岩波書店は、スタジオジブリ責任編集による宮﨑駿監督の画集第4弾「宮﨑駿イメージボード全集 4 ナウシカ前史」を7月8日に発売する。
B4・並製/192ページで価格は税込6600円。全国の書店やAmazon、e-honなどのネット書店で取り扱われる。
本書籍は、1982年から徳間書店の雑誌「アニメージュ」で連載された『風の谷のナウシカ』以前の習作や、宮﨑氏の思想の原点を宿したイメージボードなど計188点の絵を原寸あるいは原寸に近いサイズで収録した画集だ。
うち58点は未発表の絵となっているほか、鈴木敏夫プロデューサーが作品に即した逸話や絵の誕生の経緯を語る新規インタビューも掲載されているという。
上記のほか、本シリーズの第1弾では完成形となる『風の谷のナウシカ』、第2弾では『天空の城ラピュタ』、第3弾では『となりのトトロ』を特集している。
また、12月刊行予定の第5弾では『紅の豚』を特集するようだ。
以下、プレスリリースの全文を掲載しています
宮﨑駿監督の初公開自筆画を多数収録! スタジオジブリ責任編集『宮﨑駿イメージボード全集 4 ナウシカ前史』(岩波書店)、いよいよ2025年7月8日発売!
ナウシカ以前に描かれた未発表58点を含む188点完全収録
映画監督かつアニメーターでもある宮﨑駿さんが、自ら描いた〈絵〉──イメージボードやストーリーボードなど──を、多数の未発表の〈絵〉も含め、スタジオジブリが集められるかぎりすべてを集めて収録する画集、スタジオジブリ責任編集『宮﨑駿イメージボード全集』。
2024年12月の刊行開始以来、大きな注目を集めている『1 風の谷のナウシカ』、『2 天空の城ラピュタ』、『3 となりのトトロ』に続き、最新刊『4 ナウシカ前史』を、いよいよ2025年7月8日に発売いたします。その後の宮﨑監督作品につながるイメージを彷彿させる絵の数々がよみがえる! 当時を振り返る鈴木敏夫プロデューサーの巻末インタビューは必読です。
風使いの少女が生まれるまでの10年の軌跡。
「ナウシカ」誕生の前に、宮さんはいろいろな企画を模索していた時期があって、そのひとつが「ロルフ」であり、ひとつが「ヤラ」。「もののけ姫」もあるし「トトロ」もあるのですが、様々なキャラクターをいろいろな所へ登場させ、そういう試行錯誤の中で、最終的に『アニメージュ』(徳間書店)で「風の谷のナウシカ」を1982年から連載することになりました。
こうして通して見ると、宮﨑駿という作家が誕生する以前、習作としていろいろ描いていたということがよく分かり、余計な説明なんか要らないくらい見ているだけで楽しくなりますね。
―― 鈴木敏夫インタビュー(本書巻末掲載)より
宮﨑駿イメージボード全集 4
ナウシカ前史
時代劇、
運命を背負う姫、
風使い──。
2025年7月8日刊行/192頁
ISBN 978-4-00-028834-7
本体 6,000円+税
URL:https://www.iwanami.co.jp/028834
宮﨑駿さんは初の劇場映画監督作「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)を手掛けた後、在籍していたテレコム・アニメーションフィルムで様々な作品に参加しました。なかなか映画を監督する機会に恵まれなかったその時期に、宮﨑さんは試行錯誤のなか、いくつかのオリジナル企画――「ロルフ」、「グールの王女ナウシカ」、「土竜とクシャナ」、「戦国魔城」、「風使いの娘ヤラ」と称される習作を考え、大量のイメージボードを描きました。
今回刊行する『ナウシカ前史』は、そのころに描かれ、アニメ化されることのなかった幻の作品のイメージボードを対象とし、全188点を完全収録します。うち58点は初公開の絵となります。
古今の作品に触発された痕跡を残し、キャラクター、メカ、風景など、その後の作品、とくに『風の谷のナウシカ』の萌芽が見てとれる、魅力的な絵の数々。宮﨑駿さんの思想の原点を宿した絵を、どうぞ、ご堪能ください。
一つの世界ができあがっていく場合、それは色々な断片と混沌としたものの中から出てくるものなんです。
―― 宮﨑駿インタビュー「『ナウシカ』誕生までの試行錯誤」(『風の谷のナウシカ 宮崎駿 水彩画集』徳間書店)より
『宮﨑駿イメージボード全集 4 ナウシカ前史』書誌ページより
4巻目の『ナウシカ前史』は、ご覧いただくと驚愕されると思います。「これがナウシカの原型か!」「こんなにいっぱい描いていたんだ!」と。ナウシカに至る前の構想の資料をこれまでで一番詳しく見せるものになりますから、この本で宮﨑駿研究がまたひとつ進むはずです。
(編集者・ライター 徳木吉春)
――「『宮﨑駿イメージボード全集』製作の舞台裏」より
■次巻は、『5 紅の豚』を2025年12月に、そして、それに続く作品は、『6 耳をすませば On Your Mark』を2026年初夏に発売予定です!
