主に学校の国語教育の場で使われる「国語便覧」が、今SNSを中心に大きな話題になっている。「国語便覧」自体は書籍の固有名詞ではなく、複数の出版社から刊行されているものだが、SNSでの話題の中心となっているのは主に第一学習社から刊行されている「カラー版新国語便覧」だ。
同書籍は今年の3月末から第一学習社の公式オンラインショップ上での取り扱いを解禁し、即完売となった。今月に入ってから本日までに複数回の再販を行っているものの、その度に即完売となっており、次回の再販は5月9日になるとアナウンスされている。
【第一学習社の国語便覧について】
— 第一学習社【公式】 (@daiichi_g) April 22, 2025
大変お世話になっております。
結論から申し上げます。完売状態になっている『カラー版新国語便覧』の再販はあります。
再販開始は5月9日、時間未定。
GWを挟むため、少し間をいただくお願いになります。… pic.twitter.com/UQzwJhSmZ2
「国語便覧」とは、教科書とは別の資料集として用いられる書籍のことだ。さまざまな出版社から刊行されているが、名称として「国語便覧」を採用していない資料も多々存在する。
こうした資料は必ずしも授業で使うことが決まっているものではないため、人によってはほとんど触ったことがないという人もいる一方、舐めるように眺めて続けていたという人も少なくないだろう。
狭義の文学に限らない非常に幅広い情報をジャンル横断的に扱っているため、SNSでは「授業そっちのけで楽しんでいた」という声も多く上がっている。歴史的な知識や幅広い教養をもたらしてくれることから、学校の卒業後に読み物として楽しみたいという人も多いようだ。


実際のところ、今回話題になっている「カラー版新国語便覧」も、単なる国語の資料としてだけではなく、読者に興味をもってもらうための工夫の一つとして、アニメ・マンガなどの話も絡めた、読み物として面白い特集ページなどが用意されているようだ。
さらに、「国語便覧」にはさまざまな情報が一冊の本に集約されていることから、創作活動の資料としても活躍しているという。これには『Fate/Grand Order』や『文豪ストレイドッグス 』など、歴史上の人物が多数登場するゲーム・アニメ作品が近年高い人気を博していることが背景のひとつにある。
第一学習社の公式X(旧Twitter)アカウントによれば、「FGO、文アル、刀剣のファンを中心に、当社の国語便覧を手に取ってみたいというお問い合わせがあった」ことが、同書籍のネット販売が決定した直接の理由になっているという。
【国語便覧オンラインショップ解禁!】
— 第一学習社【公式】 (@daiichi_g) March 25, 2025
お待たせいたしました!
FGO、文アル、刀剣のファンを中心に、当社の国語便覧を手に取ってみたいというお問い合わせがあったため、自社のオンラインショップで販売できるように準備いたしました!
ショップのリンクはリプ欄にあります。… https://t.co/zLtHewmbrz pic.twitter.com/4ZiFwGJSbJ
また同社では「国語便覧」編集者たちによる座談会をコラムの一つとしてオンライン上で公開しているのだが、その中でこうした「国語便覧」とエンタメ作品との関わりについても言及されている。それがSNSで拡散されて大きな注目を集めたことも、同書籍のネット販売開始に繋がる一因となっているようだ。

現在、第一学習社の「カラー版新国語便覧」はオンラインショップでは在庫切れの状態。同サイト上での再販は5月9日を予定しているとの旨が、公式Xアカウントよりアナウンスされている。
また取次などに在庫が残っている可能性もあるので、待ちきれないという方は町の書店で同書籍のISBNコードを伝えて取り寄せを頼むという方法も存在する。書籍についての詳細情報については、第一学習社の公式サイトなどをご確認いただきたい。