氏個人の問題である」と主張した。声明によると家宅捜索は2022年1月にも実施されており、疑惑を取り除くためすべてを開示し、全面的に捜査へ協力したという。
IRONMACEは1回目の捜索時にソースコードやアートデザイン、企画書などの証拠品をすべて捜査当局に開示しており、当局側から要請されたものをすべて提出済み。その後A氏への調べにおいて、開発中止となった韓国ネクソンの作品『Project P3』に関連する証拠はなかったようだ。
加えて、7日の捜索時には代表者のPark Terence Seung-ha氏を含む元韓国ネクソン従業員らの携帯電話やタブレット端末にまでおよぶ広範囲な捜査が実施された。しかし、押収品に異常な点は見られなかったという。IRONMACEは今後の捜査についても「我々に隠ぺいするものは何もなく、3次・4次の捜査が行われたとしてもすべてをオープンに開示し、捜査当局に協力する」とコメントしている。
公式声明のおわりに、IRONMACEは「2度の家宅捜索で証拠がまったく発見されなかったにも関わらず、相手側は当社に対して協業を提案し懐柔を試みたほか、世論を介して継続的な圧力をかけ嫌がらせをしている」と韓国ネクソンを批判した。
「歪められた事実の伝達や報復措置ととれる一連の行動に強い遺憾の意を表明する。我々はいじめが嫌いだ。我々は大企業の横暴に屈することなく、最後まで立ち向かう。」との意思を示したIRONMACE側と「関与するすべての人物と法人に対して、国内外を問わず最後まで厳重な責任を追及していく」とする韓国ネクソンの問題。今後どのような動きを見せるのか慎重に動向を見守りたい。