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『フォートナイト』の「AI音声ダース・ベイダー」について、アメリカの映画俳優組合・SAG-AFTRAが不当労働行為で訴えを起こす。「人間の仕事をAIで置き換えることを選択し、その意図を一切通知せず、適切な条件について交渉することもなかった」と主張

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5月19日(月)、アメリカの映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟(通称SAG-AFTRA)は、『フォートナイト』における“ダース・ベイダー”の音声にAIを使用したとして、Epic社を不当労働行為として訴える声明を発表した。

SAG-AFTRAは公式サイトにて、『フォートナイト』の契約企業であるLlama Productionsが「人間の仕事をA.I.技術で置き換えることを選択した」と記載。「同社はその意図を私たちに一切通知せず、また適切な条件について私たちと交渉することもありませんでした」とコメントし、これを不当労働行為としてNLRB【※】に申し立てを行ったとしている。

※全米労働関係委員会。1935年制定の全米労働関係法(NLRA)に基づいて、団結権・団体交渉権・不当労働行為の禁止など主要な労働関係法を執行する連邦政府の独立行政機関。

SAG-AFTRAは、約16万人の俳優やアナウンサー、放送ジャーナリスト、ダンサー、DJ、ニュースライター、番組ホスト、レコーディングアーティスト、歌手、声優などのエンターテインメントおよびメディア専門職を代表するアメリカの労働組合だ。

声明の中には、会員およびその遺族が自らのデジタルレプリカの使用を管理する権利を称賛し、新たな技術の活用によって、新世代がその遺産や有名な役柄を楽しむことができるようになることを歓迎するとした上で、会員の仕事を代替する音声の使用に関して、条件を交渉する権利を守らなければならないというコメントが見られる。

この度、申し立てられた『フォートナイト』のコンテンツは、5月16日(金)より配信された「ダースベイダー」のAI音声と会話できるコンテンツだ。「ダース・ベイダー」がボスとしてダース・ベイダー サムライの代わりにバトルロイヤルに登場し、仲間にすればチーム全員が交代でAIと会話することができる。

ベイダー卿の返答音声は、AIモデル(Google社のGemini 2.0 FlashモデルとElevenLab社のFlash v2.5モデル)を使用しAI生成されたもので、「ボイスおよびテキストでのAI機能とのコミュニケーションを許可」というペアレンタルコントロールをEpic Games製品内からオンにすることによって会話が可能となる。

『フォートナイト』の公式サイトでは、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』にてダース・ベイダーの音声を担当したJames Earl Jones氏の遺族より、「今回のフォートナイトとのコラボレーションにより、ダース・ベイダーの長年のファンだけでなく、新しい世代の方々にも、この象徴的なキャラクターの魅力を楽しんで頂けることを願っています」とコメントが寄せられていた。

なお、記事執筆時点でEpic gamesは本件についてのコメントは発表していない。

ライター
MOTHER2でひらがなを覚えてゲームと共に育つ。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。 Divinity: Original Sin 2の有志翻訳に参加。 ゴーストオブツシマの舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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