カプコンは10月26日(木)、同社の研究開発に関する情報を発信するYouTubeチャンネル「CAPCOM R&D」に「RE:2023 RE ENGINEのこれまでとこれから」と題した動画を投稿し、同社がゲーム開発用に採用している内製エンジン「RE ENGINE」に改良をくわえた次世代エンジン「コードネーム REX」を開発中であることを明らかにした。
RE ENGINEはカプコンが開発したゲームエンジンである。サバイバルホラーゲーム『バイオハザード7』にて初採用されて以来、『バイオハザード RE:4』や対戦格闘ゲーム『ストリートファイター6』、恐竜と戦うTPS『エグゾプライマル』など数々のゲームを制作するために活用されている。
エンジンの名前に関しては、カプコンの技術研究チームが2019年に「reach for the moon」が代表的な由来であると発表している。「月に手が届くような不可能を可能にする」という思いが込められているとのこと。
今回の発表によると、2017年の『バイオハザード7』で採用されて以来、RE ENGINEは「互換性」や「プロジェクトの管理機能」など開発環境上のさまざまな要求にこたえるためいくつもの調整や技術の導入がおこなってきたという。そのうえで、発表のなかでは今後の課題として大きく3つのポイントが挙げられた。
・プロジェクトの規模が『バイオハザード7』の頃と比べて5倍以上に膨れ上がっており、大量かつ大容量のアセットを効率的に扱う必要性があること。
・協力会社に海外の企業が増えチームメンバーの多国籍化も進んだことで内部で共有する情報のローカライズが一層重要となっていること。
・市販されているゲームエンジンで開発した経験のある中途/新卒採用者が増加し、市販エンジンと同程度のユーザビリティやカスタマイズ性が求められていること。
以上の3点から、現行のRE ENGINEに留まらない新しい水準のエンジンとして次世代エンジン「コードネーム REX(RE neXt ENGINE)」の開発に取り掛かっているとのこと。
カプコンは全く新しいエンジンを新規開発するのではなく、RE ENGINEに新しい技術を段階的に導入することで、次世代エンジンとしての水準を達成することを目標としている。ちなみに、導入される新技術の詳細については別の機械に紹介していくそうなので、興味のある方はYouTubeチャンネルを登録するなどして、続報をチェックしてみてほしい。