任天堂は国内向けの情報番組「Indie World 2023.4.20」にて、独立系のゲーム開発スタジオpanstaszが手掛けるホラーRPG『恐怖の世界(World of Horror)』のNintendo Switch版を国内向けに発売すると正式に発表した。
発売時期は2023年の秋となっており、価格は未だ明かされていない。
『恐怖の世界(World of Horror)』は、ポーランドの歯科医師パヴェル・コズミンスキー氏が手掛けるホラーRPGだ。国内外で高い評価を得ているホラー漫画家の伊藤潤二氏と、H. P.ラブクラフト氏の作品を原点とする「クトゥルフ神話」にインスパイアされた作風を特徴としている。
日本語に対応した断片的なスクリーンショットはすでに公開されていたが、全編日本語に対応したトレーラーは今回の発表で初めて公開されたかたちとなっている。
物語の舞台は1980年代の寂れた港町である「塩川市」。プレイヤーはそこで頻発する怪事件を解決すべく調査を行うこととなる。
Steamストアページによると怪事件は旧き神々が目覚めることで発生しており、まさに「クトゥルフ神話」らしい壮大な恐怖と伊藤潤二氏が得意とする荒唐無稽な不気味さが融合した世界観を堪能できる。
ゲームプレイは11人の主人公のうちひとりを操作し、噂を調査するポイント&クリックアドベンチャーゲームのような形式を採用した探索パートとターン制バトルを踏襲した戦闘の2パートで構成され、ジャンルは「ローグライト・コズミックホラーRPG」と題されている。
探索パートでははじめに事件を選択し、診療所といった不穏なロケーションを選択して調査をすすめていく。しかし、本作ではいわゆるSAN値(正気度)のようにマックスになるとゲームオーバーになってしまうパラメーター「破滅値」が用意されているほか、消耗すればおなじくゲームオーバーになるスタミナや理性のパラメーターも存在する。
調査を進めるなかでの怪奇現象やちょっとした出来事が各パラメータに影響を与えるため、細心の注意と運に左右されるスリリングな事件の調査が楽しめる。調査のなかでは仲間作りや戦闘で使用する武器の調達もできることから、プレイヤーの選択が事件解決への鍵を握ることとなるだろう。
また、戦闘パートは調査中に不気味なクリーチャーに襲われることで発生する。攻撃や回避といった各行動には値が定められており、戦闘中は定められた値に収まる行動を選択するシステムとなっているという。
なお、本作のPC版は2020年1月より開発中のゲームをテストを兼ねてリリースする「早期アクセス」としてSteamで配信されており、ユーザーの要望などを参考にゲームバランスの調整や新コンテンツの追加アップデートを定期的に実施してきた。
Steamストアを参照すると早期アクセス版ながら記事執筆の時点で5000件以上のレビューを獲得しており、「非常に好評」の評価を得て94%のユーザーが好評としている人気な作品だ。
国内でも日本語化の要望などが絶えない本作は2022年11月、正式リリースにあわせて日本語へ対応することが明かされていた。また、追って海外向けの正式リリースも2023年秋に決定したと明かされている。
過去の発表と僅かに違いがあるが、このたび任天堂の発表も踏まえれば、いずれにせよPC版をすでに購入しているユーザーも今夏から今秋にかけて日本語で本作をプレイできることとなるだろう。
『恐怖の世界』を日本語でプレイしたい方は、すこし涼しくなる秋ごろに予定された覚醒を待とう。