続報は、特設サイトにてご案内予定です。
どうぞお楽しみに。
宮﨑駿イメージボード全集 5
紅の豚
2025年12月刊行予定
ISBN 978-4-00-28835-4
価格未定
『宮﨑駿イメージボード全集』特設サイト
https://www.iwanami.co.jp/hayaomiyazaki_imageboard/
『宮﨑駿イメージボード全集』好評発売中!
一枚の絵がアニメーションの歴史を変える。
手を動かし、想像力を駆使して
創り出された、宮﨑駿の画業の魅力を、
美しい印刷であますことなく伝える!
「イメージボード」は、これから作ろうとする映画の作品世界を自身が探るために、また、それをスタッフに共有するために描かれ、宮﨑駿の創作過程に不可欠なものです。
本書は、映画監督かつアニメーターでもある宮﨑駿が、自ら手掛けた〈絵〉──イメージボードやストーリーボードなど──を可能な限りすべて集めた画集です。
『宮﨑駿イメージボード全集』特設サイト
https://www.iwanami.co.jp/hayaomiyazaki_imageboard/
■ 集められるだけの〈絵〉をすべて収め、オリジナルに近いカタチで再現
スタジオジブリにある宮﨑駿手描きのイメージボードやストーリーボードなどをすべて収録。原画から高精度スキャナーで読み込むことを基本とし、原画と変わらぬ色彩やタッチなどの風合いの再現をめざしています。すでに関連書籍で紹介されている〈絵〉も高画質で掲載。未発表作品も多数収録しています。
■ 原寸あるいは原寸に近いサイズで〈絵〉を掲載
大判の判型(350ミリ×257ミリ)とすることで、原画と同じ大きさ、または近いサイズで〈絵〉を掲載しています(ページに収まりきらないものは視認性を考慮しながら縮小しています)。
■ 宮﨑駿の世界の原点となる〈絵〉を作品ごとに紹介
シリーズの各巻は、宮﨑駿が監督した「風の谷のナウシカ」以降の劇場用映画を完全網羅。またアニメーターとして宮﨑駿が制作に携わり手がけた、スタジオジブリ創設以前の初期作品も収録予定です。
■ 各巻に鈴木敏夫プロデューサーの新規インタビューを掲載
作品に即した逸話や〈絵〉の誕生の経緯を語る、鈴木敏夫プロデューサーの新規インタビューを、各巻末に掲載します。
宮﨑駿イメージボード全集 刊行に寄せて
宮﨑駿が映画を作る時の大きな特徴は、まずイメージボードを描くということだ。そのイメージボードのなかには映画に必要な情報、時間・空間・キャラクターの表情・性格・動き――すべてが描かれていて、こんなことができるのは宮さん以外誰もいないと教えてくれたのは、高畑勲だった。しかしこれまで宮さんの本格的なイメージボード集はなかった。今回の刊行をいちばん楽しみにしているのは僕かもしれない。
スタジオジブリ 鈴木敏夫
宮﨑 駿(みやざき・はやお)
アニメーション映画監督。1941年、東京生まれ。1963年、学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。1985
年にスタジオジブリの設立に参加。
代表作は「風の谷のナウシカ」(1984)、「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004) 、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)、最新監督作は「君たちはどう生きるか」(2023)。
「千と千尋の神隠し」で、第52回ベルリン国際映画祭金熊賞、第75回米アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞を受賞。第62回ベネチア国際映画祭では栄誉金獅子賞を受賞。2012年には文化功労者に選出され、2014年11月、米映画芸術科学アカデミーよりアカデミー名誉賞を受賞している。
2024年3月には、「君たちはどう生きるか」で第96回米アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞を受賞し、21年ぶり2度目の受賞となった。また同年5月には第77回カンヌ国際映画祭で、スタジオジブリとして名誉パルムドールを授与された。さらに9月には、マグサイサイ賞を受賞。2001年に開館した三鷹の森ジブリ美術館では企画原案・プロデュースをし、現在は名誉館主を務めている。
刊行情報
宮﨑駿イメージボード全集 1
風の谷のナウシカ
木々を愛で
虫と語り
風をまねく鳥の人……
2024年12月5日刊行/108頁
ISBN 978-4-00-028831-6
本体4,200円+税
URL: https://www.iwanami.co.jp/028831
宮﨑駿イメージボード全集 2
天空の城ラピュタ
ある日、少女が
空から降ってきた…
2024年12月5日刊行/136頁
ISBN 978-4-00-028832-3
本体4,800円+税
URL: https://www.iwanami.co.jp/028832
宮﨑駿イメージボード全集 3
となりのトトロ
このへんないきものは、
まだ日本にいるのです。
たぶん。
2025年3月5日刊行/176頁
ISBN 978-4-00-028833-0
本体5,800円+税
URL:https://www.iwanami.co.jp/028833
以降続刊── 収録予定作品
●宮﨑駿監督による劇場用映画
「魔女の宅急便」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」「君たちはどう生きるか」
●宮﨑駿が制作に携わったスタジオジブリ劇場用映画
「耳をすませば」「ゲド戦記」「借りぐらしのアリエッティ」「コクリコ坂から」
●その他の短編映画および初期作品
「On Your Mark」、ジブリ美術館オリジナル作品、テレビアニメ作品ほか
ⓒ Hayao Miyazaki
Based on ROWLF by Richard Corben
ⓒ Richard Corben and Corben Studios