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『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『三体』『アルジャーノンに花束を』ほか、早川書房のKindle本50%オフのセールが開催。古今東西の名作SFや新鋭作家の作品に加え、ミステリーやノーベル経済学賞受賞者の本も

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早川書房は10月25日(金)から11月7日までの2週間にわたって、主要な電子書籍ストアで、2000点以上の書籍が最大50%オフになる「早川書房 秋の大感謝セール」を開催している。

対象となるストアは「Kindleストア」「DMMブックス」「楽天Kobo」「ハヤカワ・オンラインの電子書籍ストア」など17サイト。なお、一部のストアでは開催時期が異なるため注意されたい。

早川書房のKindle本が50%オフのセールが開催。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『三体』ほか多数_001
(画像は2000点以上が最大50%OFF! 早川書房 秋の大感謝セール開催中!【総合】|早川書房公式サイトより)

対象となる書籍は古今東西の名作から気鋭の作家による意欲作、ジャンルはSFからミステリー、果てはノーベル経済学賞の受賞者による書籍まで幅広い。

鉄板の面白さのものとしては、アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』がまず挙げられる。同著者は映画『オデッセイ』原作の『火星の人』の作者でもあり、ストーリーテリングの巧みさは折り紙付き。同作については、ぜひ一切事前情報を入れずに読んでみることを進めしたい。

比較的新しい映像化作品でいえば、アニメ映画化された伊藤計劃の『虐殺器官』『ハーモニー』や、Netflixでドラマが配信されている『三体』も今回のセール対象。なお『三体』については、第2部『黒暗森林』までセール対象となっている。

古い作品ではあるものの、ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』も長年読み継がれている傑作だ。脳外科手術によって劇的に知能が向上した主人公が直面する悲喜こもごもは、多くの人に感動を与えてきた。また同作者による『24人のビリー・ミリガン』も、「多重人格」をテーマにした名作として知られている。

『アルジャーノンに花束を』が気に入った方にもう1冊お勧めしたいのが、エリザベス・ムーン『くらやみの速さはどれくらい』だ。こちらは自閉症ながらも高い能力を持つ主人公の視点で日々の生活を描いた作品で、何気ない日常の大切さと、自分とは何かを考えさせられる、21世紀版の『アルジャーノンに花束を』とも呼ばれる作品だ。

文量が長くなってしまうので、著者とタイトル程度の簡素な紹介にはなってしまうものの、最近の作家では小川一水のSF大作『天冥の標』、冲方丁『マルドゥック・スクランブル』などのシリーズ作、柴田勝家『ヒト夜の永い夢』、伴名練『なめらかな世界と、その敵』など、日本人作家によるSFも良作が多く揃っている。

早川書房と言えばSFのイメージは強いが、実はそれ以外の作品も豊富だ。本屋大賞の受賞で話題になってた逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』、2024年のノーベル経済学賞を受賞したダロン・アセモグルによる『国家はなぜ衰退するのか』、世界的な人気となったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』原作であるジョージ・R・R・マーティン『氷と炎の歌』シリーズ、タフな刑事による傑作ミステリー『ワシントン・ポー』シリーズなど。

変わり種としては、TRPGでも有名な「クトゥルフ神話」の世界で、世界一有名な探偵「シャーロック・ホームズ」を活躍させるという、設定だけでもワクワクしてくる、ジェイムズ・ラヴグローヴ『クトゥルー・ケースブック』シリーズなどもある。クトゥルフファンはもちろん、シャーロキアンにもおすすめできるシリーズだ。

もちろん、いまさら説明不要な古典の名作作品も数多く揃っている。タイトルのカッコよさでも有名な(もちろん内容も面白い)ロバート・A・ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』『夏への扉』、フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。

「ロボット工学三原則」を生みだしたアイザック・アシモフによる短編集『われはロボット』や、壮大なスケールの銀河史を描いた『銀河帝国興亡史』、ディストピア小説の代名詞となったジョージ・オーウェル『一九八四年』。ユーモアあふれる書き味の作家カート・ヴォネガット・ジュニアによる『猫のゆりかご』『タイタンの妖女』、神林長平『戦闘妖精・雪風』シリーズなどなど、SFだけでも枚挙にいとまがない。

もちろんSF以外の作品も豊富で、例えばミステリーの女王と名高いアガサ・クリスティの作品も数多く揃っている。「灰色の脳細胞」ことエルキュール・ポアロが活躍する『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』や、たびたび翻案された傑作『そして誰もいなくなった』など、「どこかで名前は聞いたことがある」という有名作も多数だ。

ミステリーの女王を紹介した以上、SFの女王アーシュラ・K・ル・グィン作品も紹介しておくべきだろう。日本では『ゲド戦記』の作者として有名な作家だが、ハイニッシュ・ユニバースと呼ばれる共通の世界観を舞台にした作品が高い評価を得ている作家でもある。

あらゆる人が「両性具有」である社会を描いた『闇の左手』や、アナーキズム的なモチーフを据えた『所有せざる人々』など、社会学的なテーマをもつ名作が、数多く遺されている。Kindle版であれば、紙書籍での入手が難しい『ロカノンの世界』などの初期作も入手しやすいのは嬉しいポイントだろう。

以上に紹介した書籍は、あくまで一例。残念ながら本記事だけで紹介できる量ではないので、興味を持った方はぜひ自身でいろいろ探してみるといいだろう。本セールの期間は10月25日(金)から11月7日まで。ただし一部サイトでは日程がことなるとのことなので、詳細についてはご利用の電子書籍ストアをご確認いただきたい。

ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。

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