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『スト6』公式リーグで「コマ投げ反対派」で知られるネモ選手によるドラマチックな試合内容が話題に。コマンド投げにより決した大将戦&延長戦で“コマ投げの神様”の幻が見える

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 『ストリートファイター6』の公式リーグ「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」に関して、8月29日に開催された1st Stage 第8節の第3試合「Saishunkan Sol 熊本 vs 広島 TEAM iXA」における大将戦と延長戦が大きな話題を呼んでいる。

 対戦カードはSaishunkan Sol 熊本のネモ選手と広島 TEAM iXAのACQUA選手じゃじい選手となっており、ネモ選手と「コマンド投げ」に纏わるドラマチックな結末が話題の火種となっているようだ。

 日本における「ストリートファイターリーグ」は、カプコンが手掛ける『ストリートファイター』シリーズの公式大会だ。『ストリートファイターV』の大会として2018年より毎年開催され、2023年にはシリーズ最新作『ストリートファイター6』を舞台に実施されている。

 大会は4人1組のチームが計9団体参加し、「2ステージ制」で開催。「2ndステージ」上位チームが「プレイオフ」へ進出し、さらに勝ち上がったチームが決勝大会「グランドファイナル」にて日本最強の座を掛けて戦うこととなる。

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(画像は2023年シーズン ルール | ストリートファイターリーグ | CAPCOMより)

 大会ルールは4人の中から、先方、中堅、大将の3人を選出し、団体戦として実施。先方と中堅の勝利ポイントが10ポイント、大将戦が20ポイント、そして対戦チームのポイントが大将戦が終了していた時点で実施される延長戦の獲得ポイントが5ポイントとなっており、最終的にステージ内で獲得したポイントによって全チームのランキングが決定する。

 このたび話題を読んだ試合は延長戦となっており、Saishunkan Sol 熊本の先方としてひぐち選手がガイルで、中堅としてササモ選手がDEE JAYで勝利を収め20ポイントを獲得した。

 いっぽうで、その後のネモ選手とACQUA選手のJPのミラーで実施された大将戦から「コマ投げ」に纏わるドラマが幕を開ける。

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(画像は「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」1st Stage 第8節 ☆☆18時40分より初心者必見!SFL: ウォームアップ☆☆ – YouTubeより)

 ここでネモ選手と「コマ投げ」に関するバックグラウンドに触れておくと、ネモ選手は「コマ投げ反対派」として周囲から認知されており、冗談か本気かコマンド投げの弱体化やときには存在そのものの削除を訴えかけていることで有名だ。

 例を挙げるなら、コマ投げを美点とするキャラクターである「ザンギエフ」も嫌っており、ネモ選手は『ストリートファイター6』の発売前からザンギエフの「ヤバいコマ投げ」を警戒する動画を複数投稿し、これまでに10本以上の動画をYouTubeにて投稿している。

 この「コマ投げ」に関するネモ選手の姿勢は決して本作から開始したものではなく、2020年の「ストリートファイターリーグ」の選手紹介文においても「大型かつ強力な“コマンド投げ”を持つキャラクターを苦手としている模様」とされている。必ずしも「苦手」ではないかもしれないが、公式大会で紹介されるほどネモ選手が「コマ投げ」に対して因縁があることが伺えるだろう。

 そんなネモ選手とACQUA選手の大将戦は3本先取の試合となっており、まずネモ選手が的確な立ち回りを見せて2試合を連取した。JPのミラー戦として格付けのような圧勝になるかと思えば、ACQUA選手が粘り強く試合を展開し2試合を取り返す。

 こうして試合はフルセットフルラウンドまで進行。ネモ選手がJPで繰り出したJPの“コマ投げ”技「アブニマーチ」を読み切ったACQUA選手がジャンプで交わしKO。コマ投げを嫌うネモ選手がコマ投げを期に敗れ、試合は延長戦を迎えることとなる。

 延長戦は1本先取となっており、引き続きJPを操るネモ選手vsルークを使うじゃじい選手というカードで開戦。試合は両者がパーフェクトKOを行う劇的な展開を経由して「チームの勝敗」を決定する最終ラウンドに突入。その結末に“事件”が巻き起こる。

 試合はお互いに“1回当たれば試合が終わる”可能性の高い状況となり、ネモ選手はJPのコマンド投げ「アブニマーチ」を使用するが、じゃじい選手はルークのクリティカルアーツペイルライダー」を発動、コマンド投げを無敵技でいなすかたちで勝敗が決した。

 つまるところ“コマ投げ反対派”を公言するネモ選手が大将戦、延長戦ともに「コマ投げ」を起点に敗北するかたちとなり、まるでコマ投げに纏わるカルマが試合を決定したようなドラマチックな勝負となった。

 この試合を受けてネモ選手の名と「コマ投げ」がX(旧Twitter)にトレンド入りしており、「日本のトレンド9位にコマ投げを入れる男」「日本昔話に収録して良いレベル」「申し訳ないけど爆笑した」といった反応が寄せられていた。

 また、さまざまな選手がSNSに感想を投稿しており、これらの反応や実況のコメントなどから試合内容が持つ芳醇な物語性の高さが伺えるだろう。

 なお、この試合後にネモ選手は本試合を振り返る配信を実施しており、焦ってしまったことや、インパクトを返せなかったこと、判断を誤ったことなど試合の内容を具体的に反省している。その後、コミカルに「次の調整でアブニマーチをJPから消してほしい」「アブにマーチがあるからつかっちゃう」といった、やや過激な提案をしている。

ちなみに、動画のタイトルは「コマ投げ は撃ってはいけないもの 8/29」となっている。

 次回、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2023」9月1日(金)19時から「CAPCOM Fighters JP」の公式YouTube、Twitchチャンネルにて配信される。

 今後のネモ選手の活躍と『ストリートファイター6』の盛り上がり、そして「アブニマーチ」の行く末に引き続き注目しよう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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