お笑い芸人の野田クリスタルさんが12月5日に実施した大会「ストリートファイター6初心者すぎ大会」が、「名誉の失格制度」により“人狼ゲーム”のような大会となり、SNSを中心に大きな話題を集めた。
『ストリートファイター6』の「初心者すぎ大会」は、お笑いユニット・マヂカルラブリーの野田クリスタルさんが主催する「真の初心者大会」だ。番組には野田クリスタルさんのほか実況者であるハメコさん、プロゲーマー/ストリーマーであるハイタニさんが出演し、実況と解説、そして「真の初心者であるのか」の審判団を務めた。
事前に公開された参加資格としては「ジャンプボタンがわからない」「ガードの仕方がわからない」「そもそも対戦画面まで辿り着けるのか心配」といったレベルの初心者となっている。
実際に放送された番組では出演者の3人が対戦をリアルタイムでチェックし、各動作からの分析を経てやや上手なプレイヤーに「名誉の失格」が与えられていた。
#ストリートファイター6 初心者すぎ大会
— マヂカルラブリー 野田クリスタル (@nodacry) December 5, 2023
まもなく始まります!
大勢のスタッフでしっかり初心者か判定します!https://t.co/Hy3gaNQmaC pic.twitter.com/arbp9LraJy
本大会の序盤では8つの試合が同時に実況される特殊な形態となっており、この仕様も相まって凄まじいスピードで選手が失格になっていく。圧倒的な速度で参加者が失格になる大会は異様であり、準決勝戦のひとつは双方が「名誉の失格」を与えられ“ブロックごと消滅”し、もう一方の準決勝戦が決勝戦に繰り上がった。
大会のハチャメチャなフォーマット、そして異常な形式に適応した実況を行う3人の実況/審判がエクストリームな光景であり、間違いなく一見の価値があるだろう。
初心者すぎ大会の現場。
— RC ハイタニ(Haitani) (@hai090) December 5, 2023
大会進行で8画面を見ながら本当に初心者かどうかチェックするらしいんだけど完全に監視カメラだろこれ笑 pic.twitter.com/yonAzkrU5m
また、プレイヤーの熟練度を分けた戦いではいわゆるスマーフ行為への疑念などが生じ、コメント欄などから不穏な空気が漂うケースが多い。しかし、本大会においては前述した「初心者過ぎる」プレイヤーのみが参加できる大会であり、「アシストコンボ」を使いこなせた時点で「名誉の失格」が与えられる。
このハードルを一気に下げたレギュレーション、そして面白おかしく展開される3人の“人狼ゲーム”的な分析トークがテンポ感と温かい空気感を演出し、もはやコメディよりのクイズ企画のようになっている。
結果として参加者たちの対戦のみならず、各プレイヤーの行動や入力の履歴に関してガヤガヤと議論していく「出演者たちのコミカルな推理」そのものが見どころとなっている点が本大会に新鮮な面白さをもたらしていた。
試合中には会場のブレーカーが落ちる場面も発生し、運営を含めて「初心者過ぎ大会」となったことも、実に平和な番組の空気感を物語っている。
ブレーカーが落ちました!
— マヂカルラブリー 野田クリスタル (@nodacry) December 5, 2023
一旦中止です! https://t.co/0RTjHKLpzL pic.twitter.com/AVgsTQp5o2
このスタジオ初心者すぎたかもしれん
— ハメコ。 / hameko (@hameko) December 5, 2023
そして、本大会は“人狼ゲーム”だけで終わらず、最終試合では大会中に成長したプレイヤー同士の白熱の戦いが執り行われた。準決勝戦が「名誉の失格」システムにより決勝戦へ繰り上がった最終試合は、モダンのケン使いであるジョブズ選手、クラシックでリュウを使うねーさん選手が対戦した。
モダンのケン使いであるジョブズ選手は大会中、ルーク戦のなかで「OD波動拳」を覚え、ザンギエフ戦にて中Kターゲットコンボを身に付けた場面が大会のなかで確認されている。
いっぽうのリュウつかい・ねーさん選手は大会の中で「真空波動拳」のコンボ入力を上達させていき、大ゴスやジャンプ大パンチなどを交えつつ、ほとんど「インパクト」と「真空波動拳」によって勝ち上がったといっても過言ではない。
画面の左右には無数の入力履歴が滝のように流れるなか、勝敗が決するかと思われた最終試合の2ラウンド目。1ラウンド先制したねーさん選手のインパクトが見事に決まり「真空波動拳」が出るかと思えば「ジャンプ大パンチ」に化けてしまう。その好きをついてジョブズ選手が投げを通しラウンドを確保し命を繋ぐ。
そして各選手が1ラウンドを獲得した最終試合、ねーさん選手の真空波動拳をくらい僅かなHPでありながら「ジャンプ大パンチ」を見事にしのいだジョブズ選手は、本大会で磨き上げた「中Kターゲットコンボ」で試合を収め、有終の美を飾り大会が閉幕した。
結果として「ストリートファイター6初心者すぎ大会」は、決勝戦に至るまで「2先」の意味が分からず、1試合ごとに各プレイヤーが離脱する大会とは思えない盛り上がりを見せた。
同時接続者数は7000人を突破し、SNSでは「初心者過ぎ大会」がちゃっかりトレンド入り。間違いなく“伝説の夜”として視聴者の胸に刻まれた大会となっただろう。
『ストリートファイター6』はPS5/PS4、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに発売中だ。
番組のアーカイブが公開されているため、興味がある読者はぜひ本番組を視聴してみてはいかがだろうか。